DEPRESSIVE AGE「ELECTRIC SCUM」


DEPRESSIVE AGE「ELECTRIC SCUM」 (1996)

まるで購買意欲をそそらないジャケに包まれたDEPRESSIVE AGEの4thアルバム。最終作。旧東ドイツ出身のバンドです。このアルバムがリリースされた当時、既に東西ドイツ統一は果たされていますが、西ドイツ出身のどのメタル・バンドとも異なるこの捻くれた作風は“東ドイツ”というファクターが強烈に影響しているんだろうなぁ、と思わされます。ドイツ行ったことないけどな。

ズバリ、名盤です。
いや、言い過ぎたかな…、良盤です!
デビュー当時はメランコリーなスラッシュ・メタルだったそう(未聴)ですが、ここで聴くことが出来るのは……、何よコレ?(笑)
スラッシーな切れ味も残っている。グランジっぽい倦怠感もある。ドゥームっぽい重さや引き摺る感じもある。ゴシックっぽい暗さとメランコリックな感触もある。インダストリアルな無慈悲で無機的な空気も、プログレッシブ・ロックっぽい曲展開もある。何スかね、コレ?

しっちゃかめっちゃかになってもおかしくなさそうな拡散っぷりですが、アルバム全体では不思議と統一感があります。それは何故かと問われれば、Jan Lubitzki(Vo)のパフォーマンスに依る部分が大きいんだと思います。暗さの中に妙な熱情を帯びたその声で意外なほどポップな歌メロが歌い上げられ、アジテートするかの如く言葉が矢継ぎ早に吐き出されると、そこには閉塞感にも似た空気とそれを打ち破ろうと足掻く姿が浮かび上がってくるようです。

彼ら特有の、「ノリが良いんだけど陰鬱」という捻くれたポップ感が炸裂するのは②Cairo Crabat⑨New Machine Wisdom⑪Weird Boyあたりの曲ですね。特にの叫びにも似た歌には心打たれます。
⑥Featherfluteの突き放したようなメランコリーにも痺れる。


聴いてみるとビックリ、驚くほどオリジナリティ溢れる音を出していたなぁ、としみじみ感じます。活動拠点が別の場所であったならば、そして違う時代に出て来ていたならば、もっと違う展開があって(もっと)有名になっていたかもしれません。しかし同時に東ドイツでなければ生まれなかった音かもしれないな、とも思ったり。
独自のヘヴィ・ロック、ここにあり。

【お気に入り】
⑨New Machine Wisdom
⑪Weird Boy
⑥Featherflute
②Cairo Crabat
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