JUDAS PRIEST「PAINKILLER」


JUDAS PRIEST「PAINKILLER」 (1990)

『メタルゴッド再発見』集中連載の第10回。
Drに元RACER XのScott Travisを迎え、格段にメタル度を上げた“メタルゴッド”がその攻撃力を研ぎ澄ませた結果生み出してしまった化け物アルバム。今さら私ごときが言うまでもなく超名盤。言うまでもなくって言っちゃったけど。メロディアスであってもかつてのロマンティシズムはほとんど感じられず、ギターは弾きまくりだけどクッサクサ・ツインリードは控えめ。ノリノリというより押せ押せ。彼らの歴史の中では異色の作品かもしれないですね。20年以上前の作品なのにまるで古さを感じさせず尖鋭的です。時代を超越してるってことでしょうか。プロデューサーのChris Tsangaridesが、有機的ながらも攻撃性を一切殺いでいない理想的な音を封じ込めている。あと、スラッシュ・メタルからの影響下にあるはずなのにあまりスラッシュ聴いてる感じはしないんですね。○○メタルとかカテゴライズするんじゃなく、とにかくメ・タ・ル。鍛えぬいた日本刀の様な切れ味のピュア・メタル。
また、似たような曲が並んでもおかしくない作風ですが、各曲のキャラ立ちが抜群に良いのが本当に驚きです。一曲ずつ触れちゃおうかしら。

①Painkiller…初めて聴いたとき「This is a pen, He is Ken」並の英語にちょっと引き、そのヤケクソっぷりにドン引きしたタイトル・トラック。怒涛のDr、唸りをあげるリード・ギター、空間を切り裂く金切りVo。堅実なIanのベース以外はもはや凶器。中間部のGlennのギター・ソロが音色・フレーズ共に信じられないほど尖ってる!ひしゃげたようなK.Kのエンド・ソロもぶっ飛び過ぎ。もちろん全て褒め言葉です。絶大な破壊力を持つ名曲中の名曲。
②Hell Patrol…こんな変な曲名と歌メロ、プリーストくらいしか思いつかんでしょう。しかしこれが素晴らしいんです。
③All Guns Blazing…いきなり炸裂するRobのアカペラ・シャウトに笑ってしまう。正に速射砲をぶっ放されるような曲調。暴れ回るGlennのソロも鬼気迫る迫力。思わずヘドバン。
④Leather Rebel… Robが中音域中心に歌うストレートなメタル。
⑤Metal Meltdown…濃縮還元100%ピュアメタル。タイトル・トラックに次ぐヤケクソ指数を誇ります。「Out of control~」のブリッジが恐ろしくかっこいい。
⑥Night Crawler…暗めの雰囲気のキャッチーな名曲でアルバムを折り返し。メロディ運びがとにかく絶品です。
⑦Between The Hammer & The Anvil…メロディアスかつ勇壮な曲調が「オラ、ワクワクすんぞ!」って感じ。ソロもいい。
⑧A Touch Of Evil…このアルバムで唯一のスローテンポの曲ですが、邪悪度ではタイトル・トラックに引けを取らない名曲。同時に荘厳で妖艶な魅力があります。この曲のソロはGlennのベスト・ワークだと思います。ソロの後のRobの慟哭のシャウトも凄まじい。
⑨Battle Hymn⑩One Shot At Glory…威厳と共に爽やかさすら感じさせるクロージング・ナンバー。Gt2人もここぞとばかりに弾きまくる。

多くの方が言われる通り、アルバム後半で英国叙情溢れる様式美が顔を出す構成のアルバムです。気迫漲りアグレッション全開の前半はもちろん素晴らしいんですが、しかし本作がここまでの名盤たりえたのは後半の流れがあってこそだと思います。
無慈悲なPainkillerと先発隊が敵地を襲来、破壊の限りを尽くし陥落(All Guns Blazing~Metal Meltdown)、やがて夜が訪れ(Night Crawler)、ラスボスというか司令官(A Touch Of Evil)率いる本隊が焦土と化した地にその姿を現す。One Shot At Gloryは勝利を告げるアンセム。
みたいなイメージが浮かぶんですわ…。

【お気に入り】
全部っす。選ばなきゃダメっすか?
じゃあ、
①Painkiller → PV
ヤバいヤバいヤバい、Robの目付きが危なすぎる!目を合わせちゃダメ、絶対!
⑧A Touch Of Evil
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