MANOWAR「GODS OF WAR」


MANOWAR「GODS OF WAR」 (2007)

記念すべき10thマッスル。
北欧神話の中でも最高神オーディンにスポットを当てたコンセプト作death。
北欧神話大好きなMANOWAR(というよりJoey DeMaio閣下)ですから、そりゃあいつにも増して気合が入っておりマッスル。ボーナス・トラック1曲を含んだ全16曲、74分近い筋肉モリモリ超大作になっておりマッスル。マッスルマッスル。

オーケストレーションをフィーチャーした大仰極まりないSEや、RHAPSODY( OF FIRE)を思わせるクドい語りが盛り沢山の本作、「やり過ぎ」「散漫な出来」と言われることも多いように思いますが、私はよく聴くアルバムですし、結構気に入っています。元々北欧神話って題材も大好きですし。
1曲1曲を取り上げて云々論じるよりも、所々に配置されたEric Adams(Vo)の歌唱力の高さを味わえる楽曲に力こぶを作りながらアルバム一枚丸ごと聴くのが良いんではないでしょうかね。

前作「WARRIORS OF THE WORLD」(2002)~シングル「THE DAWN OF BATTLE」(2002)あたりからさらに強めてきたシンフォニック色と豪華なクワイヤの使用、そしてEric Adamsの強靭な歌唱力を中心に据えた楽曲群。それらがコンセプト作という体裁をとることで、過剰なまでに振り切ってしまったのが本作であろうと。
確かにオケ&クワイヤによる装飾は分厚いんですけど、それがメインVoであるEricを活かした上で使用されているので、どれがメインのヴォーカル・ラインなのか分からなくなるようなことは一切なく、流石の出来だな、と。別の言い方をすると、EricのVoがシンフォに全く負けていない。ここらへんの感覚は、例えばBLIND GURDIANRHAPSODY( OF FIRE)等の欧州勢とは違っており、シンプルなHR/HMが根幹にあるMANOWARらしいところなのかもしれません。

超大作である本作、私は大きく二部に分けて捉えています。
アルバム一枚のメインテーマ・メロディが高らかに鳴り響く①Overture To The Hymn Of The Immortal Warriorsから、Ericのナイーヴな歌唱が光るバラード⑦Blood Brothersまでが「第一部」。アルバム一枚を貫く「メインテーマ2」とも言えるメロディをフィーチャーしたインスト⑧Overture To Odinから、のテーマに回帰する⑮Hymn Of The Immortal Warriorsの大団円までが「第二部」。

「第一部」はインストSEやら語りやらで始まり、Ericの声が聞こえてくるまで8分以上かかりますが(笑)、血沸き肉躍る③King Of Kingsへの入り方がべらぼうにカッチョ良く、その後も⑤Sleipnir⑥Loki God Of Fire(終盤のヤケクソ気味な弾きまくり!)と強力なメタル・チューンが並ぶので、そこそこまとまっている印象。
オーディンの愛馬をテーマにしたはなんとも斬新な馬目線の歌詞で(笑)、「馬の、馬による、馬のための1曲」になっています(?)。抑えた歌唱&演奏のヴァース~勇壮なサビメロという、基本部分はMANOWAR流のシンプルな曲なんですけど、サビ裏のKeyが厳かに盛り上げるところが上手いですね。次曲への繋ぎ方もクール!

「第二部」はちとハードルが高めかもしれません。
インスト&語りがあるのは第一部同様ですが、そのヴォリュームが増えていますし、群衆を静かに扇動するようなアジテーション染みたパートも存在します。かつ、歌モノについてもどっしりとした曲が多く、第一部にあったようなスピード感のあるメタル・チューンがありません。そこらへんが取っ付きにくさに繋がっている気はしますね。
ただ、オケの盛り上げとそれに対抗するかのようなEricの熱唱が映える⑫Gods Of War(ラストのうぉー!うぉー!うぉー!/笑)のような曲は、このアルバムでしか聞けないタイプだったりするので、本作らしい部分といえばこの後半かも。

アルバム全体を考えると、SEや語りの他にもコンセプト作らしい工夫はなされていて、④Army Of The Dead, Part I⑬Army Of The Dead, Part IIと要所々々で、共通するメロディ(=「メインテーマ2」)が出て来て統一感をもたらしています。その旋律を組み込んだ歌メロに涙する⑭Odinが終盤の、そしてアルバム全体のハイライトですかね。
そして、で提示されたメロディ(=「メインテーマ1」)がで再登場すると、昂揚感と充足感と共に、「よくここまでちゃんと聴いたな、俺!」っていう自己実現感に打ち震えるのです(笑)

ボーナス的なメタル賛歌⑯Die For Metalはコンセプトとは関係ないし、ツマンネーから蛇足。


今、自分が聴いてるのが何曲目だとか考え始めると駄作(言い過ぎ)、そんなの意識せずに物語とそこに流れる勇壮な調べに身を委ねると名作(言い過ぎ)。そんなアルバム。コレ、美しいメロディがあちらこちらで顔を出すから好きなのよね。

【お気に入り】
⑭Odin
⑤Sleipnir
⑮Hymn Of The Immortal Warriors
③King Of Kings
⑦Blood Brothers
スポンサーサイト

COMMENT 4

通りすがり  2015, 12. 05 [Sat] 22:26

わあ、前回に続いてのマノウォーですね
今回も重厚そうでなかなかの大作っぽいですが、馬目線という曲が非常に気になりますw




Edit | Reply | 

ヒゲ・スカイウォーカー  2015, 12. 06 [Sun] 20:12

通りすがりさん、

これでMANOWAR作品の記事は一部を残して一通り網羅した感じです。

お馬さんの曲はアッパーチューンが少ないアルバムだということもあり、なかなか貴重な1曲ですね(笑)

Edit | Reply | 

グラハムボネ太郎  2015, 12. 10 [Thu] 09:17

マノウォー、ヘイルヘイル

このアルバムは、キチンとアルバム通して聴かなきゃその良さがわからないですよね
オーケストラパートだってその出来そのものは恐ろしく高い。
でも、メタルソング聴きたい!という気持ちは否めない。
家でヘッドホンで聴いてます。決してBGMにはなりませんヘイル

Edit | Reply | 

ヒゲ・スカイウォーカー  2015, 12. 12 [Sat] 08:54

グラハムボネ太郎さん、

オケの出来が良いにもかかわらず、それにバンドが(Ericが)食われてないってのが良いです。まぁメタリックな曲自体は少なめですけど。でもそういう曲が聴きたいなら、私は他のアルバムを聴きますね。
このアルバムならではの美点を褒めてあげたいです(笑)
ヘイルヘイル。

Edit | Reply |