W.A.S.P.「THE HEADLESS CHILDREN」


W.A.S.P.「THE HEADLESS CHILDREN」 (1989)

米国産HMバンドの4thオリジナル・アルバム。ここでW.A.S.P.はそのサウンドをガラリと変える。以前の彼らがジャイアン(=剛田武)ならば(?)、今作は出木杉くんだ。いや、持ち前の獣性を保ちつつも一気に洗練され知的なサウンドにビルドアップされているので、出木杉くんの頭脳を持ったジャイアンか? というかW.A.S.P.はそもそも、ジャイアンの皮を被った出木杉くんだったのではないのか!?(笑) これは怖いですねぇ。粗暴犯が知能犯に転職したようにさえ思える(オイ)。
とか言いつつ、ジャイアン期最終作となる前作「INSIDE THE ELECTRIC CIRCUS」は持ってないんですけどね。だって評判悪いんだもん(笑)

過激で残虐で下品なパフォーマンス先行(曲はキャッチーで優れていたけど)から、社会派の色を強めてシリアス路線へ。ストレートでキャッチーだったサウンドは、勢いを失わずによりドラマティックに。これは、名作でしょう。
変化のキーワードはずばり「ブリティッシュ」。2曲目にTHE WHOThe Real Meをカバーしていることにも表れていると思います。また、Ken Hensley(Key/URIAH HEEP他)のゲスト起用もしかりで、彼の貢献の大きさはかなりのもの。

7分を超えるオープナー、①The Heretic (The Lost Child)が本作最大のキラー・チューン。当時リアルタイムで聴いていた人はかなり衝撃を受けたのではないでしょうか。“あの”W.A.S.P.が大作を作って、しかもこのドラマティズム溢れる曲調!そして暴虐性はいささかも損なっていないという理想的なバランス。もうとにかくカッコイイ!終盤突っ走る中、唸りを上げるギターの尖り具合といったら…。

このからカバー曲②The Real Me、Ken Hensleyのハモンド・オルガンが大活躍するヘヴィ・チューン③The Headless Children、Blackieの叫びと劇的な曲調が印象的(シャッフルなのに明るく聴こえないところが凄い!)な④Thunderhead、そして問答無用のクールさに悶絶するキャッチーなR&Rチューン⑤Mean Manまでの前半はまったく隙無し!
アルバム後半、同タイプのR&Rチューンが複数存在する点が唯一の瑕疵なような気がしますが、ラストの⑩Rebel In The F.D.G.に負けないくらいクールだから別にいいや。


シリアス路線のW.A.S.P.にとってのキー・プレイヤーであるのが、以降各アルバムでプレイすることになるFrankie Banali(Dr)だと思います。彼の手数足数のやたら多い演奏は、バンドに切迫感と重さを付加、その結果として完成度が飛躍的に向上しています。Blackieの声との相性も最高。
①④のような起伏のある曲やのような重い曲ではばっちりハマっていますし、R&R調の曲でも軽くならずにワイルドさを保っているのは彼のDrに依るところが大です。ややアメリカ~ンな感触のバラード、⑧Forever Freeでも途中から暴れだすしな(笑)。

本作でのシリアス路線への変更は、次作「THE CRIMSON IDOL」(1992)において驚異的なレベルで結実することになります。私は今作以降のW.A.S.P.が好き。


このアルバム、前年発表のQUEENSRYCHE「OPERATION: MINDCRIME」に少なからず影響されてるようにも思えるんだけどね。ジャケの感じも似てるし。

【お気に入り】
①The Heretic (The Lost Child)
⑤Mean Man
⑩Rebel In The F.D.G.
③The Headless Children
④Thunderhead
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COMMENT 2

DD  2014, 04. 08 [Tue] 20:27

 彼らの場合、3rdでもHumble Pie(?)のカバーあり、ライブありでその後の変遷をうかがわすようなところは少なからずありましたよね(Dr.をF.Banaliに代えたのも奏功してるかも、普通の実力の人だと、グダグダになりかねない危険性もあるだけに)。

 もともとBlackie自身、これ以前のバンドでも解散表明したMotleyのNikkiと組んだり、そういう意味でも変化に対応できる、幅広い音楽を演奏できる人材を欲したんでしょう(彼自身東海岸出身ですよね)。

 この4thで彼のやりたい音楽性が見えてくる気もしますね(最後の曲がああなったのは、前とかなり様相を変えてるので、そういうファンに対してとアピールもあったのでは)(たぶん1か4かどちらを最初に持ってくるべきか最後まで悩んだでしょうね、聞いてくるとそう見えてくるような)。

お気に入り・・1,3,4,5,9(その後につながりそうなのを選ぶと、こうなるかな)

追伸  ラブリーの新譜の情報はどこで得たものですか。
 

 

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ヒゲ・スカイウォーカー  2014, 04. 09 [Wed] 19:40

DDさん、

コメントいただいて調べてみたら3rdでHUMBLE PIEヴァージョンのI Don't Need No Doctorをカバーしているほかに、HEEPのEasy Livingも収録されているのですね。この時点で既に英国への憧憬を示してる感じですね。

私、LAメタル界隈にはとんと疎くて、Nikkiとの話もなるほどなるほどという感じで興味深いです。

PS.
ラブリーの新譜は、オフィシャルは更新されてませんが、Amazon等のネットショップ、KINGのHPもそうなってますね。元はTwitterで知った情報ですが。
なので、東京公演のみアルバム発売前のライブになりますね。

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