KYPCK「CHERNO」


KYPCK「CHERNO」 (2008)

フィンランド産ドゥーム・メタル・バンドの1stアルバム。歌詞、曲名、その他諸々がロシア語です。元DREAMTALEだというVo、Erkki Seppanenがロシア語に堪能なようで、その本気ロシアっぷりは相当なもの(ってロシアについて何も知りませんが私/汗)。

歌モノ大好きっ子である私が何故ロシア語ドゥームなんて持っているのか?それはこのバンドが愛するSENTENCEDの血族だからです。
GtはSami Lopakka、Drは後期SENTENCEDのプロデュースを手掛けたHiili Hiilesmaa(現在は脱退)。そしてミックスはFinnvoxスタジオでMika Jussilaが、アートワークはVesa Ranta(Dr/THE MAN-EATING TREE, ex:SENTENCED)が手掛け、後にSami Kukkohovi(Ba/ex:SENTENCED)もバンドに加わる(KYPCKではGt担当)という、まるでセンテンスト・オールスターズのような有様。
そして、それでやっている音楽性が“ノーザン・メランコリック・メタル”じゃないってのがミソで。

この陣容でSENTENCEDと同じ路線の音楽をやってたらそれはそれで歓迎かもしれません。いや、正直私は「ウヒョー!ウヒョー!」って言っていたと思います。しかし同時に、SENTENCEDを絶ッ対に、間違いなく、100%超えることができないのも事実。あのバンドのあのバンドたる要素の大部分はMiika Tenkula(Gt)に依っていましたし。というか、何人たりともあの牙城には迫れないのだよ。

非常にヘヴィです。このヘヴィさ、Gtのチューニングに依る部分が大だとは思いますが、ドゥームらしいドゥームと言えそうなゆっくり振り下ろされるようなリフ自体もまたヘヴィ。ただ、リフ・メイクの才能があるかというと、う~んと首を傾げざるを得ないところもあって、耳に残るキャッチーさやクセになるようなフックは少なめかな、と。ただ、古びた産業機械が軋みを上げながら動いている様子を想起させるディストーション・リフと、SENTENCEDも得意だったクリーンのアルペジオの組み合わせが生み出す荒涼とした雰囲気には堪らないものがありますね。
音自体のヘヴィさ以外にも、聴いていると精神的にもクるものがあって、それはロシア語の歌詞が生み出す鬱屈とした閉塞感に依るところが大きいです。特に⑤Chernaya Dyra [The Black Hole](カッコ内は英語タイトル)のジワリジワリとした責め苦は凄い。

基本的に、暗~く哀しく緩慢に進行する音楽ですが、時折差し込んでくるメロディアスな旋律には魅かれます。普段は無愛想で不機嫌なんだけど、たまに優しくされちゃうとコロッといっちゃう的な(笑)。④1917⑦Ne Prosti [Do Not Forgive]⑩Demonあたりの曲ですね。特に終曲は本作中最もセンテンスティックな(?)趣きを感じる大作で、ErkkiのVoもなにやらVille Laihiala様っぽい響きです。つまり、最高。
重さを保ちながらもステディなリズムとキャッチーなコーラスが異質な⑥Stalingradは一番個性的な曲かな。


今まで小説等から想像してきたロシア(というかソ連)のイメージにドンピシャな音が飛び出してきて吃驚しました。うん、正直あんまりポジティブなイメージではないんですが、それがこのドゥーム・サウンドにはぴったりハマる。

【お気に入り】
⑩Demon
⑦Ne Prosti [Do Not Forgive]
⑤Chernaya Dyra [The Black Hole]
⑥Stalingrad
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