MEGADETH「RUST IN PEACE」

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MEGADETH「RUST IN PEACE」 (1990)

4thアルバム。
MEGADETHの代表作といったら2nd、もしくは本作が挙げられることが多いような気がします。まぁ、客観的に捉えると名盤でしょうなぁ。このバンドに思い入れの無い私でさえ、その年の年間ベストには入れざるを得ない、それくらいの作品。

前作「SO FAR, SO GOOD... SO WHAT!」(1988)と比べると一気に洗練を増し、かつ“バンドらしさ”のある作品になりました。
その印象の変化は、本作からのメンバー・チェンジと密接に関連しているんでしょうね。Dave Mustaine(Vo&Gt)とDavid Ellefson(Ba)の“両デイヴ”に加え、Marty Friedman(Gt)とNick Menza(Dr)が加入、MEGADETHの歴史上、(いまんとこ)唯一の“バンドらしい”ラインナップと言いたくなる布陣が完成しました。
2nd「PEACE SELLS ...BUT WHO'S BUYING?」(1986)の記事風に言うと、キン肉マン・スーパーフェニックスを大将とする『知性チーム』、ここにようやく誕生といったところでしょうか。今まではフェニックスMustaineとマンモスマンEllefson以外のメンバーは落ち着かなかったからなぁ。

中でも、Marty Friedmanの貢献は大きく、いきなり摩訶不思議な東洋的フレーズのGtソロが溢れ出してきたりする場面ではドキッとさせられます。真に驚異的なのは、Martyのそういう、ある意味「異質」な要素が、Mustaineの生み出す『インテレクチュアル・スラッシュメタル』と呼ぶところの音楽と違和感なく共存しているところ。お互いの存在が曲の完成度を高め、似ているものの無いサウンドへと押し上げていますから。本作のクレジットを見る限り、Martyは作曲にはタッチしていないようですから、これはMustaineの作曲能力の賜物なんだろうなぁ。

そのマジカルさがはっきりと具現化しているのが、①Holy Wars...The Punishment Due。これは最早プログレ・メタルの領域ですね。インパクト絶大なリフの見本市の中で、時折顔を出すようにGtメロディが零れ出る。曲はどこへ向かっていくかも定かじゃないように展開を重ねる。名曲ですなぁ。

続いて、これまたライブで必ず演奏するであろう②Hangar 18へ。この曲、後半に配置されたフェニックスMustaineとMartyオメガマンの掛け合いソロの応酬が有名ですが、それはどうでもよし。個人的にはインプロヴァイズ的なソロってあまり響かなくって、きちんと構築されたソロの方が好きなので。理想は、構築されたソロを即興的なタッチで弾いたプレイなんですけど。
まぁそれは置いといて、この曲はですね、ARCH ENEMYにもパク…、いやオマージュされた激キャッチーなイントロと、絶妙な引っ掛かりをみせるメインリフ、そしてそれにピッタリ合った歌メロの畳み掛けに痺れます。さらに、そこに切り込むGtのオブリね。名曲ですなぁ(二度目)。

リズム隊の個性が光る③Take No Prisoners、怪しげなメロディ・センスの④Five MagicsMETALLICAの1stに入ってそうな⑤Poison Was The Cure……と続きますが、彼らのアルバムのほとんどと同じように、このアルバムでさえ中盤と終盤に飽きが来る、というか意識が飛ぶことがありますからね、私。というか頭3曲が終わると集中力が続かなくなって、⑦Tornado Of Soulsまで来ると覚醒するというお決まりのパターン(苦笑)。これはもう、MustaineのVoから自分を守る為の防御本能が働いているとしか思えん…w

ファンにとっては曲粒揃い、宝石だらけのアルバムかもしませんが、私にとってはそうではなく、でっかい宝石がいくつかある作品という評価でしょうか。「いくつか」というか3つですけど。それは①②、それとチラッと挙げた⑦Tornado Of Soulsですね。
は紛うことなき名曲ですね。特にGtソロがヤヴェー!ソロへの持ってゆき方もゾクゾクさせるし、この構築美は正に先の「理想は、構築されたソロを即興的なタッチで弾いたプレイ」ってやつそのものだ。煌めいてますよ。メタル史上に残る名演でしょう。

【お気に入り】
⑦Tornado Of Souls
②Hangar 18
①Holy Wars...The Punishment Due
それと、③Take No Prisoners
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