LIGHT BRINGERのTales of Promiseのこと。

2013年5月に発売されたLIGHT BRINGERのアルバム「Scenes of Infinity」聴いた第一印象の記事はアップしましたが、そのまんま早3ヶ月強、詳細記事はまだ書き終えていません。いや、正直に言うとほとんど下書きしてません(汗)。
聴いては、います。
めっちゃ聴いてます。
今までの彼らの作品で一番回数多く聴いてます。

自分にとって大切な作品なだけに気合を入れんとイカンというか、中途半端な状態でアップしたくないというか、まぁ要するにちょっと立ち竦んでいるような状態なわけです。で、まずはエントリ・タイトルに掲げたこの曲、アルバム収録曲の中でも一番ベラベラ喋りまくりたい声高に語り散らしたい曲ですが、この曲に対して感じていることを一旦吐き出してみようかと。そうしないとアルバム全体の感想をまとめるには至らない気がすると思った次第です。


Tales of Promise ~天国に寄せるポエトリー~
「Scenes of Infinity」の8曲目の収録されている曲。タイプとしては陽性メロスピになるのでしょうが、一筋縄ではいかない曲展開と煌びやかでポップなシンフォニック・サウンドに包まれるところがいかにもラブリーらしいキラー・チューンです。
ラブリーで好きな曲を3曲選ぶとしたら、Hearn's HeavenDream!とこの曲を選びますね。その次にLove you♡かな?それくらい大好きになった曲なので、繰り返し聴いている新譜の中でも特にリピートしまくりング・チューンになってます。

この曲を一際輝かせているのがふっきーの書いた歌詞、その詩世界です。っていうか、この記事ではほとんどそこのところについて語りたいかもしれないかもしれないんですよ。
曲名にあるようにTales of Promise ~天国に寄せるポエトリー~は「約束」の曲です。どんな「約束」かを説明するにはラブリーの1stフルアルバムである「Tales of Almanac」について触れねばなりません。このアルバムの中で語られるストーリーの続編、後日譚こそがこの曲の詩世界なので。

以下、日頃からこのアルバムを愛聴している人からすれば当たり前の前提条件みたいな内容でしょうし「読みが浅いわ、このドアホウ!」と噴飯必至でしょうが、まぁご勘弁を。このアルバム自体廃盤状態ですし、世界が宝物を隠してるが故にその魅力に気付いてない人にお節介ながら紹介したい、ってのもありまして。自分自身の為の備忘録的な意味も含めつつ。


「Tales of Almanac」の構成というか仕掛けをめちゃめちゃ簡単に説明すると次の2点にまとめられると思います。
 ①収録された12曲がそれぞれ月(month)を表している。
 ②アルバム後半(Tr9~Tr12)で一つの物語世界を構築している。


あんまり詳しく書くと同アルバムの感想記事を書く時(一体いつだ!?)にネタが無くなっちまうのでサラリといきますが、まずについて。1曲目のDiamondが“4月”を、続くUpstream Childrenが“5月”を表し……、最後の12曲目D.C.が“3月”に当てはまるという風に、アルバム全体で春夏秋冬を描いています。この構成美を備えているというだけで私なんぞは名盤認定してしまいたいくらいですね。
そして、White Locked Night(12月)~銀色(1月)~Hearn's Heaven(2月)~D.C.(3月)という流れで語られるのは、「人間の男と雪女の恋物語」。この設定が必殺!マジでキラーッ!(笑)
春夏秋冬を描いたアルバムに、冬(というか寒い所で)しか存在できない雪女。当然ながら2人は冬にしか会えませんし、“彼女”のいない季節(=春夏秋)を過ごす男の存在に、必然的に聴き手は移り行く春夏秋冬を意識するという仕掛け。これは何だ!?そう“七夕”的設定だ。織姫と彦星だ。そして2人の種族の違いが切なさをさらに助長するッ!そこにシビれる!あこがれるゥ!

「Tales of Almanac」のブックレットにはメンバー写真の他に、この2人のイラストも登場人物として載っています。ポップ調の。このアルバムへの、そしてラブリーへの思い入れの強さから、この2人について私はもはや他人とは思えないほどです(笑)。そのイラストからも雪女という正体はバレバレなわけですが、歌詞に目を向けると「身分違いの恋」(White Locked Night)って歌詞は言うまでも無く、人間と妖怪という種族の違いということですね。
“彼女”の正体を表している歌詞は他にも色々あって、例を挙げると、

「もしも私が氷の乙女だとしたら どうか 溶けて消えるまで…」
(White Locked Night)

「氷のような微笑みが 僕と君の恋の始まり」
「その手で触れないで 熱くて溶けちゃうから」
(Hearn's Heaven)

等々…。


2人の「出会い」があれば「別れ」もあるということで、特にHearn's Heavenが孕んでいる切なさっていうのはこの「別れ」があってこそのものだなぁ、と思います。

「暦から逃げられない 二人を春風が嘲笑った」
「『いつか時が来たら 二人離れ離れ』と」
「戻れない季節に阻まれて 少しずつ君が小さくなる」
「『きっとまた』その言葉を残して 透き通る白さに消えてゆく」
(全てHearn's Heaven)

上記4曲の流れ、White Locked Nightが「これこれこういう話があってね」という俯瞰した視点での物語の紹介部分であるならば、インスト銀色で場面転換、Hearn's Heavenが当事者である2人の出会いから別れへと辿った物語、D.C.が2人が交わした再会の約束の曲、といった感じでしょうか。

この物語設定の最大の発明点(というと大袈裟か?)は、「別れ」だけでなく、ここに「巡る季節」という要素を組み込んだために「再会」の物語へと昇華されていることでしょう。
そして「再会の約束」の話がTales of Promise ~天国に寄せるポエトリー~になります。

(ここまで辿り着くの長かったなぁー/呆)


ここからようやく本題ですが、
まず、曲調があの「Tales of Almanac」からの連続性を強烈に感じさせてくれて悶絶です(一悶絶)。作曲者はHibikiなので、Kazuが作ったHearn's HeavenD.C.の歌メロとはタイプが異なるものの、曲が発する雰囲気があの頃のソレですし、MaoのKeyが演出するのは雪の舞う冬の澄み切った空気感。そしてふっきーは明るめの声で、真っ直ぐ伸びやかなヴォーカルを披露しています。

そして、歌詞。
冒頭の「ねえ いくつ春を覚えた」で一気に“あの”世界へと連れ去られることになります。この「ねえ」の破壊力は凄い(笑)。語感的にも萌え心(?)を刺激することは勿論、D.C.の最後のほうの歌詞、「ねえ お祝いしようよ」からのイメージの繋がりがあるように錯覚されるところがまた凄い。
そう、Tales of Promise ~天国に寄せるポエトリー~の凄みは「再会の物語」というテーマを選んだことではなく、Hearn's HeavenD.C.の歌詞との連続性を見事に保った上でそのテーマを描き切ったことで成就されたもの、と言えると思います。
歌詞における連続性の保持、この点が悶絶(二悶絶)。

ブックレットを見てもらったり、歌詞を検索してもらえれば分かる通り、関連のある単語・表現は頻出しています。「雪解けを看取るララバイ」という表現なんて神懸かってるもんな。
色々書きたいことはあるんですが、以下2点を紹介。

カッコ付きの歌詞が2箇所あって、それが雪女の台詞であろう『いつかその時が来たら二人離れ離れ』『きっとまた』というものですが、上述したように2つともHearn's Heavenの中の歌詞です。この「別れ」と「再会」の言葉の仕掛けが生み出すセンチメンタリズムはどうなのよ!?(三悶絶)

もう1点は、「また冬が来たら ここで会おう 白い桜の下で」 「僕ら何度でも ここで会おう 白い桜の下で」という歌詞。この「白い桜の下で」、文字通り“桜の花が咲いているその下”で2人が会うってことではないでしょう。桜の季節には雪女さん、溶けていなくなっちゃいますから。
「白い桜」は桜の花弁が白いのではなく、雪片舞う様子を桜の花弁が散る様に見立てていると考えるのが自然です。つまり、<白い→雪>。じゃあ「桜」って単語を使う必要がないんじゃないのかって、これが大いに、ある。ありまくる。
「春が来たら 全ての人(二人のため)に桜が咲く」というD.C.の歌詞とのイメージのリンクが果されるからです。また「巡る季節はここから始まるから」「さよならじゃない 始まりの春だから」とあるように、“桜”は我々日本人にとって「区切り」「始まり」「出会い」を感じさせる言葉です。“桜”って聞いただけでそういったイメージが漠然と頭の中に思い浮かぶもんなー。そのイメージが2人の再会を祝福するイメージと重なって、こりゃもう事件ですよ先生。このスーパー・テクニックで悶絶、ファンタスティック・フォー!(四悶絶)


こうやって見ていくとTales of Promise ~天国に寄せるポエトリー~って、“桜”というモチーフとしてはD.C.との関連性が強いものの、「2人の物語」としてはHearn's Heavenへのアンサー・ソングになっているのよね。2人が現に当事者として描かれているのって、この2曲だけだし。ですから、『らぶりーみゅーじっくつあー 2013~To Infinity And Beyond』セットリストの本編最後にこの2曲が連続で披露されたことっていうのは実に自然であり、同時にワタクシめが落涙するのも当然のネ申流れだったのです。
「語られる側の二人は 知ることはないけれど」のセクションの歌詞は、White Locked Nightの視点と似ている様な気もしますがね。
そしてこの曲、「巡る季節」という点から考えると、「Tales of Almanac」アルバム全体へのアンサー・ソングでもあるというこのマジック。キラー!

あと一つ、悶絶ポイントとして挙げておきたいのが、Hearn's Heavenの最後の歌詞との共通点です。その歌詞、「僕たちがあの悲恋を覆す この冬を繰り返す<恋人>」の<恋人>はギリシャ語のεραστής【発音:erastís】と歌われます。『怪談』で雪女の物語他を紹介した小泉八雲(=パトリック・ラフカディオ・ハーン)がギリシャ人であること(勿論、曲名のhearnは彼の名前ですね)に因んでのギリシャ語の使用ですが、Tales of Promise ~天国に寄せるポエトリー~でもギリシャ語が使われています。コチラの記事でも記しましたが、1番と2番のサビに入る直前に<天国、楽園>を意味するπαράδεισος【発音:paˈraðisɔs】が使われています。この拘りようたるや、ふっきーから聞いた時は私、めちゃめちゃ感激しましたね(心の中で)。「ギリシャ語、キターッ!ギリシャ語!」って(笑)←五悶絶


White Locked Nightに出てくる「カノン(追複曲)」を受けてか、「ラプソディー(狂詩曲)」「エレジー(哀歌)」「ポエトリー(詩歌)」という歌を表す言葉を並べたのも特徴。
…というのは深読みし過ぎかな?




しかしこのTales of Promise ~天国に寄せるポエトリー~原宿アストロホールで初めて聴いた時はここまでの超名曲に仕上がって来るとは思いませんでした。
粉雪が舞い踊る景色が思い浮かぶようなシンフォニックなイントロの頭から、同じフレーズで鮮やかに締めくくるラストに至るまで、私にとってはまるで隙のない曲です。特にラストのエンドGtソロとそこからのKeyとのユニゾンは、ヒゲスカ的ラブリー瞬間最大風速ですね。
季節が巡る早さに呼応しているかのようなスピード感、歌詞と曲との完璧な噛み合い、2人が巡る円環構造と日本人の季節感とのイメージのシンクロ。完璧。
聴くと必ず涙しそうになっちまうのよ。

この曲=物語を思う度に、日本人で良かったなぁって心の底から思いますね。


しかしこの話、つくづく思うのは、「男=人間、女=雪女」でほんと良かったなぁ、と。これ逆に「男=雪男、女=人間」だったら…、雪男との再会の約束、果たされそうにないから。
ねぇ?(笑)




何だか「言わぬが花」なことをペラッペラ喋くりまくったような気がしないでもないですが、とりとめもなく思ってることを8割くらいぶちまけてみました。いつもにも増して読みにくく、理解しにくい文脈かもしれないですね。
上記歌詞等々の解釈はほとんど全て私の主観に依るものなので、(偉そうな文章ではあれど)その考えを押し付けるものではありませんし、作詞者であるふっきーの意図とはまるで異なるかもしれません。そこのところ、ヨロシクです。

というかラブリー、「Tales of Almanac」のリレコ&再発、はよ。
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COMMENT 9

フレ  2013, 09. 06 [Fri] 23:33

すげぇ…

ここまで分析解釈できるって…、作った側も本望だろうと思う。そして自分はときたら、初めて知ったその意味。そうだったんだ…と気になってリピート中(笑)。ここまで聴いてこそファン、と言えるんだろうなと浅はかなことばかり書いてる自分を自戒しなければ…。

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DD  2013, 09. 08 [Sun] 19:29

「Tales Of~」「Midnight~」ってあまり今回のライブでやってないし、今後アルバムを出せば出すほど難しいんじゃないですかね、この2作から多くやるのは(なんかの企画めいたものをやらない限り以外は)。

 となると、この曲をかなりやらないと、このアルバムに対するトリビュート的なものはないし、過去現在を結び付けないぐらい重要なもの、ということにもなりかねない、とみて間違いなさそうですね(ただ、「Hearn's」は先にあげた後者でリレコみたいにやってますが)

 もう1つ、考えられるのが、前者って、それこそ2本のG軸でやるのが多く、ライブでやるだろう曲ぐらい、またリクエスト募集で票が多かった曲ぐらいしかやらないんじゃないでしょうか、いくら今のバンドのスキルが高いとはいえ。

 今後どんな情報が出るか待ちましょう、この件に関しては(ちなみに今月の「FUSE~」のチケを取りました、どの曲がプレイされるか楽しみですが、いろんな曲があるだけにこのイベントでは初期の曲はあまりプレイしないんじゃないか、と踏むのですが)。

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DD  2013, 09. 08 [Sun] 21:58

 前者はもともと1本で、「Midnight~」の方の誤りです、すみませんその解釈でお願いします。

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ヒゲ・スカイウォーカー  2013, 09. 10 [Tue] 01:06

フレさん、

どうもありがとうございます!
聴き込んで書くっていうのと、無駄に力を入れないでコンスタントに更新してゆく、その二つのバランスの取り方は常に考えています。現状の私は書くことに力を費やし過ぎで、肝心の音楽聴くことに時間を割けなかったりしてますから。
フレさんのように日常生活に一部になっている(風に見えます)ように自然体で一定のペースで弛みなく更新していらっしゃる姿勢に憧れますね。

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ヒゲ・スカイウォーカー  2013, 09. 10 [Tue] 01:13

DDさん、

ライブで演奏する機会は非常に少ないでしょうね。それこそリレコしなければ。どちらかというと、ライブよりは「Tales~」を簡単に手に入れられる環境にしてほしい、という希望ですね。

2本のGtに関してはDDさんも以前指摘されてたように、今のラブリーであればアレンジ(特にKeyの)で割と上手く行けそうな気もしています。

28日は新譜+過去曲2曲くらいかなぁと思ってます。

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tobymetal  2013, 09. 10 [Tue] 05:39

今更ながら思い出しました。

仙台か渋谷か失念しましたが、Tales of Promiseの前にhibikiのMCで、Tales of Almanacからの流れを継ぐ曲です的なニュアンスのことを言っていましたね。
この時は同じTalesがつくので何か関連あるのかな?程度で思っていましたが、この記事を見て納得しました。
素晴らしい!

しかしTales of Almanacだけ入手できてないので、本当に再販して欲しいですね。

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ヒゲ・スカイウォーカー  2013, 09. 11 [Wed] 05:23

tobymetalさん、

そうですねぇ、続編と言っておきながら元の作品が手に入らない状況は如何なものかと思いますね。

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paruriko  2013, 11. 05 [Tue] 20:22

お久しぶりです。parurikOです。ここ何ヶ月か他のジャンルに現を抜かしておりメタルから少し離れていました・・・。勿論ラブリーのみヘビロテ(笑)相も変わらず熱い記事が山のようにありますね!そんな中に灼熱の記事が!? 【Tales of Promise】 この曲名・・・。やはり古参ラブリーファンにとっては特別な曲になります。私はHearn's HeavenとTales of Promiseを聴くと胸が熱くなるんですよね。
「氷のような微笑みが 僕と君の恋の始まり」 『きっとまた』その言葉を残して 透き通る白さに消えてゆく 「ぬくもりを残した 雪解けを看取るララバイ」など、刹那的な詩世界の美しさ。言葉のチェイス【erast?s】【pa?ra?is?s】ですか・・・。
私が思うにふっきーはmelodyに対する言葉の乗せ方が天才的だと思います。限りなく違和感が無い。ふっきーの日本語に対するこだわりが詩世界の完璧さと曲melodyとのシンクロ率120%を成功させているんですよ。その最高傑作がTales of Promise!それとHearn's Heaven!だから皆さんもきっと大好き(笑)昔から日本語はMETALには合わないと言われてきたが、ラブリーは違う。 長文失礼しました。

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ヒゲ・スカイウォーカー  2013, 11. 07 [Thu] 00:51

parurikoさん、

激熱コメントありがとうございます!parurikoさんに読んでいただけて良かったです。
しかし、私の代わりにブログ書きますか?(笑)

仰る通り、ふっきーの拘りと才能の両方が揃った歌詞のセンスは素晴らしいものがありますね。完全同意です。

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