吉川英梨『スワン 女性秘匿捜査官・原麻希』

吉川英梨_スワン
吉川英梨『スワン 女性秘匿捜査官・原麻希』 (宝島社文庫)

1作目に引き続きまして「女性秘匿捜査官・原麻希」シリーズの2作目を読みました。もう“女性秘匿捜査官”って内容に関係ないんじゃないか?

背望会テロ事件から一年。警視庁鑑識課・原麻希のもとに、公安部の広田達也から「背望会リクルーターの指紋が見つかった」という連絡が入る。捜査のため奈良県に向かったふたりのもとに、新たな事件の一報が。奈良県知事選候補者が誘拐され、身代金の運び屋には麻希が指名されたというのだ。またもや背望会の仕業なのか、それとも...!? 大阪府警vs.警視庁の熾烈な捜査バトルが繰り広げられる、人気長編警察小説シリーズ第2弾。

こ、こいつは…、面白くなってる!(驚)
しかしどうにもこうにも、主人公・ハラマキの娘の菜月がクソむかつくんだが。


以下、人によっては「ネタバレ」と感じる部分があると思いますので、ご注意ください。
 ↓

2作目にして見えたッ!このシリーズは「バカミス」として読むのが正しいンだッ!(笑)

というのは半分冗談、半分マジで、1作目ほどではないにしろ、かなりのドタバタっぷりです。ツッコミどころも多いし、“ありえなくはないけどちょっと不自然”と感じる点もチラホラ。ただ前作で感じた、ご都合主義や無理な展開や詰めの甘さを大きく上回る別の魅力を提供できていない、という点は大きく改善されていると思います。

単純に作者のペースに私が慣れてきただけかもしれませんが、前作で提供できていなかった「魅力的な登場人物」という点で本作は大きく前進していると思います。設定自体は秀逸だった警察機構を目標とするテロ集団・背望会。このスカウト担当者、作品中では“リクルーター”と呼ばれていますが、この人物がシリーズ全体の“敵”としてクローズアップされてきたのがデカいですね。
かつ、舞台である奈良県で主人公の相棒となる吾川、大阪府警捜査一課から乗り込んできたアニマル柄大好きケバいおばちゃん刑事・嵯峨美玲のキャラが立っていて、こちらも素晴らしい。一気にシリーズ物としての面白さを増してきた印象があります。

やっぱりこの作者、ジェフリー・ディーヴァー大好きだろ、と思わせる展開がたっぷりでした。
しかし、この背筋が凍るようなラストは秀逸。
これで、3作目以降も楽しみになってきた。
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