KALMAH「SEVENTH SWAMPHONY」


KALMAH「SEVENTH SWAMPHONY」 (2013)

沼地大好き、フィンランド産メロディック・デスメタル・バンド・KALMAHのタイトル通りの7thアルバム。2008年の5th「FOR THE REVOLUTION」はやや地味な作品でしたが総じて良作ばかりコンスタントにリリースしてきた彼ら、本作の仕上がりも期待を裏切らない素晴らしさです。

そのネオクラシカルでシンフォニックな装いを纏ったメロディック・デスメタルは健在。前作「12 GAUGE」(2010)リリース後に残念ながら名手Marco Sneck(Key)が脱退し、Veli-Matti Kananenが加入するというメンバー・チェンジがありました。その影響なのか、Key由来のキラキラ旋律が若干後退、2本のGtを主軸にした力強い推進力が増しているように思います。「駆け抜ける」というより「ガシガシ突き進んでゆく」って感じ。

このKALMAH、北欧メロディック・デスメタルの美点を最も忠実に継承しているバンドの一つだと考えますが、そのポイントとなるのは何かといったら「田舎っぽさ」だと思います。何だか身も蓋もない言い方ですが、KALMAHの頼もしさっていうのは“Keeper of 田舎イズム”“Successor of 田舎っぽさ”であることに由来している気がしてしょうがないんですよね。
反対に「都会」に接近してゆくと北欧メロデスとしての美点は薄れてゆく、少なくとも私にとっては魅力が無くなってゆくことが多いです。この「都会」ってのは、「モダン化」とか「アメリカナイズ」とか、場合によっては「洗練」という言葉で置き換えてもいいです。管理人の野郎、あのバンドの事を暗に言ってやがるな、とか思った方、多分正解です(笑)

全8曲40分強、コンパクトにまとまった作品ですが、前半4曲の畳み掛けの素晴らしさにあたしゃあ、ヤラれましたよ。
タイトル・トラック①Seventh Swamphonyはその捻りの効いた曲名にあるように、(今作の中では)Keyによるシンフォニーの装飾が派手な曲です。これがいきなりのキラー!勇壮なメインリフにアンセミックなサビ、そして緩急起伏を備えたドラマティック極まりない間奏。
そこから、推進力に満ちた疾走メロデス・サウンドにキャッチーかつ男臭い掛け声系コーラスが乗る②Deadfall、さらに力強さを増して突き進む③Pikemasterへと流れていく様が頼もしいです。「剛」サイドの充実だけでなく、「柔」=メロディもまるで疎かにされていないのは④Holloを聴いてもらえば分かります。途中ヴァイキング風のパートも挟むデスヴォイスによるパワーバラードといった風情ですが、諦観を湛えたクリーンVoによるサビと胸を締め付ける哀メロが非常に私好みですね。ラストに近づくにつれ徐々にポジティブな空気を感じさせるところも◎。

これら前半があまりにも強力なため、後半4曲の影が薄いような気もしますが、多分シャッフルして聴いたらどの曲も強力なように思います。力作!

因みにここでもミックス&マスタリングで顔を出すのは、必殺仕事人Jens Bogren。「またお前かー!?」って感じの超過勤務っぷりですが、彼が関わることによって総じて出来は良くなるのだからまるで気にしてないっす。大歓迎です。
KALMAHさん、このままいつまでも田舎モンでいてください(笑)イモっぽくあれ。

【お気に入り】
①Seventh Swamphony
④Hollo
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COMMENT 2

kazz_asai  2013, 08. 18 [Sun] 20:18

沼地万歳

相変わらずの沼地題名と安定のメロデス、今回も彼らは裏切りませんでした。
「あのバンド」は私の場合、4thですでに比較対象から外れています。
何と言われようが、余計な進化など考えずにいつまでもこの路線を貫徹してくれることを望みます。

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ヒゲ・スカイウォーカー  2013, 08. 19 [Mon] 20:48

kazz_asaiさん、

KALMAHには是非来日してほしいんですけどね。コンスタントに良作をリリースしているので、フェスだろうがカップリングだろうが単独だろうが集客あると思うんですよね。

「あのバンド」、異変を察知(笑)したのは私も4thですね。以降も全て買ってますがどうもピンときません…(苦笑)

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