IN VAIN「AENIGMA」


IN VAIN「AENIGMA」 (2013)

ノルウェーのプログレッシブ・エクストリーム・メタル・バンドの3rdアルバム。ジャケからして只ならぬオーラが漂ってくるよう。そして、ミックスは売れっ子、Jens Bogren。雄弁なインスト・パートを持つバンドの作品を手掛けると途端にそれが名盤と化す、そんな魔法を会得してるんじゃないかと思わせる昨今のBogren先生ですが、本作も例に漏れず名盤になってしまいました。しかも、激名盤です。

私は過去作は未聴で、本作がIN VAINとの出会いになるのですが、こいつァ凄い。作風としては、ブラック・メタリックでメロディアスでエピカルでドゥーミィ、メロデス的慟哭メロディ&ポストロック的癒しメロディとプログレ的展開に翻弄されちゃうというよく分からん説明になってしまいますが、要はENSLAVEDSWALLOW THE SUNBARREN EARTH等と似たような方向を見ているサウンドです。OPETHのような楽曲展開を見せたりしますが、メロディはもっとメロデス寄りですね。

アルバム冒頭を飾る①Against The Grainがいきなりの名曲で、まずビビります。バンドはツインGt、Key無し(ゲストプレイヤーがオルガンをプレイ)の6人編成ですが、そのうちバックグラウンドVoも含めると4人がヴォーカルを務めます。クレジットでは、Main vocals, Clean voocals, Growls, Hardcore vocalsとかなっており、どれが誰の声か私はさっぱり分からないのですがとにかく多重で立体的で、もー堪んないっす。そのヴォーカル面の強みがこの1曲目から最大限に発揮されてますね。重さを失わないデスメタリックな音像の上、次々と多彩な声が被さるように登場してくるこの曲の時点で、このアルバム凄いんじゃないの、と思わせること必至。
アグレッションを強めた②Image Of Timeがさらにそれを上回るような名曲で、もうこのアルバムほんとどうかしてるんじゃないかという出来でビックリ。このバンド、メロディセンスとそれを具現化するヴォーカル面のアレンジセンスが抜群だと思いますが、単調にならないリズム面の充実も同様に素晴らしいですね。特にStig Reinhardtsen(Dr)、名手なんじゃないか?凄いよ。

(曲名にあるように)波の満ち引きを想起させるアコギの響きが美しいインスト、③Southern Shoresに導かれて始まる④Hymne Til Havetは、本作の壮大さが一番端的に表現されている曲でしょうか。ノッペリとした印象に陥るのを上手く回避したクリーンVoの使い方が実に素晴らしく、神々しい多重コーラスが降りてくるサビメロには思わず涙腺が緩みます。激泣きのGtソロもキテる、これまた名曲。
そこからアルバム中、最重のドゥーム曲⑤Culmination Of The Enigmaへと繋げる落差よ。6分辺りからの呪詛というか呪文の詠唱のようなパートを経ての咆哮が凄まじい迫力で、エクストリーム・ミュージックとしての側面も全く疎かにされてません。中間部にIRON MAIDENっぽい展開がある⑥Times Of Yoreもメタル度の高い楽曲ですね。

「落差」と言えば、⑧To The Coreも相当なもん。緊張感漲る序盤のデスメタリックな畳み掛けからは全く想像できないような壮大で甘美なサビに、ブラストビートのまま雪崩れ込む様はアルバム後半のハイライトかな、と。
アルバムをどんな曲で締めくくるのかというのは、私は1曲目と同じくらい気にする質なんですが、プログレッシブな展開美を持つ⑨Floating On The Murmuring Tideはその点でも文句無しですね。ゲストプレイヤーによる弦と管楽器が演出する圧倒的な寂寞感が素晴らしく、地の果てに一人ぼっち取り残されたような孤独感が根暗なワタクシにぴったりでございます。名曲。


思わずほとんどの曲に言及してしまうほど、アルバム全編素晴らしい傑作。グロゥルがオッケーでメロディアスな作風がイケるならば、多くのメタラー諸氏に聴いていただきたいですね。プログレ愛好家も是非。

【お気に入り】
ほとんど悶絶だが特に、
④Hymne Til Havet
②Image Of Time
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