RONDONRATS。「BEAUTIFUL」

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RONDONRATS。「BEAUTIFUL」 (2011)

今年の『Electric Lady Loud』での大きな収穫。
RONDONRATS。を知ったこと。

広島出身、女性Vo、ツインGt編成の5人組ロック・バンド。MAMIKO(Vo)のキュートなVoを生かした、軽快なロック/ハードポップです。声質や節回しが似ていることもあって、JUDY AND MARYSHAKALABBITSを想起させる音ですね。
本作はミニアルバム2枚出した後の、初めてのフルアルバム。12曲入り、2011年作。録音と各曲のキャラ立ちという、前ミニ「ADDICTION」(2009)で物足りなかった点を完全にクリアしてきた素晴らしい作品だと思います。まぁ「ミニ」とか「フル」とか言いつつも、このバンドのミニアルバムって7~9曲くらい収録されていてかなりヴォリュームがあるので、あんまり「フル」と遜色はありませんけどね。
彼らのCDジャケのグラフィック・デザインってどれも同じ人が手掛けているようで、それがとてもお洒落ですね。下品にならない一歩手前のカラフルさが◎。ブックレットの紙質も光沢があってなかなか立派だったりして、こういう作品は持っているだけでも嬉しいもんです。

MAMIKOの地声が元々高めなのか、ファルセットとの境い目が分かりにくい歌唱です。私にとっちゃあファルセットって鬼門みたいなもんで、女性Voにしろ男性Voにしろ、地声がいくら気に入ってもファルセット一発で興醒めしちゃうって経験は今まで幾度もあります。逆に、曲やメロディにぴったり合った形で上手~く導入してくれるとめっちゃ好印象ね。このバンドの場合、ファルセットもメロディラインの中に自然に織り込まれているので気にならない。むしろ、そこがフックになっていたりしますし。

最近の作品ではギタリスト2人の作詞作曲への関与が増えてきますが、本作の時点では1曲を除いて曲を書いているのは全てMAMIKO(作詞は全て彼女)。
で、RONDONRATS。って、ヴォーカリストが曲を書いてるこの手の音楽にしては、意外なほどリフが多彩な表情を見せるんですよね。歌メロだけでなく、リフメイクで「オッ!」と思わせてくれるのはすっげぇ付加価値高いっす。どうやらMAMIKOはGtとPianoを使って曲作りをするそうな。

RONDONRATS。にとって、そしてこのアルバムにとって肝となるのは、スピード感であろうと思います。実際のテンポ以上に感じる疾走感は、前述のリフ回しのおかげもありますが、リズム隊、特にDrがドコドコ一辺倒じゃないアイデア豊富な演奏をしているからってのがデカい。⑥A-HA-HA⑨イカロスに顕著なように演奏の重心は低めなので、妙な軽さも無いし。軽快だけど、気持ちいい躍動感というかね。

歌メロとMAMIKOの歌唱に寄り掛かるわけでもなく、上記演奏面での聴き処があるし、短いながらも滑らかなGtソロ、男性メンバーによる掛け声系コーラスやラップ調のVoがあって、ロック・バンドとしての各要素のバランスは良好。
とはいえ、私が最も魅かれるのはメロディ、それも元気の良さや勢いを感じさせるメロディの中に強烈に感じる哀愁や翳りだったりします。ベッタベタのバラードでの叙情よりも、走り抜ける曲調に潜んだ叙情の方がより胸に迫ってくることはありますが、そのことを⑤RESOLUTION⑦ハジマリノウタ⑩クローバーあたりの楽曲が再確認させてくれます。③エッグボーイ⑫badei:bidabu -super girl-では、一聴なんてことないようなメロディなんだけど聴いてるとふと涙出て来そうになるもんな。こりゃセンスとしか言えん。
そしてそのメロディと共にすんなりと入ってくる歌詞、これが良い。少なくとも私にとっては、前向きなだけの歌詞や能天気なだけの音楽からは元気は貰えないのです。苦境に直面した上での前進、現実を見据えた上での祈り。そういう歌詞を書くバンドだから信頼できる。
日常生活に寄り添う音楽。常に手の届く所に置いておきたい音楽。良いバンドだよ。

【お気に入り】
捨て曲なんぞ無いし、全部お気に入りですが特に、
⑩クローバー
⑦ハジマリノウタ PVは → コチラ。
⑤RESOLUTION PVは → コチラ。

このアルバム、当時知ってたら2011年の年間ベストに入ってもおかしくなかったなぁ。


MAMIKO、今日が誕生日だそうな。おめでとう。
昨日その事知って、この記事、(私にしては)大急ぎで仕上げた(笑)
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