WITHIN TEMPTATION「HYDRA」


WITHIN TEMPTATION「HYDRA」 (2014)

大きな期待と大きな不安を(私が)抱えての6thアルバム。
「期待」の方は、世界最強シンフォニック・ロック/メタル・バンド(断言。まぁ“バンドっぽさ”で言えばNWでしょうけど)WITHIN TEMPTATIONの新作だからってのは勿論、前作「THE UNFORGIVING」がウチのブログ的(WTの)最高傑作たるネ申盤だったからというのがデカいですね。
そして「不安」の方。去年リリースの先行美魔女シングル「PARADISE (WHAT ABOUT US?)」収録の⑥Silver Moonlight⑧Dog Days(のデモver)のボチボチ感(彼らにしては、の但し書き付きですが)もさることながら、本作のゲストVo陣の顔ぶれ。これには不安を掻き立てられましたねぇ。Tarja Turunenを除いてみんなアメリカ人というところもそうだし、これまたTarjaを除いて今のWTより“格下”じゃね?というところも。あ、ラッパーのXzibitさんのことはよく知らないっす(汗)。ただ、欧州メタルバンドがアメリカに接近することによってその魅力をスポイルしてしまう例を僕ら(?)は色々と知っているわけで。色々と不安だったわけです。

ま、杞憂でしたが。

正直、私は前作ほどの昂揚感は得られませんでした。しかし前作ほどではないにしろ、本作もまた傑作であると認定するのに1ミリ秒の逡巡もありませんとも。
方向性はシングルでも窺えたように、前作の延長線上。つまり歌物ハードポップ/ハードロック。そしてさらに洗練されメジャー感を増しているように感じます。前作における作風の変化をSharon den AdelのVoにスポットを当てて「深窓令嬢の幽玄なエンジェリック・ヴォイス」から「隣のお姉さんの超絶ヴォーカル」へと評したのは何を隠そうワタクシですが、(ゴシック・メタル時代とは別方向に)入念に作り込まれ演出された本作のサウンドからは「隣のお姉さん、芸能界デビュー」とも言うべき普遍性と大衆性が溢れています(なんのこっちゃ)。いや、「芸能界」どころか、その存在感と高品質っぷりはもはや「セレブ」と言っても良いほど(意味不明)。

結局のところ、私はSharon den Adelの声・歌唱が大好き、それこそどの音域でもどんな歌唱法でも(多分)好きなので、音楽的方向性がゴシック・メタルであれ歌物ハードポップであれ、大した違いは無いのかもしれません。要は彼女がどういうメロディを歌っているか。そういう意味でSharonが全力で哀メロを歌い上げている、本作は完全にアリ、ですね。
ただ、そのコマーシャリズムゆえか、何かスペシャルなものを聴いてるという感覚は以前に比べるとかなり薄れてきているかもしれませんし、そういう意見には納得できますね。

本作の大きな特徴である、ゲストVo陣の起用、これが成功していることも大衆性を感じられることの一因だと思います。バンド最速曲であるという②Dangerousはサビがやや一本調子ながらHoward Jones(ex:KILLSWITCH ENGAGE)がタフさを添加しているし、④Paradise (What About Us?)におけるTarjaとのデュエットの素晴らしさは証明済み。Xzibitのラップが意外なマッチングを聴かせる③And We Run、David Pirner(SOUL ASYLUM)を迎えたバラード⑩Whole World Is Watchingでの締めくくり(ちょっとDave、目立ち過ぎだとは感じますが)も素晴らしいです。特には本作における大きな収穫の一つではないかなぁ。ラップが「YOYOYOYO!メ~ン!」って感じ(笑)じゃなくて、シリアスな空気を持ち込んでいるところがポイント。

シングルに収録されていた曲以外では、厳かな叙情が光る⑤Edge Of The WorldとストレートなHRチューン⑦Covered By Rosesが良いですね。アルバム後半に大仰な歌い上げる感じの曲が揃っていることもあり、その中でスパイスを効かせるという意味でもの存在は大きいと思います。


Sharonの歌ありきの作品ではありながら、前作同様Gtソロの主張等のバンド感も嬉しい、傑作。

【お気に入り】
多すぎて困りまくリング。
④Paradise (What About Us?)
③And We Run
⑤Edge Of The World
①Let Us Burn
⑩Whole World Is Watching
⑦Covered By Roses
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COMMENT 2

DD  2014, 03. 30 [Sun] 19:18

 どちらかというと、前作の色に過去4作(「The Heart~」まで)のいいところを混ぜたような作風に感じますね、今回は。

 3曲目のラップというよりはストーリーを語るrhymingの手法に近いですね、この場合は。

 メジャー化はいいのか悪いのかはファンにゆだねるとして(好きな作品も分かれるバンド故)、メロディの質は上がってる感じはしますね。前作よりは個人的にはいいと思ったのですが。

良曲・・2~4、8,9(今日の場合です、日によって変わる)

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ヒゲ・スカイウォーカー  2014, 03. 31 [Mon] 22:06

DDさん、

前作よりは「大人」な感じはします。私は前作のパワーメタリックな精一杯感が好きだったのですが、本作はもっと余裕がある感じです。
いずれにせよ、とても優れた作品だと思います。

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