THE BRECKER BROTHERS BAND REUNION@川崎CLUB CITTA'

THE BRECKER BROTHERS BAND REUNION 『THE HEAVY METAL BEBOP TOUR '14』 川崎CLUB CITTA' (2014/11/28)

THE BRECKER BROTHERS BAND REUNIONのライブを観てきました。川崎CLUB CITTA'で3日連続で行われた公演のうち、最終日。これはTHE BRECKER BROTHERSの名ライブ盤、「HEAVY METAL BE-BOP」(1978)を“再現”するツアーであり公演なわけですが、その(来日)ラインナップは以下の通り。

Randy Brecker(Trumpet)
Ada Rovatti(Sax)
Barry Finnerty(Gt&Vo)
Neil Jason(Ba&Vo)
Terry Bozzio(Dr)


2007年に白血病の為に死去した、弟くんことMichael Breckerの代わりに、Randyの奥さんであるAda Rovattiが参加。その点を除いて、アルバムに参加した当時のメンバーが揃っているという悶絶モノのラインナップ。やはり、ウチのブログ的にはTerry Bozzioの参加が大きいですね。仮に彼がいないラインナップだったならば、「HEAVY METAL BE-BOP」の再現ライブだったとしても行ってなかったでしょう。

会場に入ると、そのTerryの世界最大のドラムセットが、ステージの3分の1を占めるんじゃないかってくらいの大きさを以って迎えてくれます。小さなライブハウスだったら、ドラムセットだけでステージいっぱい、もしくは全部は乗らないでしょうなぁ(笑)。
左右非対称のその威容は、イソギンチャクを思わせるようでもあり、深海に巣くう何かの生き物のようでもあり、アッザム(『ガンダム』)のようでもあり(笑)。まーとにかく、その姿を拝むだけでも、チケット代の半分以上はペイしたようなもんですわ。
そりゃ、写真パシャパシャ撮りたくなるわな(私は撮ってませんけど)。係員がしきりに「(開演前も)場内撮影禁止です!」と訴えてますが、「なら幕で隠しときゃいいのに」と思わざるを得ません。ドラムセットはステージ下手側に鎮座してましたが、私の席はその正面あたりの10列目でした。
因みに、会場のアナウンスによると、この日の公演は、途中15分間の休憩を挟んだ二部制とのこと。

客電が落ちると、Terry一人が登場。日本語も交えて喋り、順番にメンバーを呼び込む。その様子と口調から、各々のメンバーが互いに敬意を払っているのが感じられて、いい感じ。とってもイイ。
ステージ上、Drは先述の通り下手側。後方中央の台上にNeil、後方上手側の台上にBarry、中央前方のRandy、上手側前方にAdaという配置です。
「第一部」は、(大雑把に言うと)メンバーそれぞれの持ち曲や新曲、未発表曲を中心にした演奏だったかな。Randy、もしくは当該曲のリーダーがカウントを取って曲にイン、ジャズ系音楽のステージらしく、曲中のソロタイムもたっぷり。つーか、テーマメロがちょびっとと、あとは基本各楽器のソロ・タイムが続く流れよね。ただ、一人がソロをとっている最中も他のメンバー(特にリズム隊)がちょこちょこテクを応酬させたりするので、油断ならないっちゃあ油断ならないし、退屈もしない。Terryなんて、ずっとDrソロやってるような見応えと聴き応えがありますし。しかも、それがまったく曲を壊してないってのが肝ですね。

Terry BozzioのDrプレイ、生で観るのは二度目です(前回はUK。その時のレポは→コチラ)が、その印象はやはり、「怖い」
特にスネアの鋭さが、怖い。聴き手側に飛んできて刺さるような、そんなイメージがあるので。また、音自体も「怖い」けど、そのプレイ自体も、何やってるか、どうやってるか分からないから、怖い。不可解なことに対する畏怖がある。
ただ、その鋭さや冷徹さ、獲物を追い込んでゆくような容赦の無さは、UKの時の方が感じました。音楽性の相違ゆえに。この日はもっと柔和で多彩なプレイも多かったです。
それが如実に現れたのが、「第二部」冒頭のDrソロ。てっきり、“HEAVY METAL”なハード・ソロをぶちかましてくると思いきや、そんなこともなく。逆にそのプレイの奥深さや凄みが分かり易く伝わってきたソロでした。トライバルな感じのリズムをずっと足元で鳴らしておいて、その間上半身は忙しく無数のタムや金物の間を行ったり来たり。もう何がなんやらサッパリ…(唖然)
自由自在に強弱をつけられるその叩き方が、ソロの時のみならずバックでリズムを刻んでいる時にも緩急のドラマやメロディックな流れを感じさせるんだな、というのを遅まきながら気づいた次第です。それゆえに、いざという時のハード・ヒットがこちらがビクッと身体が反応してしまうほど、恐ろしげに響くんだな。
あと、彼の身体の動き=見た目も重要よね。メタルを感じさせるヘドバン気味の頭の振り、右半身と左半身が別の生き物のように蠢く様子、それに連動した表情の豊かさ。凄いわ。そんな不可思議極まりない動きを観てたら、『パンキッシュな蛸』なんて形容が浮かびました(笑)。いや、Terryのちょっと逆立てた髪型、パンクスっぽくない?ww

ラッパにはとんと疎い、というかどっちかと言うと苦手な私ですが、Randy Breckerの音は凄かったなぁ。突き抜け具合が尋常じゃない。この日の前日に69歳になったばかりの御大、全然ブレスが乱れないんだもんなぁ。丸々と太ったその容貌と御茶目な動作、柔和な喋り方にも、めっちゃいい人そうなオーラが漂いまくってましたね。
(良い意味で)バンド一攻撃的ではない、Neilの音はとても心地良かったです。そんな彼も、「第二部」の「HEAVY METAL BE-BOP」収録曲の時にはかなりブインブインいわせてましたが。


曲間のMCや曲中の仕草から、メンバーお互いのミュージシャンシップへのリスペクト、そして音楽を奏でることへのリスペクトが感じられて、ほんと気持ち良い。もしかしたら、(そんな風にちらとも感じなかったけど)仲悪いメンバー同士もいるかもしれない。もしかしたらね。でも、仮にそんな性格の不一致があったとしても、相手の実力への敬意があれば素晴らしい演奏ができる、そんな風に思わせるマジックがあったね。
いや、実際に心底仲悪かったら一緒にやってらんないでしょうけど(苦笑)

そんな各メンバーの力量が頂点でぶつかり合ったのが、Some Skunk Funk
この曲を聴きに来たんだ。
想像を絶する、テクニカルさとメカニカルさ。そしてスピード感。Terryが拍車を掛けまくる隣でNeilのBaがガッツンガッツン突き進み、その上でソロ楽器3つが矢継ぎ早にソロを繰り出し、フレーズを走らせる様子には、『唖然として開いた口が塞がらない → うぉ、ウォォオオってヘンな声が漏れそうになるのを堪える → 笑うしかない』という道程を辿るほかなく(笑)。
凄まじいわ。人間、ここまでできるんだという驚き。そしてそれが“曲芸”ではなく、限りなく音楽的であることへの驚き。


最高でした。

会場で、アルバム・ジャケをモチーフにしたTシャツを買おうと思ってたんですけど、会場についた時には既に売り切れ。物販スペースは閑散とした、寂し~い状態になってました。これ、前日までに無くなってたんじゃないのか?この1点のみ、残念でした。
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COMMENT 2

havona  2014, 12. 05 [Fri] 21:23

ブログ、初めて拝見させていただきました。
Randyは来日の度に極力見に行ってるのですが、この公演は見に行けず。
しかし、ライブの様子が大変よく伝わってきました。
また素晴らしいレポをお願いいたします!

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ヒゲ・スカイウォーカー  2014, 12. 07 [Sun] 13:58

havonaさん、初めまして

コメント、ありがとうございます!
かつお褒めの言葉をいただき、大変恐縮です。

ジャズ系のライブに行くことは稀なのですが、この公演は本当に足を運んで良かったです。自由自在に音が躍動する空間が素晴らしかったです。

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