SCORPIONS「FLY TO THE RAINBOW」

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SCORPIONS「FLY TO THE RAINBOW」 (1974)

ドイツのHRバンド、SCORPIONSの2nd。邦題「電撃の蠍団」。なんだか江戸川乱歩の作品に出てくる盗賊団みたいな名前だな。1972年の「LONESOME CROW」が無視されることもあったりで実質1stみたいなもんでしょうか?ライナーでも本作が「記念すべきデビュー・アルバム」とか書かれてるし。私も前作は持っていません。Michael Schenker(Gt)が抜けて本作からUli Jon Roth(Gt&仙人Vo)が加入しています。UliはSCORPIONS在籍時はUlrich Rothと名乗っていますね。「神」と「仙人」が両方とも在籍していたなんて、よくよく考えると(よくよく考えなくても)凄いバンドですね。

多分、私の一番好きなギタリストはUli Jon Rothです。奏法とかテクニックについてはさっぱり分かりませんが、こと「泣き」について言えばUli以上はありえないと思っている次第です。というわけで、SCORPIONSでも当然のようにUli時代がダントツ好きです。

さて、とりあえずジャケットに突っ込んでおこうか。しかしどこから突っ込んでいいのか迷うほど突っ込みどころ満載ですね。何なんだろうか、このプロペラ男は?いや、女かもしれないな。じゃんけんグーしかできなそうな手袋にも注目です。表ジャケだけでかなりお腹一杯ですが、裏ジャケも抜かりはありません。ご丁寧にもバックからのアングルで再度紹介です。バンド・メンバーをお尻でアピール。

肝心の中身ですが、本作を彼らの最高傑作に挙げる人もいるであろう名作です。特に泣きのメロディが(ギターも歌メロも)充実しています。その反面やや大人しめの曲が多いですが、美しさの際立った作品です。このバンドのメイン・ソングライターであるKlaus Meine(Vo)とRudolf Schenker(Gt)が得意の繊細なメロディ・センスを如何なく発揮しているばかりか、加入したばかりのUliも自身が作った曲では早速ヴォーカルをとりたがるという、激しい自己主張ぶりです。

①Speedy's ComingはいきなりUliのギターが唸りを上げる本作随一のノリノリ・チューン。シンプルながら実にかっこいい!メロディアスなベース、サビ裏での軋みをあげるような音(?)も印象的です。歌詞にRingo StarrとDavid Bowieに交じってAlice Cooperが出てきますが、彼ってそんなにキャリア古いのかと驚いた覚えがあります。フラメンコ調の②They Need A Million、Uli作のサイケデリックな③Drifting Sunとテンポは落ちるもののヘヴィさが増していきます。とくに大作はUliの気だるいヴォーカルと奔放に弾きまくるギター・ソロによって、聞いてると追い詰められていくような切迫感があります。人気は無さそうだが傑作。
そこからが哀愁3連発。正にド演歌の④Fly People Fly、ツインギターの絡みと泣きがWISHBONE ASHっぽさも感じさせる⑤This Is My Song、爽やかながら翳りを引きずった⑥Far Awayと、Klausの透明感のある哀愁ヴォーカルとUliの泣き泣きギターを堪能できる曲が続きます。特にのギターはやばい。
そしてタイトル・トラックの⑦Fly To The Rainbow。作ったのは「神」と「仙人」。もはや人間の作れる曲ではないということか。美しいだけでなくどこか異世界を感じさせるメロディー、次々と展開していくドラマティックな構築美、メイン・リフの崇高な響き、Uliの独り言のような語り(笑)……、完璧だ。天空に溶け込んでいくような畏怖をも感じさせるラストが圧巻です。

【お気に入り】
すべて素晴らしいが、特に
⑦Fly To The Rainbow
①Speedy's Coming
当時のこの曲 → Uli様に悶絶だが、Klausの怪しい動きも注目。Uli様、アーム太いのに変えてるな。
2006年のWacken → Uli様がスペシャル・ゲストで。何コレ、このトーン!この泣き!この存在感!
この時の映像がDVDで発売してるので買ってください。悶絶なんで。

そのキャリアをまとめにかかっているSCORPIONS、是非Uliと一緒に来日しておくれよ。
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