BLIND GUARDIAN「SOMEWHERE FAR BEYOND」


BLIND GUARDIAN「SOMEWHERE FAR BEYOND」 (1992)

4thアルバム。
名盤評価が相応しい前作「TALES FROM THE TWILIGHT WORLD」(1990)と同様、プロデュースはKalle Trapp、ジャケはAndreas Marschall。
これまた、名盤ですわね。

個人的な嗜好からすれば、“ジャーマンメタル”ど真ん中な前作を最高作としますが、完成度の高さで選ぶなら次作「IMAGINATIONS FROM THE OTHER SIDE」(1995)を、そして「ブラガらしさ」を基準に選ぶなら(その基準もまちまちでしょうが)本作を推したいところでしょうか。(つまり、3枚とも聴け/笑)

前作で成し遂げたのは、パワー/アグレッション/メロディ/展開美を高次元で備えたブラガ流のパワーメタル。本作ではそこに新たな要素を追加したことによって、その独自性が確立されたように思えますね。まぁ、5th以降のキャリアを見るにつけ、彼らは“そこ”に留まらず歩を進めたわけですが…。
新たな要素は、民族音楽を想起させるメロディの導入。メロウなパートやバラードに多く取り入れられたソレは、以降ブラガの大きな特徴として定着します(した、よね?/笑)。


しっかし、収録曲の粒揃いっぷりが半端ないな。
繊細なアコギのイントロから雪崩れ込む①Time What Is Timeは前作の美点をさらに伸ばしたようなキラー・チューンだし、続く②Journey Through The Darkも攻撃力の高い名曲。
シンフォニックで壮大な④Theatre Of Pain、劇的な展開を持つ⑤Quest For Tanelorn、緊迫感を煽るリフと途中からテンポアップするサビが強烈な⑥Ashes To Ashesという中盤は、実に濃ゆい。
どの曲もサビの強力さは勿論、そこに辿り着くまでの歌メロと展開、リフ、Gtソロ等々よく練られており、どれをとっても印象的なものが揃っています。また、楽曲の出来に引けを取らない、必要十分な歌唱と演奏が収められている(Hansi Kurschの精一杯なVoは作風にピッタリ合っていると思う)ことも特筆すべき。Hansiの激熱Voをサポートするコーラスの配分も申し分ないし。

アルバム一枚通した構成力も見事ですね。冒頭、疾走チューンが連続した後に③Black Chamberのような小曲を入れる見事な場面展開。濃厚な曲が並ぶ中盤と、(本編)ラストのタイトルトラックを繋ぐ位置に挿入されたBard's Song2曲の役割。そういった仕掛けが、聴き手の注意を最後まで逸らしません。

タイトルトラック、⑩Somewhere Far Beyondについても語っておきましょ。
この曲、聴いてしばらくはあまり気に入らなかったんですよね。でも、今じゃこのアルバムで一番好きな曲になってますし、数多いブラガの楽曲群の中でもLost In The Twilight Hall(3rd収録)に次いで好き。
何が転機だったんだろうなぁ?サビ裏の鐘の音がグッとくるようになったからか、はたまた歌詞の題材である、スティーヴン・キングの小説『ダーク・タワー』シリーズを読了してからか…? 多分、後者だな。
キングのライフワークであり、集大成でもあるこのシリーズは2004年に全七部完結しました(翻訳は2006年)が、本作リリース時までに完成していたのは第三部『荒地』まで(歌詞にもwastelandという単語が出てきますね)。私が最も愛する小説がこの『ダーク・タワー』シリーズなのですが(といってもあまりに長いので、まだ1回しか通読してない/汗)、この曲を聴いてると小説の場面場面のイメージが浮かんできて、自宅オーディオの前に居ながらにしてもはやそこは中間世界。否応なくガンスリンガー化するほかありません。
まぁ歌詞の内容が分からなくとも、この曲が名曲なのは論を待たないわけでして(←当初気に入らなかった者が何を言うッ!)、何度もクライマックスが襲い掛かってくる構成、Hansiのギリギリ歌唱と幾度となく挿入されるAndre OlbrichのGtソロがドラマ性を高め、運命を告げる鐘の音と衝撃的なバグパイプ!……って書いてるだけで興奮してくるッ!名曲。

⑪Spread Your WingsQUEENの、⑫Trial By FireSATANの、それぞれカヴァー。

【お気に入り】
全曲隙無し。特に、
⑩Somewhere Far Beyond
①Time What Is Time
②Journey Through The Dark
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COMMENT 2

DD  2015, 03. 09 [Mon] 19:41

 捨て曲自体探すのが困難なぐらい、この年でたalbumではtop5に入るぐらいの質を誇ってますね(ボーナス・トラックを除く)。
 今の最新作が、この次作の曲からのヒントを得てる、ということからも今作・次作その後に与える影響は計り知れないものでしょうね、彼らにとっても、lisnerであるこちら側としても。

 よく聴いていくと、1曲目のため気味の構成は、じさく等に受け継がれてるし、3・9曲目のイントロ気味の曲は「Nightfall~」に受け継がれてるし(そのコンセプトを築くHansiからしてみると、4曲目はかなり難産だったらしく、現実的なテーマとfantasy要素をどう混ぜるかかなり悩んだそう)。

 今度の来日ではここからの曲も演奏する(最低でも7曲目をやらないliveはないそうですが、もう1曲加えてほしいもの、欧米とここの好みの違いも踏まえて)でしょうし、楽しみにしたいですね。

お気に入り・・1・6・9~10

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ヒゲ・スカイウォーカー  2015, 03. 12 [Thu] 22:58

DDさん、

何回聴いても飽きないような名盤ですね!
確かにBard's Song以外にもこのアルバムからは重用してほしい曲はありますよね。特にタイトルトラック。

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