CROSS VEIN「Maid of Lorraine」


CROSS VEIN「Maid of Lorraine」 (2014)

皆様ご機嫌麗しゅう。
国産シンフォニック・メタル・バンド、CROSS VEINのメジャー・デビュー・シングルでございますじゅり。以前記事にしたように、インストVer.を含む4曲入りですね。

スケールッ!、
アーーーップゥ!!

してますね。めっちゃ。

ただそれは、突然変異的なものではなく、順当なステップアップでもあります。やってることはインディーズの時(JULIA嬢Vo時代の話ね)から変わってませんから。勿論それは良い意味で。以前からやってるCV流のシンフォニック・メタルを、メジャー環境で整えて包装して出してきたら、より高級な品になったね、ということで。

メジャー資本注入によるスタジオ効果(?)か、音作りが豪華になってます。JULIA嬢の“無難ではない”Voを中心に据えながらも、それだけを目立たせた音じゃない。ShoyoのBaランニングもしっかり収録。
その傾向はシングル「Profusion」(2013)の時からそうですが、鍵盤の音色の際立ち方やコ-ラス(=クワイヤ)の分厚さが増しました。そして、それら「装飾」部分(と敢えて言いますが)とHR/HMのバンド演奏が共存して、お互いの持ち味を殺さず、むしろ反対に高め合っている音像。見事なメジャー・デビュー作品に仕上がったと思います。


リーダー・トラックである①Maid of Lorraineは、ジャンヌ・ダルクを題材にした必殺のスピード・チューン。冒頭からコーラス&ツインリード全開のインパクトは大きいでしょう。
何度も言及して恐縮ですが(←まるで恐縮してない)、この曲の仮タイトルは「異臭騒ぎ」です。クサいです。
ただ、「クサい」と言ってもCROSS VEINの場合、アニソンや歌謡曲っぽさはあまり感じないことは特徴ですね。これ、国内メタルバンドでは有りそうでなかなか無いタイプなんじゃないかな、と思うわけです。(他の曲でも顕著ですが)本格的欧州シンフォニック・メタルの流儀に、日本語詞を乗せた感じ。Yoshi(Gt)が、映画音楽からK-POPまで幅広く影響を受けているということも、要因としてあるかもしれません。
JULIA嬢のVoは、もっと「丸く」「無難」に収録されるかと思いきや、全然そんなことなくって尖りまくりクセありまくり(笑)。まったくもって嬉しい限りですね。ジャンヌ・ダルクというテーマだけに、女性らしさと力強く前進する意志を併せ持った歌詞ですが、それを感情過多気味に歌う様子が実に眩しい。「どうか泣かないで」って、自分こそ泣きそうやんけって感じがサイコーです(笑)。「JULIAであって、今までのJULIAでない」感じ。一皮剥けたね。
この曲、最初に(ライブで)聴いた時、「どこまでがサビか分からない」「全編サビ」って印象だったのですが、それは1番が終わって流れるように2番に入るからなんだなー、と気づきました。強力なサビメロだけじゃなくて、アタマからケツまで、隅から隅まで、気を配ったアレンジも美味しいキラー・チューン。この曲のインストVerであるを聴くと、歌モノにもシンフォにもメタルにも、過度に偏重しないバランスを保っているのがよく分かります。だからCVは信頼できる。

と釣り合いをとるようにMASUMI(Gt)が書いたという、②寂寞の塔。以前彼と交わした言葉で印象に残ってるのは、「本場のシンフォニック・メタルは(疾走というより)どっしり重ためですよね」(大意)ということ。NIGHTWISHにせよ、WITHIN TEMPTATIONにせよ、EPICAにせよ、それほど走ってはいない。それを証明するかのような、ヘヴィでどっしりとしたシンフォ・チューンです。物悲しさを孕みながら曲は進行しますが、ラスト付近で、コーラスが(さらに)分厚くなって天空へ融けてゆくような展開になるのが大きな聴き処ですね。

③Beauty and the Beast
美女と野獣のアレ、ディズニー的なアレ、…のカバーです。でもバラードじゃないです。カラッと明るめ、アップテンポのHR/HMヴァージョンになっていて、驚かされます。同時に、とてもカッコイイ。これはアレンジの勝利でしょう。
2本のGtが刻み・ソロと縦横無人に駆け巡っていて、爽快感はかなりのもの。そのおかげか、Vo入りにも関わらずインスト曲のようにも感じます。アメリカ~ンなHR/HMにも馴染みの深いMASUMI、彼の色が前面に出た曲なのかも?


三者三様の幅広い音楽性を披露しながらも、同時に統一感もある充実のシングル。特には、メロディ・歌詞共に、“新たな章の始まり”にピッタリの曲。
3月にリリースされるアルバム「ROYAL ETERNITY」(タイトル、クサ過ぎ/笑)が非常に楽しみですね。というか、「坂道発進」ことEternal Dreamと、MASUMI作のsandglassが収録されると思うんですが、それだけでも傑作になっちまいますからなぁ。

ところで、「メタル貴族の舞踏会!!!」って何だソレ?(笑)
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