lynch.「GALLOWS」


lynch.「GALLOWS」 (2014)

ズバリ、傑作だと思う。
このバンドの美点である各要素が高次元で融合された佳曲がぎっしり13曲。でもそのどれもがコンパクトで単純なBPMに依らない勢いを感じさせるため、トゥー・マッチな感じはしませんね。むしろ研ぎ澄まされた刀剣の如く、どの曲も暗い輝きを放っておりますわ。アルバムを色で表現するならミッドナイトブルー、もしくは深紅って感じでしょうか。限りなく漆黒に近い中に仄かな、でも厳しい冷たさや熱さを感じるサウンド。

アルバム一枚丸々統一されたムードを感じさせるものの、個々の楽曲に目を向けると、多彩なリズム面でのアイデア、グロゥルに顕著な立体的なコーラス・ワーク、歌メロの充実によって、各曲のキャラ立ちは良いです。少し趣の異なる曲の配置、それと曲順の妙を以って、飽きさせることなく一気に聴かせるパワーも勢いもある。

冷たいピアノが映える①INTRODUCTIONからして「このアルバム…なんかスゴいんじゃね?」という予感を感じさせますが、さらに強靭になったように思えるリフとグロゥルが襲い掛かってくる②GALLOWSでヤられる。コロッとヤられる。日本語詞のクリーンVoパートのメロディがまた絶品で、初めて聴いた時、思わず涙してしまいましたよ。
続くリードトラック③DEVILはヘドバンを誘発するステディなリズムが特徴のキャッチーな曲で、からのその落差にヤられる。コロッとヤられる。これは聴けば聴くほどクセになるメロディですね。アンサンブルを敢えてシンプルにすることによって歌メロを際立たせているように感じます。

クリーン・トーンのアルペジオが印象的な⑤ENVYは悠介(Gt)が書いた曲で、彼はこの曲とバラード調の⑫RINGでアルバムの耽美で儚げな面を担当している感も。因みに他の曲は全て葉月(Vo)が作曲です(作詞も全て彼)。
そうそう、このアルバム、曲間がかなり短く編集されており、そのこともギュッと凝縮されたような密度と一気に駆け抜ける印象を感じさせることの一因です。

複雑なリズムの上を官能的な歌メロが流れてゆく様子が堪らない⑥GUILLOTINE。この曲からのアルバム中盤の充実が素晴らしいですね。滑らかな歌メロといえば、⑦MERCILESSもそうで、こちらは速射砲のようなリズムが特徴で、気づくと終わってるような短い尺の曲だが、メロディはめちゃめちゃ印象に残る。⑧OBLIVIONは捻った歌詞と哀愁のメロディの組み合わせにヤられる。コロッとヤられる(もういいか)。

そして最強は、アルバムを締めくくる⑬PHOENIX。グロゥルを封印したことにより、逆にVoの強靭さと真摯さが印象付けられ、さらには決意と悲壮感が漲る歌詞がくっきりと浮かび上がる。2番の後のブリッジ・パート、「ここから観る景色は まさに地獄 翼を広げたなら」部分のムードと場面展開の妙が効果的ですね。力強いメッセージが真っ直ぐ聴き手まで届く、胸を掻き毟る叙情疾走曲。
⑨BULLETも同タイプの佳曲ですね(こっちはグロゥル有りだけど)。


コロッとヤられる、傑作です。
派手なGtソロやツインGtのハーモニーが無いのが唯一私の嗜好からズレる点かな。リフ主体の現行路線は堅持しつつも、そういう要素を取り入れてハッとさせる場面ができたら(ウチのブログ的に)最強。

【お気に入り】
⑬PHOENIX
③DEVIL MVは → コチラ。
⑦MERCILESS
⑥GUILLOTINE
⑨BULLET
②GALLOWS
⑧OBLIVION
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