sukekiyo「IMMORTALIS」


sukekiyo「IMMORTALIS」 (2014)

2013年末にその正体を明かさないままライブ・デビュー、その後、DIR EN GREYのVo・京を擁するバンド(ソロ・プロジェクト?)であることが発表され、本作を2014年4月にリリース。

奇妙な響きを持つバンド名は、横溝正史の小説『犬神家の一族』の登場人物、犬神佐清(いぬがみすけきよ)にちなんだものですが、このバンドの情報を知った時には驚いたものです。「へ?…スケキヨ?、、、普通ナイでしょそれ?」みたいな。
そのネーミングセンスと、本作の価格が微妙に高い(通常盤が税込3500円に届きそうなくらい)ことに尻込みして購入していませんでしたが、B!誌の京へのインタビューを読んで一変。
そこで彼はバンド名について、「しかもダサい。ここがポイント(笑) 人の名前としてはいいんだけど、バンド名でsukekiyoって、何かもっと他にあったやろ?みたいな」と自ら答えていました。一気に親近感湧きましたね(笑)。自分でもダサいと思ってんだ!?、と。

ならば、買うしかないな。

京(Vo)
匠(Gt, Piano)
UTA(Gt)
YUCHI(Ba)
未架(Dr)

メンバーは上記5名ですが、京以外は「元○○」という肩書きや活動休止中のバンドのメンバーで、私の知らない人ばかりでした。ま、それらのバンドを掘り下げて聴こうとは思ってないんですけど。


ロック、メタル、フォーク、アンビエント、民謡、etc……。DIR的要素もあるけど、DIRとも違う。単純な比較をしてしまうと、DIRより遅く静か。何か自分でそう書いてて「元も子もないなぁ」と苦笑しちまうような説明ですが。
豊富なアイデアがとっちらかったまんま収められている感じがします。考えられているんだけど、わざと整理してない感じ。無秩序を楽しんでいるような感覚か。
個人的にはもっと構築美を感じさせてほしいとも思いますが、それを期待するのもお門違いなのかもしれません。

非常に集中力を要するアルバムです。つまらない曲も多い。ただし同時に、数曲に強烈に魅かれるのも事実。まぁその「つまらない」「魅かれる」って感想自体、人それぞれのものですが。

メタリックな疾走感と重さを伴って駆ける曲もありますが、アコギとピアノの美しい響き、そして包むこまれるような幽玄なムードが支配的です。その上を京の、変幻自在の、人間業とも思えないあの“声”が乗る。
いつもより囁き声とファルセットを多用したその歌唱スタイルは、性別を飛び越えてより女性的な響きがしますね。相変わらず何を歌っているか、歌詞が聞き取れないのが難ですが。

前述の通り、「わざと整理してない」ように感じる音なので、曲毎のキャラ立ちについてはイマイチ。それよりは曲のパ-ツパ-ツが印象に残る。起伏はあるんだけどアルバム一枚のトーンは妙に統一感があること、また、曲数が多く、72分に迫るランニング・タイムもその印象を強めている感じ。


優しさが陰湿さや残酷さと同居して、癒しと同時に痛みや諦めも感じる。浮遊感を感じさせる音は、自分の居場所や感覚が不確かであることを思い起こさせ、不安を掻き立てる。
人里離れた山間。誰にも知られず、霧に包まれてひっそりと佇む、異形の大伽藍。そんなイメージも浮かびましたね。

【お気に入り】
壮大な曲調と泣きのGtが素晴らしい⑭鵠
メロウに歌い上げる、アルバム随一の“V系”曲⑤zephyr
優しげな曲調が逆に哀しみと残酷さを感じさせる⑪mama
DIR的な異形と突然挿入される美しいメロディが油断ならない⑮斑人間
変幻自在の⑥hidden one


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