JOHN WETTON「VOICE MAIL」


JOHN WETTON「VOICE MAIL」 (1994)

KING CRIMSONASIAUKURIAH HEEPといった数々の有名バンドに在籍したJohn Wettonのソロ2作目。

突然だが、ブリティッシュ・ヴォイス選手権というのがあると仮定しよう。トーナメント方式で、誰の声が一番ブリティッシュか?を競う競技だ。いや、待ってくれ。ツッコミたい気持ちは分かる。よく分かるがもうちょっと続けさせて欲しい。さてこの選手権、決勝戦の取組は間違いなく「John Wetton VS. Bob Catley」だ。貫禄のJohn芝居がかったBob。なかなか良い勝負だが、Johnがその体重差を生かして僅差で勝利、といった展開だろうか。

と、いうくらいJohn Wettonの声は「ブリティッシュ・ヴォイス」してる(笑)
何言ってるのか分かんないかもしれませんが、とにかく彼の声はマイルドでダンディで抱擁力があって優しくて力強くて最高なんです。

常にプログレを求められるJohnおじさんの本質は皮肉なことにポップス。その自身がやりたかった音楽をこのアルバムでは最高の完成度をもって表現してます。同じポップス寄りでもASIAよりソロの方が私は好きですね。ゲストで盟友Robert Fripp翁(Gt)、名手Simon Phillips(Dr)、巧者Steve Lukather(Gt)らが参加してますが、どうでもいい(笑)。大して影響無いしどの曲に参加してるのか分からない。

「この場所こそが、僕のいたかった場所」とソロ宣言を表明する①Right Where I Wanted To Beを聴くだけで本作の充実っぷりが予感されます。そして早くも炸裂する超名曲②Battle Lines。もうダメです反則です、これ。哀愁が漏れ過ぎて収拾付きません!全ての音に「哀愁」の印が押されてる。信念と祈りの歌詞が胸に迫って泣く。ギター・ソロをオーケストレーションが包み込んで最後サビに戻ってゆく展開がキング・オブ・反則。
以降、捨て曲無しでアルバムは進行しますが、終盤がエライ事になってます。胸を掻き毟られる珠玉のバラード⑦Hold Me NowからJim Peterik(PRIDE OF LIONS,ex:SURVIVOR)と共作した⑧Space And Timeへ。この曲、ロマンティックで切なくてドラマティックで大好き。ギター・ソロが短くも泣いてる。特にエンド・ソロは白眉。シンプルかつ深遠なムードの⑨Walking On Airを経て終曲⑩You’re Not The Only Oneへ。これ、曲もキラーだけど歌詞がいいよねぇ。Johnの説得力満点のヴォーカルによって曲が1段も2段もレベルアップしてます。

とにかくハードポップとしての完成度が凄まじいです。哀愁のメロディを哀愁のある声で歌うという哀愁の掛け算哀愁の二乗。バラード好きは避けて通っちゃダメ、なアルバムでもあります。
LAのセッション・ミュージシャンが参加ということで、アメリカっぽい都会的でお洒落なアダルトな曲調(⑥Sea Of Mercyに顕著)も感じますが、ブリティッシュ・ヴォイスを持つJohnおじさんがその体重を生かして(しつこい!)イギリス側に寄りきる!ドスコイ!

【お気に入り】
②Battle Lines
⑧Space And Time
⑩You’re Not The Only One

Johnおじさん、そのヴォーカルだけじゃなくってベース・プレイも凄いが、その辺は別の機会に。
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COMMENT 2

ドイツ特派員  2012, 02. 21 [Tue] 22:53

もう名盤です

このアルバムは私も大好きです。何で殆ど話題にならないか全然理解できない。私は彼のヴォーカルを「癒しのストロングヴォイス」と勝手に名付けてますが、一番好きなヴォーカリストかも知れません。で、もう捨て曲なしというのはその通りで、Hold me nowなんかも落涙の出来ですね。

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ヒゲ・スカイウォーカー  2012, 02. 21 [Tue] 23:49

ドイツ特派員さん、

癒しのストロングヴォイス!
正に!包まれるような優しさがあると同時に揺るぎない強さが同居してるような声なんですよね。何か決断力があって頼りになりそうな感じ(笑)。

Hold me now、いいですね。特にサビの高音部のとこなんか歌詞の内容も相まって心震えます。

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