ジェフリー・ディーヴァー『ロードサイド・クロス』

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ジェフリー・ディーヴァー『ロードサイド・クロス』 (池田真紀子 訳、文春文庫、上・下)

ジェフリー・ディーヴァーの“人間嘘発見器”キャサリン・ダンス・シリーズの2作目『ロードサイド・クロス』を読みました。

路傍に立てられた死者を弔う十字架-刻まれた死の日付は明日。そして問題の日、十字架に名の刻まれた女子高生が命を狙われ、九死に一生を得た。事件は連続殺人未遂に発展。被害者はいずれもネットいじめに加担しており、いじめを受けた少年は失踪していた。尋問の天才キャサリン・ダンスは少年の行方を追うが…。大好評シリーズ第二作。

ネットいじめに端を発する事件は殺人にエスカレートした。犯人は失踪した少年なのか?ダンスは炎上の発端となったブログで報じられた交通事故の真相を追う。ネット上の悪意が織りなす迷宮。その奥底にひそむのは悪辣巧緻な完全犯罪計画。幾重にも張りめぐらされた欺瞞と嘘を見破った末、ダンスは意外きわまる真犯人にたどりつく!


安定の出来。


以下、人によっては「ネタバレ」と感じる部分があると思いますので、ご注意ください。
 ↓

……ではありますが、「本来の筋=ロードサイド・クロスを巡る連続殺人(未遂)事件」が少々弱い感じはありますね。犯人の動機にせよ、どんでん返しへのもって行き方にしろ。

むしろ「もう一つの筋=安楽死問題を巡るキャサリンの家族の物語」の方が面白いかな。元々このシリーズは、リンカーン・ライム・シリーズとは異なり、家族やキャサリンの仕事仲間の私生活にフォーカスする場面が多く、そこがこのシリーズの魅力でもあると思います。そこにワクワクできるかどうかで、この作品の評価が決まってくるような気もします。「特殊能力」としてのキネシクスはその特性を十分に発揮する場を与えられているわけではないのですし、終盤引っ張り過ぎなきらいもあるので、余計に。

しかし、国内と海外の警察小説(=広義の捜査モノ)を読むと、「オンとオフ」の描き方がまるで違うのよね。事件が発生すれば「オフ」なんぞ全く無いくらい仕事しまくりの日本警察。仕事とプライベートを(比較的)しっかりと分けて重大事件捜査中であれ休む時は休む海外(=主にアメリカ)の警察。海外警察小説で四六時中走り回っているのって、パッと思いつくのはフロスト警部(R・D・ウィングフィールド)くらい?実際はどうだか知りませんが。


流石の筆力と登場人物の魅力によって「読ませる」ことのできる作品ではあれど、ちょい不満点もある。そんな作品でした。
ジャケは綺麗で非常に良いですね。
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