PURSON「THE CIRCLE AND THE BLUE DOOR」


PURSON「THE CIRCLE AND THE BLUE DOOR」 (2013)

CATHEDRALのLee Dorrian(Vo)のレーベル、『RISE ABOVE』から本作を以ってデビューした70年代風ブリティッシュHRバンド、PURSON。新人にも関わらずカラー3ページ、伊藤政則氏によるレビューで90点を獲得という、BURRN!誌による破格の扱いによる鮮烈極まりない日本デビュー(?)も記憶に新しいかもしれません。

魑魅魍魎が跋扈する『RISE ABOVE』(笑)の所属バンドの中でも、このPURSONの“本気度”の高さは特筆すべきでしょう。レトロなKeyワークが映えるHRをやっていて、フォークやサイケ方面からの影響もたっぷり。70年代英国のマイナー系ロック・バンドの音それだけでなく、その体臭までも再現するかの如き徹底した拘りを感じる、そんなサウンドです。参考にしているのは決してメジャーではない音であろうにも関わらず、それでいて出てくる音はイモ臭くなくて洗練されているというマジック。その方面の音楽に造詣の深い方ほどその立体的なアンサンブルの妙に唸らされるような気もします。
ジャケを見るととても2013年発売の作品とは思えません。呪術的で如何わしくて、アンダーグラウンド臭ムンムンな不気味で、かつ美しいジャケ。やっている音楽に合わせてジャケをデザインしたというより、音がそのままジャケに現れちゃったかのよう。

バンドの中心人物はVo&GtのRosalie Cunninghamという女性。というか、バンド編成を整えてはいるものの、このアルバムに収められている(DrとBaを除く)ほとんどの音は彼女が演奏したものだというから驚き。そしてそのRosalie、まだ23歳だというからさらに驚き。23歳っつったら日本で4年制大学出だったら社会人1年目?その若さでこの咀嚼力。
どうします、合コンに行ったらRosalie Cunninghamがいたら?フェミニンワンピのゆるふわ系女子に混じってRosalie Cunningham(笑)。好きなアーティストの話になって、それぞれ「嵐♡」「バンプ!」「ミスチル♪」「いきものがかり~」とか言ってる中、「SPIROGYRAですね」とかのたまうRosalie。イカす。そんな妄想シチュエーションを考えるまでもなく、(言い方は悪いが)Rosalieのズレっぷり、変人っぷりは一際輝いております。
Rosalieの歌唱がこれまた堂に入っていて、妖艶で、捻くれたポップ感があって妙にクセになりますね。なかなかこの老獪な“間”は再現できないよねぇ。

“この曲が超キラーーッ!”とか“ここで強烈なフックを持つメロディが登場!”って感じではない(少なくとも私にとっては)のですが、聴いてると非常に心地良いし、引き込まれます。音の魔術にヤられてるんだな。聴けば聴くほど深みにハマりそう…。
個人的にはもうちょっと曲数を絞った方がさらにヴィンテージ・ロックっぽさが強調されて良かったかな、と思いますが。

⑤Leaning On A BearのMV → コチラ。
②The ContractのMV → コチラ。

【お気に入り】
⑪Tragic Catastrophe
⑨Sapphire Ward
⑧Well Spoiled Machine
⑥Tempest And The Tide


本作でRosalieと共に曲を作り共同作業をしたEd Turner(Ba&Gt)はアルバム制作途中で離脱しています。彼のインプットがどれくらい大きかったのか定かではありませんが、Rosalie自身も彼から多くを学んだと話してしますし、サンクスリストのトップで彼への感謝を綴ってもいます。
Ed無しで制作するであろう次作がどうなることやら、期待半分・不安半分って感じですね。
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COMMENT 5

フレ  2013, 08. 29 [Thu] 20:51

いいねぇ〜

彼氏の影響かもしれんけどこんな素晴らしい退廃的なアルバムは近年見当たらないから大ヒット。傑作です、これは。しょっちゅう聴いてるもん。

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ヒゲ・スカイウォーカー  2013, 08. 30 [Fri] 20:27

フレさん、

70年代の音楽性を現代風にアップデート、みたいなバンドは多いですけど、コレ当時のそのまんまなんじゃないか?と思わせるような本気っぷりですよね。

こういう音にしてやろうって意図や色気、人の顔を窺っている感を感じないんですよね。ほんと自然に生まれてきちゃったみたいなマジック。

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お客様  2013, 08. 31 [Sat] 18:07

李さん一家

以前からRise Aboveのリリースするアルバムはほとんどチェックしているのですが、相変わらずリー・ドリアンは本当にいい仕事してますね。
今度はIron Manと契約し、ニューアルバムもリリース予定だとか…
できればCathedralの方も継続してもらいたいところですが、今後はジョニー・Zやブライアン・スラゲルのようにレーベル業に専念するつもりなのでしょうか。
これだけ高品質なバンドを世に送ってくれるなら、それもまた佳しと言えるかも。

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kazz_asai  2013, 08. 31 [Sat] 22:08

すみません

さきほどの投稿、記名を失念しておりました。
申し訳ありません。

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ヒゲ・スカイウォーカー  2013, 09. 02 [Mon] 22:16

kazz_asaiさん、

勿論浅井さんのコメントだと分かっておりましたよ。Rise Aboveをほとんどチェックという時点で(笑)。ありがとうございます。

レーベル主の顔が見えるっていうのは購入者にとっては安心感に繋がりますので、採算ベースに乗るのであればオーナーに専念もアリかもしれませんね。
LeeとGazはいずれまた一緒に(CATHEDRALじゃない何かを)やるだろう、みたいな事は言ってましたが。

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