GALNERYUS「VETELGYUS」


GALNERYUS「VETELGYUS」 (2014)

(例えば)METALLICAがオライオンだったり、EMPERORがプロメテウスだと「ウォ!マジかっけー!」ってなるのに、ガルネリがベテルギウスだとなんで厨二病っぽく感じるんだろうか?(笑) 「VETELGYUS」という表記はどうやらバンドが勝手に考えたもののようですね。英語表記だと「Betelgeuse」のよう。ここらへんも“こじらせてる”感じ、しますね(笑)

さて、国産テクニカル・メロディック・メタル・バンド、9枚目のオリジナル・アルバムです。
例の如く最初と最後にインストゥルメンタルを配置、そして今回ド真ん中のタイトル・トラック⑦VETELGYUSもインストになっております。その3曲を含む全12曲、71分を超える大作です。どれか1曲が長いといういうより、全体的に長い。7~8分台の曲が3曲、アルバム中盤に固まってはいますが(前述のが最長の8分超え)。
ただその尺に反して、聴いているとそれほど長くは感じませんね。各曲のキャラ立ちが良いんでしょうか?曲順のせいもあるかもしれません。

方向性は若干変わっているかな。意欲作、と言えると思います。「クサメロ・スピードチューンに頼らないガルネリ」という新機軸。まぁ前から頼ってなかったかもしれませんけど。
GtよりKeyが目立っているような音作りと方向性です。私はYUHKI(Key)のオルガン・サウンドが好きなんですが、それは今回は控えめ、もっとスペーシーかつシンフォニック、かつ柔らかい音使いです。SHOこと小野正利(Vo)加入後、顕著な方向性ではありますが、ますますメタリックな刺々しさよりも包み込まれるようなスケールの大きさが前面に出てるかな。

演奏は巧くて当然、カッコ良くて当然。聴く前からそう思ってしまうのがガルネリの凄いところでもあり、可哀想なところでもあります。それだけハードルが高いとも言えますね。
今回も、一曲一曲に言及するのが躊躇われるほど、演奏パートの充実度は高いです。聞き惚れる。
しかし、比類なきインスト・パートの雄弁さを持ち、器楽的には最高にカッコイイバンドなのに、残念なのは歌詞とVo周り。

ちょっと前から感じていたことですが、Syu(Gt)が書く日本語詞ってちょっと稚拙じゃないかしら?同じ単語の繰り返し、似た言い回しの連続、考え過ぎな男子中学生の日記みたいな独白調歌詞の頻出、語彙の不足…。これは英語詞が多かった時期には気づかなかった/気にならなかった点ですが。
“従来型”のガルネリを代表するタイプの曲が、②ENDLESS STORY⑥THE JUDGEMENT DAYだと思いますが、この2曲の歌詞が特に厳しい。前者なんて、1曲の中に「僕」が12回、「君」が10回も登場します。「もういい、いい加減にしろ!」と言いたくなるほど。誰かダメ出しする人はいなかったのかね?後者の「わからない もう何も」ってフレーズも何だか凄いな(苦笑)。
SHOが書いた歌詞も、問いかけ調のものや「~してよ」っていう懇願や要求が多く、どこかナヨナヨしたイメージが強いので苦手ですね。
歌詞のメロディへの乗せ方、詰め込み方が下手糞だなぁ、と感じるのも相変わらず。

SHOのクリアな声で高らかにメロディを歌われると、日本語詞がダイレクトに伝わってきます。本来ならそれは圧倒的な強みであるはずなんですけど、ここではウィーク・ポイントになっている場面が多いのが残念。彼、④ULTIMATUMに顕著なように、英詞だと何言ってるか聞き取れないしな(苦笑)。
不思議なのはSHO=小野正利って、カバー曲における芸達者っぷり/なりきりっぷり、多くの顔を持つ様子から考えると、ガルネリでのパフォーマンスが(逆に)妙に画一的なトーンばかり目立つので、首をひねらざるを得ないんですよね。ガルネリでは、真っ直ぐ気持ち良く伸び伸びと歌うことのみを心掛けてる??う~ん、もっと色んな歌唱法を披露してほしいんだけどな。


アルバム前半では、YUHKI作曲の⑤ENEMY TO INJUSTICEが好き。一番オルガンが大胆にフィーチャーされている曲でもありますが、展開も多く、器楽的にとても面白い曲ですね。

ただ、このアルバム、充実していると感じるのは後半。
途中、「あ゛ー!もーっ!尺八ーッ!!」って言いたくなる(笑)、まるで和楽器バンドのようなパート(“和”というよりはフォークメタルっぽいけど)を含んだインスト以降がイイ。
バラード⑧ATTITUDE TO LIFEはキラー・チューンでしょう。SHOの魅力を完全に引き出した自然なメロディが◎。泣き、泣き、ひたすら泣きのGtソロも最高ですね。
アルバム一の異形曲が⑨SECRET LOVE(YUHKI作曲)。歌メロは爽やかでポップと言ってよいと思うんですが、スペーシーな音色のKeyがフュージョンっぽいお洒落さを醸し出したかと思えば、いきなり手拍子が入ったり、間奏は鬼畜なまでにテクニカルだったり…。ヘンテコかつ新機軸です。
⑩THE GUIDEは、TAKA(Ba)作詞による細かい譜割りの言葉が矢継ぎ早に繰り出されるネオクラシカル・スピードチューン。勿論、超テクニカル。ガッツィーで躁状態のこの曲がアルバム後半のこの位置にある意義は大きいと思います。
終始Syuのメロディックに走り抜けるGtを主軸に展開し、ラストの大団円で技巧と泣きが頂点に達する⑪I WISHもかなり好き。それを受けてアルバムを締めくくるインスト⑫THE VOYAGEも素晴らしい出来ですね。

前作「ANGEL OF SALVATION」(2012)と同じくらい好きかな。少し違う方向を向きつつも、での泣きのGtの踏ん張りが私にとっては好印象でした。上記のような不満点もたっぷりあるけどね(苦笑)。

ガルネリ、「挑戦」という言葉は似合うけど、「成熟」って言葉はあんまり似合わないのよね。良くも悪くも。

【お気に入り】
⑧ATTITUDE TO LIFE
⑪I WISH
⑤ENEMY TO INJUSTICE
⑫THE VOYAGE
⑨SECRET LOVE

【歌詞をどうにかしろ】
②ENDLESS STORY
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COMMENT 5

narukuru  2014, 10. 10 [Fri] 12:41

同感

自分も同じ様に思っている事が書かれていてうんうんと思いながら読ませていただきました。自分は文章にするのが下手なのでこんな風に表現できるのが羨ましいと思いました(笑)
確かにガルネリはハードルが高いんです。メタルのいろんな要素が全部入ってるのがガルネリってsyuが言ってるくらいですから何か欠けてても物足りなさを感じたり、あーだこーだ言われるんでしょう。人それぞれ好きなポイントは違いますもんね。
歌詞の問題は目をつむっていました。でも今回はちょっときになっちゃいますね。
ATTITUDEみたいにはまるとSHOの良さが出ますね。
やはりYUHKIの曲がフックになっていてSyuもより幅広いことに挑戦していますね。
最終的には好きなアルバムですよ。

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アミダラ  2014, 10. 10 [Fri] 22:36

作戦!

この問題の ENDLESS STORY・・・
ガルネリの新たな作戦と見受けました。

Syuの「ヤンチャ⁈ 」 &「甘えた」風の歌詞をSHO の声に乗せることにより、ガルネリファン層の一画をなす、おば(^^;;・・・もとい、お姉様方をメロメロにする、題して[母性本能]作戦ですね。

発動の成否を、渋谷公会堂にてリサーチして参ります。

男女比・・・6:4 に コイン100枚!



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ヒゲ・スカイウォーカー  2014, 10. 12 [Sun] 10:16

narukuruさん、

確かにガルネリに求めるところは、人それぞれ違っている印象を感じます。それだけ多方面にアピールできうるサウンドだということでしょうか。「まぁ、結局は個々の好みでしょ!」ということを再認識させてくれる音でもありますね(笑)高品質なだけに。

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ヒゲ・スカイウォーカー  2014, 10. 12 [Sun] 10:19

アミダラさん、

「母性本能作戦」であるならば、もはや私なんぞはまったくもって不要でしょう(笑)
しかし「僕&君」でメロメロになるんでしょうかね…ww

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お客様  2018, 10. 12 [Fri] 15:32

ならお前がENDLESSSTORYを超える歌詞を書いてみろよ

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