MEGADETH「COUNTDOWN TO EXTINCTION」

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MEGADETH「COUNTDOWN TO EXTINCTION」 (1992)

えー、実はMEGADETHってあまり得意じゃないんですよ。
所謂“BIG4”の中ではMETALLICAに次いで好きなんですが、世間一般の評価ほどには良いと思っていない。ストレートに言うと、Dave Mustaine(Vo&Gt)の声が好きじゃないんですわな。MEGADETHにおいてムス大佐(自分で言っといてなんだが、この“大佐”ってのも気に食わん/笑)を否定するってことは、例えるならばWHITESNAKEではDavid Coverdaleがイヤ、BON JOVIではJon Bon Joviがイヤって言っているのとあまり変わらないような気もして、元も子もないんですが、まぁしょうがない。
ただ、好きじゃないとはいえ、時折思い出したように彼らの音楽が聴きたくなるのも事実で、こりゃ何かしら琴線に触れるところがあるんだろうと思います。

というわけでこの5thアルバム。浮遊するお爺さんが印象的なジャケは、勿論Hugh Symeの手に依るもの。

彼らのカタログの中で一番売れた作品でしたっけ?私が一番初めに聞いたMEGADETHの作品でもあります。そして、「Mustaineの声、マジ無理」のスタート地点ともなった重要な作品です(苦笑)。
当時、中学生だったか高校生だったか忘れましたが、その頃からMEGADETHMETALLICAってのは2バンド、ペアで考えていたふしがあります。それは多分人脈とか音楽性からの考察ではなくて、ただ単に『「メ」から始まるカタカナ4文字のバンド』ってだけの共通点だと思いますけど。
その流れでメタリカを聴いたからにゃあメガデスもね、ということでレンタルして聞いてみたその(負の)衝撃たるや凄まじいものでした。特に⑤Sweating Bulletsのヴァースにおける歌唱というか、ムニャムニャと愚痴というか駄々をこねている様子は、歌メロにしか耳が向かない当時のワタクシにとっては瞬時に拒否反応の出るものでした。「何だコイツ、ちゃんと歌えないのか!?っていうか、そもそも何でお前がヴォーカルやってるんだ!?理由を述べよ!」みたいな(笑)。いや、普通は歌上手い人がヴォーカルやるもんだろっていう認識だったんで…。


そんな思い出深いアルバム。
当時のバンドはMustaine以下、David Ellefson(Ba)、Marty Friedman(Gt)、Nick Menza(Dr)という黄金期(って今でも言われてるのか?)のメンバー。というか、MEGADETHがバンドっぽかったのってこのメンツの時だけなような気もしますが…(汗)
エンジニアリングとミックスはMax Norman。よく言われることですが、Maxさんの手掛けたこのアルバムのサウンド・プロダクションが非ッッ常に素晴らしい。スラッシュ系の所謂ドンシャリ・サウンドとは違い中音域に厚みと適度な重さがあります。同時に、一音一音にクリアな切れ味の鋭さと煌めきがあり、正に“メタリック”なサウンド。その音作りがMEGADETHの冷酷無比な音楽性の印象を強めているとも言われますね。
本作の音作りの素晴らしさが一発で分かるのが②Symphony Of Destruction。MustaineのイラッとくるVoと煌めくリフの合わさった、私にとって貶していいのか褒めていいのかよく分からん曲ですが、サビメロは時折気付かずに鼻歌で口ずさんじゃうのよね(苦笑)

全体的にはテンポを落として歌メロを聴かせるような曲が多くなりました。①Skin O' My Teeth⑧High Speed Dirtは比較的アップテンポの楽曲ではあるものの、やはりスラッシーに突っ走るタイプではありません。また、Gtはソロになるとかなりの弾きまくり(Martyの単独ソロが多い)をみせるものの、以前のようにリフの展開を重ねて曲を進行させていくのではなく、(相変わらずリフは冴えているものの)歌メロと同じような比重になっています。つまり、より“ふつー”の普遍的なHR/HMに接近しています。当時としてはかなりドラスティックな変化だったのではないでしょうか。
その歌メロを中心にした楽曲群、私の好みは別にしてなかなか良く練られているなぁ、とは感じますね。特に前半。なにより音(特にGtサウンド)が良いので引っ張り出してくる機会は割と多いCDでもあります。
ただ、MEGADETHのアルバムって後半が弱いというか、集中力が最後まで続かないというか、私にとっては途中で飽きちゃうものが多く、残念ながら本作もその例から漏れません。でアルバムを折り返す感じですが、そこから後ろがイマイチかな、と。

【お気に入り】
⑦Countdown To Extinction
抑えたMustaineのVoが聴き易い曲ですが、サビ裏のGtメロディが秀逸。ソロも叙情的で◎
⑥This Was My Life
②Symphony Of Destruction

【トラウマ】
⑤Sweating Bullets
コレだけは何度聴いてもムリ。
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COMMENT 6

DD  2015, 08. 05 [Wed] 21:12

 ま、確かにこのアルバムの9,10の曲長も詩のテーマも彼ら(というかMustaineの)の扱うテーマでもかなり奇妙、重いのを扱ったためにそう思うかもしれません(いくら好きでも、アルバムでもこの2曲は個人的にもwalkmanにも入れてないし)

 分岐点となる曲は結構多いですよね、象徴となるのは4でしょう。彼らにしては本格的にスローな曲に取り組んでるものですし(それは自作のTout le Mondeで結実しますし、その後のこういう曲調にもなってるし)、2,5も含め、かつ早い曲調も健在なのがこれが愛される要因でしょうね。

 遅くとも来年ぐらいリリースのalbumにも注目してみたいですね、Dr.の固定、ツアーメンバーで誰にするか決めるでしょうし、Kikoは支障ない限りやりたいと言ってますが。

 好きな曲・・2,5,7、加えるならliveが良かった11。

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とも太郎  2015, 08. 05 [Wed] 21:47

自分もメガデスだけは何か合いませんでしたね〜(^^;;

あの抑揚の感じない淡々としたボーカル…

楽曲も雰囲気があまりに機械的すぎて聴いていて気分がハイになりません(^^;;

でもフィンガー8でのマーティのギターソロは凄く好きです‼︎

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ヒゲ・スカイウォーカー  2015, 08. 08 [Sat] 20:03

DDさん、

かなりバランスの取れたアルバムなのかもしれません。ここでこういう作品を作ったことで、作風が広がりMEGADETHという名の下にできることも増えたでしょうし。

アルバムにせよライブにせよ、Kiko加入の効果がどういう形で表出するのか、ちと見ものです。

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ヒゲ・スカイウォーカー  2015, 08. 08 [Sat] 20:11

とも太郎さん、

コメントありがとうございます。

Dave MustaineってライブだとGt弾くのに夢中になっているのか、Voは適当にやってるように感じる時はあります(笑)。いずれにせよ、本人の中でもGtの方が比重が大きいんだろうな、と感じますね。
また、Voを無視できればいいのかもしれませんが、異様に目立つ声質と歌い回しでもありますし…(苦笑)

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kazz_asai  2015, 08. 08 [Sat] 20:46

芽が出ずの憂鬱

1st~3rdまでのメガデスはスラッシュというよりパワーメタルとして捉えていたのですが、かといってOverkillほど激しくもないし、「インテレクシュアル・スラッシュ」というキャッチにもあまり共感できない部分がありました。端的に言えばメタリカで一番好きな「The Four Horsemen」を作った男のバンドという以上のものではなかったのですが、その不遜な認識を一気にひっくり返したのが4thでした。この「Rust In Peace」はスラッシュとしても、パワーメタルとしても最高水準の作品として今でも大好きな作品です。
しかし続く5th、前作のようなアグレッションと正統派HM的展開は影を潜め、不気味ささえ感じさせるような押し殺したような音に当惑を禁じ得ませんでした。ムステインの爬虫類的Voはむしろこういう音に合致してはいるのでしょうが、やはりマーティのメロディアスなGソロとリフが炸裂するパワーメタルが聴きたかった。
もはや大佐の特異な声質も全く気にならず、むしろ快感とさえ感じられる今、4thは彼らの歴史の中では異端であることを否定しませんが、心の底では今でも25年前のあの奇蹟の再来を願っています。

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ヒゲ・スカイウォーカー  2015, 08. 10 [Mon] 06:36

kazz_asaiさん、

あ、タイトル駄洒落だ(笑)
4thだけ取り出してみると確かにキャリアの中で浮いているし、その前後のアルバムの折衷のようにも感じられます。丸ごとライブで再現しただけに、本人にとっても大事な作品なのでしょうが、それが「再来」するというのはどうなんでしょうね?あるとすれば、Kikoを擁する今のラインナップが一番可能性は高そうな気もしますが…。

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