B’z「B’z」


B’z「B’z」 (1988)

B’z。御存じ松本孝弘(Gt)と稲葉浩志(Vo)による国産モンスター・ユニットです。メタラーからは「パクリ」と言われ、J-POPリスナーからは「どれも同じ曲に聞こえる」と言われて否定的な意見ばかり目立つように思える、でもその実、日本最大数の「お得意様」を持つ超巨大企業(のよう)。その音源&映像の売り上げ規模、打ち立てた記録の数々、国民への浸透度、新鮮さを失わない戦略、楽曲の質、総合的なミュージシャンシップの高さ、どれをとっても日本屈指のアーティストであることは異論の余地が無いでしょう。もし地球外生命体がJAXAに接触してきて、その際地球(日本)の音楽を紹介するはめになったらB’zしか選択肢はない。
私は中学生の時から現在に至るまでB’zがずっと好きで、世界最高の詩人は稲葉浩志だと確信している訳ですが、1988年9月21日に発売されたこの記念すべきデビュー作では松本・稲葉共にその能力がまったく開花していません。というか、本作を(後追いで)聴いた時、稲葉のハスキーなヴォーカルに異常にムカついたのを覚えています(笑)。これ、今思うと稲葉がアマチュア時代にリスペクトして自らカバーもしていたというVOW WOWの人見元基を真似した歌唱法じゃないかと思うのです。声質は全然違うんですが。まぁ暗中模索状態でしょ。

音楽的には松本がサポートしていたTM NETWORK直系のデジタル・ポップスとも言うべきスタイルで、ギターとヴォーカル以外は全て打ち込みです(当時の彼らのコンセプトだった)。松本のギターも音量抑え目。ぺらっぺらです。編曲に、後にZARD,T-BOLAN,WANDSらビーイング系のアーティストやSIAM SHADEJanne Da Arc等を手掛ける明石昌夫が携わっています。明石氏としてもプロとして初めて取り組んだ作品らしく、これ以降約10年間B’zをサポートすることになります。

しかしジャケット凄いな。
発音記号を模したデザイン、奇妙な衣装、松本の髪型。こりゃ売れないでしょ。
2人のバックにうっすらマネキンが映ってます。

そして特筆すべきはキャッチフレーズの、

「最先端から加速する。(空想の未来なら、いらない。)」

何だ何だ、この根拠のない自信と微妙な突き放し具合は?
自動車の広告にも、新たにオープンする商業施設の広告にも思えるインパクト絶大な文句ですが、よもや音楽を表現する為のものだとは誰も思うまい。
もし私が将来選挙に立候補したら(しないけど)、ポスターの文句は断然コレだ。これしかない。「最先端から加速する。(空想の未来なら、いらない。)」


①だからその手を離して
アルバムと同時発売のデビュー・シングル曲。しかし変な曲だよなぁ。デビュー曲らしからぬ“拒絶”がテーマの歌詞。「しゃしゃりでてきた」って言葉を選ぶのは稲葉らしいかも。しかし、「鼻につくその臭いが遠慮もなしにしつこくつきまとってる」って詩は凄い。

②Half Tone Lady
人見元基意識しまくりの歌い回し。この曲、嫌いだったなぁ。今はなかなか好きです。と並んでシングル候補でした。こっちの方がシングルっぽいけどね。

③ハートも濡れるナンバー~Stay tonight~
退屈っす。味付けが中途半端。後に「THE 7TH BLUES」でセルフカバーされたヴァージョンは結構かっこいい。

④ゆうべのCrying~This is my truth~
変なタイトル。この頃って曲名にサブタイトル付いてるもの多かったように思います。ブリッジ・パート「It has been a long time~」のメロディは良い。本作で一番の長尺。といっても5分半くらいですけど。

⑤Nothing To Change
B’zで唯一の稲葉が詩を書いてない曲。作詞は亜蘭知子。本作の中で最もHR色の強いバラード。サビメロかっこいい。明るい雰囲気に転換するエンド・ギター・ソロも良い。絶賛する程じゃないが。

⑥孤独にDance in vain
B’zで唯一の松本が作曲してない曲(作曲:大槻啓之)。オ~ロロ~ン。一人盛り上がりの稲葉がややイタい。

⑦It's not a dream
本作一番の怪曲。冒頭いきなり「フォー!!」のシャウト共に稲葉はしゃぎまくり。成り切れていない“人見っぷり”がまた苦笑させてくれる。好きだけど(笑)

⑧君を今抱きたい
この曲はシリアス路線でかっこいい!この曲をシングルにすれば良かったのに。サビもいいが、ブリッジ「Don't turn away~」のメロディと詩のはまり具合がマジ素晴らしい。特に「ラジオのホワイトノイズに埋もれさせ」が好き。松本のギター・ソロも引っ込んだ音ながらHRっぽい。

⑨Fake Lips
怪曲再び。冒頭「ウーー!う~、イェィイェエー、イェ~~イ!!」に吹き出さずにはいられない。

TM NETWORKっぽいけど、TMほどカラフルになれず中途半端感の漂う作風です。将来ミリオン連発するアーティストになる片鱗は皆無。稲葉の“人見”ヴォーカルも、バックが図太いバンド演奏ならともかく軽いデジタル・ポップなので逆効果。雰囲気をどんよりさせる効果がある(笑)。の歌詞は後の稲葉節の萌芽が見られるような見られないような…。


【お気に入り】
⑧君を今抱きたい
⑤Nothing To Change


※そういや明石昌夫が「凄ぇヴォーカリストを3人挙げて」みたいな質問に、人見元基生沢佑一(ex:TWINZER、BLAZE)・稲葉浩志、と答えたことがあったような。
スポンサーサイト

COMMENT 5

スパイシー  2012, 02. 06 [Mon] 20:30

はじめまして

はじめまして、こんにちは。
スパイシーという者です。

最近いつもブログ見させて頂いてます。
私もメタラーなのにB'z好きで、なかなか周りに共感してくれる人がいなかったので、思わずコメントしてしまいました(笑)

確かにこの頃のB'z、今と全く違いますよね。私も後追いで聞いたので初めて聞いたときはかなり戸惑いました。

2011年の年間ベストも見ましたが、曲・アルバムともに私とかなりかぶっていました。特に、メタル系の曲に混じって「さよなら傷だらけの日々よ」が入っていたのが、なんだか個人的に凄くうれしかったです。(笑)

普段、あまりブログなどにコメントを投稿しないタイプなので不慣れな部分もありますが、今後もよろしくお願いします。
では長文失礼しました。

Edit | Reply | 

ヒゲ・スカイウォーカー  2012, 02. 06 [Mon] 20:55

スパイシーさん、こんにちは

コメントありがとうございます!
普段あまりコメントされないとの事ですので、(勇気を出して?)コメントしていただいて、私も一際嬉しいです。
私に限らず、コメントをもらえると管理人としては大変励みになると思いますよ。

B'zについては順番に感想をアップしていこうと思ってますので、第2回の"OFF THE ROCK"編、楽しみにしていただければ幸いです。いつになるか分かりませんが(笑)

ヘタクソで自己中な文章ですが、今後とも暖かく見守ってやっていただければ嬉しいです。

Edit | Reply | 

ヒゲ・スカイウォーカー  2012, 02. 06 [Mon] 20:59

スペル間違った

スパイシーさん、

「オフ・ザ・ロック」のスペル間違っちまいましたよ。
「ROCK」じゃなくて「LOCK」ですわ。
B'zファン失格ですな。ハッハッハ。

Edit | Reply | 

もるぐ  2012, 02. 07 [Tue] 05:06

どうもです!
自分もメタラーかつB'z好きでこういう記事は嬉しいですw
父親がB'zファンだったため、物心ついた頃にはカラオケでLOVE PHANTOMを歌わされておりました!

アルバムもほとんど全部もっており、「音楽なに聞くの?」と聞かれたらB'zと洋楽と答えていますw

今後もブログ更新と密かにB'zネタを楽しみにしております。

Edit | Reply | 

ヒゲ・スカイウォーカー  2012, 02. 07 [Tue] 20:10

もるぐさん、

実はもるぐさんが来てくれるんじゃないかと、密かに期待してました。

私も「B'zと洋楽」ってよく答えます。
すると、「えっ、洋楽って例えば誰?」とか訊いてくるので、
「あぁ、BON JOVIとかエアロとか……」
とても「MANOWARとかEMPERORとか」なんて言えません(笑)
まぁBON JOVIもAEROSMITHも聴くから嘘言ってないしっ!

それにしても最高のお父さんですね!親子でB'zファンなんて素敵過ぎです。

Edit | Reply |