新津きよみ『アルペジオ - 彼女の拳銃 彼のクラリネット』

新津きよみ_アルペジオ
新津きよみ『アルペジオ - 彼女の拳銃 彼のクラリネット』 (講談社文庫)

新津きよみの『アルペジオ - 彼女の拳銃 彼のクラリネット』を読みました。

夫の陰湿な暴力に耐え切れず由布子は家を出た。偶然に手に入れた拳銃が御守りだった。スミス&ウエッソン ―かつて愛した男の憧れの拳銃。逃避行にはジムのインストラクター逸美が同行した。彼女にも「殺してやりたいほど憎い男」がいた。出会うはずのなかった女二人と男の人生が絡みあう愛のミステリー。

う~~ん、イマイチ。


以下、人によっては「ネタバレ」と感じる部分があると思いますので、ご注意ください。
 ↓

警察小説を集めたムック本の中で紹介されていた小説です。男主人公が警視庁の音楽隊でクラリネットを吹いているという独特の設定もあり、「お、こりゃ今まで読んだことない警察小説か!?」と期待しましたが、

これは警察小説じゃないね…。

コンプレックスを抱える男女(もしくは女&女)の恋愛に、ドメスティック・ヴァイオレンスと、偶然手に入れてしまった拳銃を巡るサスペンスを絡めた作風。それにちょっと音楽のことをまぶした感じかな。

「男主人公」とは書きましたが、あんまり活躍しませんし、影は薄いです。というかこれを書きながら名前が思い出せない(苦笑)。調べてみると、あぁ、そうだ良介だったっけ、という薄ぼんやりとした存在感。で、この人、むしろ女主人公・由布子の「相手役」として機能している程度。
夫・保のDVに悩む由布子と、ジムのインストラクター逸美の女性2人が主人公と言ってよいでしょうね。

たいてい女性作家が書く女性キャラの方が、(男性作家が書くキャラより)人物造形がエグかったりして、読みながら「こいつ厭なオンナだなぁ」とか思ったりしますが、本作もそう。アタマっからケツまで、由布子にムカつきながらページが過ぎてゆきます。

「わたしみたいな女、鼻につくでしょう?」 by 由布子
はい。鼻につきます。

逸美はなかなかいいキャラなんですけどねー。その二人の奇妙な友情?恋愛?も読みどころではありますが、どうしてこういう結末になっちゃうかなー?
哀しい&安直の合わせ技。
好きじゃないな。

というかこの小説、なんでおっ○い大きい女性ばっかりでてくるの?(笑)
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