KAZU@新宿ANTIKNOCK

UNDHIFEAT presents 【極上のメロディ 約して”極メロ” Vol.2】 新宿ANTIKNOCK (2014/5/11)

「KAZU@新宿ANTIKNOCK」ってタイトル、Twitterのアカウント表記みたいだな。
テクニカルなメロディックHMバンド・UNDHIFEAT主催のイベントにArt Of GradationのKAZU(Vo&Gt)がソロバンドで、かつインスト中心のライブをやるということで行ってきましたわよ。


KAZU
5バンド中4番目に登場。
既報の通り、この日のメンバーは以下。リズム隊を除く4人はArt Of Gradation組ですね。

 KAZU(Gt)
 Reanne(Key)
 長谷史(Dr)
 西田大地(Ba)
 Michiru(Vo) ※ゲスト
 Seiya(Gt) ※ゲスト

UNDHIFEAT持ち込みの手製の幕が開くと、(ゲストを除く)メンバー4人が既にステージ上に揃っていてそのまま1曲目へ。なんだコレ聴いたことあるぞ、と思ったらとなりのトトロのテーマ曲でしたね。ReanneのKeyの澄んだ音が印象的な、ややスローなスタート。……と、しかし、ここでKAZUのGtにトラブル発生。何度か音が出ない状態になってました。
そんな機材トラブルがあり、演奏してるKAZU本人の様子からも緊張しているのが伝わってきましたが、この曲の後半に行くに従ってプレイがどんどん良くなっていきました。

これぞ、「大衆性のあるメロディにロック・フィーリングを封じ込める」というKAZUプレイの真骨頂。

どんな曲(メロディ)が作れるか/思いつくかってのはミュージシャン/作曲家として勿論大事なんですけど、結局のところ、頭ん中でイメージしてるメロディと音作りを、音源として/生の音としてどれだけ忠実に具現化できるか。最終的なアウトプットとして大事なのはそこんところだと思うわけです。まぁ、他人の頭の中を覗くことはできないので“どれだけイメージに忠実か?”は本人以外に断言することは不可能ではあるんですが、傍から観てるとそこが私にとっての評価の分かれ目なような気がします。「いいね」という感想で終わるか、「凄ぇ」と思うかの境界線。
そして、ライブの場では特にそのことを感じます。「あぁこの人、思い通りに音楽を操ってるなぁ」と感じることもあれば、「やりたいことは分かるんだけどそのレベルに到達してないね」と思うことも有り。実際プレイしている側からすれば、もしかしたら自分の理想とする音なんてそうそう出てくるもんじゃないのかもしれないですし、自分に厳しい人ならなおさらそう感じることでしょう。でも聞き手にとっては、思い描く理想の状態に近い演者のパフォーマンス、それが自分の嗜好や感性と共鳴した時に、“ツボにハマる”と感じる瞬間に立ち会える。
この日がそれ。

作曲家としては客観的な視点もしっかりと確保できるKAZU。でも、ギタリストとしては(言い方は悪いけど)やや気分屋というか、むらっ気があるような気がします。勿論、しっかりとした技術の上に成り立っているプレイなので、しれっと弾いたとしてもめちゃめちゃ巧いことは巧いんだと思います(そもそも「しれっと弾く」ことはない人でしょうが)。
ただ、気分がノッていると凄い。さらに凄い。
そして、この日はノッていたと思う。

某師匠も仰ってるように、顔で弾くタイプのギタリストでしょう(笑)。「凄ぇ泣いてるGtだなー」と思って本人見てみると、案の定凄ぇ顔ゆがめて「辛抱堪らんッ!」って感じで弾いてるし(笑)
でも、これって大事。ロックなんだもん。彼の作る極上の泣きメロはしれっと弾かれてもグッとくるんでしょうけど、見ているこちらまでのめり込むような気持ちの入り方で弾かれちゃあ、こっちも熱くなるってもんで。

2曲目のバラード系インスト・Heaven's Feelの前に「心を込めて弾きます」と言ってましたが、その言葉がこれほど真に迫って響くギタリストもそうそういない。感情が指からそのままギターに伝わるような演奏、内面が赤裸々に出ちゃうようなGtプレイだと思いますね。彼ってライブの前は眠れないくらい緊張するらしいんですが、こんな生々しい音のGtを弾いてりゃそりゃそうだろうと。
スリリングさ満点の極上のトーンと、クイクイっとツボを突いてくるチョーキング&ビブラート。

KAZUのソロライブなだけに、彼のGtを中心に据え、それが最大限に生きるように取り計らったようなバンド・サウンドでしたね。盟友Reanneとのコンビネーションに不安感は無いし、何といってもこの日初めて観たリズム隊が素晴らしいのなんの。凄腕セッション・ミュージシャン的な音。特に6弦Baの西田大地の存在たるや、驚きましたね。メロディを邪魔しないどころか、それを生かした上で自己の主張も有り。サポートのベース・プレイヤーとしては理想的なプレイじゃないかな?エゲツナイ演奏なのに音が汚くないんですよね。めちゃめちゃ抜けてくるし。

2曲終わったところで、MichiruとSeiyaが合流して歌モノを2曲プレイしました。Art Of Gradationdeterminationサクラビト
前者の曲コールされた途端、「キタ…(鳥肌)」と思わず呟いてしまったな。アルバムで一番好きな曲で、かつ昨年7月のデビュー・ライブではやらなかった曲だから。Michiruは声量や息継ぎの仕方等々、技術面は「まだまだかな」と感じる反面、持ち前の声の煌めきはやはり素晴らしい。この曲のまっすぐ力強い歌詞にぴったり合っていましたし。
後者のサクラビトもライブ初披露でしたが、これは一糸乱れぬアンサンブルとサビ裏でのKeyフレーズがヤバかったです。
KAZUが全編リードGtを弾き、Seiyaは(6年ぶりに?)サポートに徹していました。彼の弾く姿を観ていたら「あぁー、そういえばこういう動きしてたわSeiya」と記憶が甦ってきてジーンとキましたね。一挙手一投足がイチイチSeiyaらしい動きなんだわ(本人だから当たり前w)。シャープなGtのキレはさすが、です。

Seiyaもそうですが、KAZUがステージに立って演奏している、そしてそれを自分が観ているってのが嬉しいですね。ステージが似合う。光ってるよ。ステージの上にいる時、いや、ステージじゃなくてもどこでもいいんだけど、演奏している時・歌っている時に一番光り輝く。それこそがミュージシャンだろうと思うわけで。
DarkBridge to Eternityの、キラーチューン過ぎてその“キラー度”が麻痺しちゃうくらいの溢れんばかりのメロディに包まれる幸福感の中で、私が考えていたのはそんな事なんです。

仮定の話。
仮に、仮にな、私がどっかのレコード会社の偉い人だとするじゃないっすか?実際は「偉い」どころか「エロい」だけなような気もしますが、もし偉い人であるワタクシがこのライブハウスにたまたま居合わせたら、だ。
KAZUをスカウトするっしょ。間違いなく。他の会社に獲られる前に。作曲家、演奏サポート、ユニットやバンドを組ませたりと、色々と活躍の場の想像は広がるし。完全に仮定の話なんで、Art Of Gradationでの活動のことは度外視して書いてますが。
でも、これだけの曲をポンポンと生み出せて、ステージ上の存在感もある。前々から重々承知していて、この日も再確認したのは一人のミュージシャンの才能の煌めきですよ。そして思いを遣るのはそれが生きる“場”のこと。

<セットリスト>
1.となりのトトロ(インスト)
2.Heaven's Feel
3.determination(AOGカバー)
4.サクラビト(AOGカバー)
5.Dark
6.Bridge to Eternity



追記っすー。
  ↓
UNDHIFEAT
トリ。前回観たAlbionのワンマン公演のO.A.よりさらに素晴らしかったですね。
メタルってのは「ダサい」ってのが褒め言葉にもなる稀有な音楽ジャンルなわけですが、その「メタルのダサさ」を体現してるなぁと感じるUNDHIFEATでした(褒めてる)。特にGtとBaのフォーメーションとか。そしてその「ダサさ」がライブの熱さに繋がっているのがポイント高い(笑)。メンバーみんな、メタル大好きっ子なんだろーなぁ。
楽しそうに、かつ一生懸命プレイ/歌唱するからステージに引き込まれるし、楽曲のあちこちに仕掛けられたメタル者ならばニヤリとするような聴き処も盛り沢山。Gtトーンの存在感はやはり少々物足りなく感じましたが、リズム隊と(要である)Keyの住み分けがきっちりされた音像のスリリングさは◎。


スペシャルセッション
UNDHIFEATのメンバーに各バンドのVo陣が加わってセッション曲を2曲。
まずはHELLOWEENEagle Fly Free。MCで「ハロウィンの…」って言った瞬間にガッツポーズしちまったのはワタクシですな(笑)。サイコクラッシャーのVoの人かな、Andi Derisのステージ・アクションをしっかり模写してて笑える。そう、CDのMichael Kiskeじゃなくって、所々でライブでのAndiヴァージョンでの歌い回しを再現してる風なのよね。
KAZUはもう1曲のL'Arc〜en〜CielREADY STEADY GOでVo参加。まぁ、この曲、曲名コールしなかったからオッサン分からなくって(汗)。後でTwitterフォロワーさんから教えてもらったんですわ。この時期(2004年?)のラルクって知らないのよ。2000年までの音源だな、聴いてるのは。
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COMMENT 2

paruriko  2014, 05. 13 [Tue] 12:26

ヒゲさんども。久びさコメしますね。KazuのLIVE素晴らしかった様ですね。今は行きゃ良かったなぁ〜何て思っています。嫁候補生が居たからでは無いっスよ(笑)
やはりラブリー古参の方が多かったようで、改めて失ったピースの大きさを痛感しております。私は正直kazuにそこまで思い入れは無いです。ラブリーを聴き始めたのはMidnightCircusからですがLIVEに参戦し始めたのは去年の7thAvenueからなので現在の布陣しか観ていないからです。勿論kazuの曲は素晴らしいものばかりで、、、Hearn's Heavenの美しく切ないメロディーと間奏の短いながら素晴らしい鳴きをみせるギターソロなどは初期のラブリーを象徴する完璧な神曲になっています。あ〜、良いGt.が居るなぁ。と思った記憶があります。私の好きなギタリストの条件はテクで押してくるオレ!オレ!ギタリスト(笑)じゃ無く立ち姿がカッコイイこと。まずそれなんで、イケメンkazu(笑)は無論好きなGt.の1人なのは間違いない。
脱退になった経緯は詳しくは解りませんが本当に残念すぎますよ(涙) DarkやBridgeToEternにふっきーが詞を付けて、、、などと考えてしまうのは私だけじゃ無いと思いますし。

仮の話には愛を感じました。先ずは本人がどんな形で活動していきたいかが聞きたいです。今のスタンスなのか、上に行きたいのか。バンド形式なのか、個人なのか。今の時代はかなり本気で自分から売り込んで行かないと気が付いて貰えない状況。口コミなどではなかなか、動きませんからね。kazuの様な才能豊かなミュージシャンが埋れてしまったら、日本の音楽業界に未来は無いでしょう。是非とも自分から動いて頂きたいです。
最後に、私もどうにかしてあげたいバンドはいます。もっとこうすれば注目されるのに。運営は何をしているんだ?バンドとの話し合いは行われているのか? 我々の様な人種だけで盛り上がっていて、君達は満足なのか? 本気で成功したいなら今売り込まないと、、、。言いたい事は山ほどあるよ。

LightBringerさん

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ヒゲ・スカイウォーカー  2014, 05. 14 [Wed] 20:27

parurikoさん、

気持ちの入ったコメントをありがとうございます。
この日は複数のライブを日程が重なっていたにも関わらず、会場に結構知り合いの方は多かったですね。
そしてその期待に見合う以上の素晴らしいライブでした。

昔ほど“音楽での成功”の形が画一化していないように思える時代なので、個々のミュージシャンそれぞれのやり方・目標地点はあると思いますが、KAZUの作った音楽をより多くの人に聴いてもらいたいという気持ちは強くありますね。
そして、今のKAZUの音楽だけでなく、昔のラブリーも今のラブリーに対しても同様にそう思います。

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