兀突骨「影の伝説」

兀突骨_影の伝説
兀突骨「影の伝説」 (2013)

国産ブルータル・デスメタル・バンド、兀突骨の2ndアルバム。バンド名は「ゴツトツコツ」と読みます。
今年4月のTHOUSAND EYESのデビュー・アルバムのレコ発ライブで観た時に物販で買ったCDです。随分と記事にするの遅くなっちまいましたなー。

高畑治央(Ba&Vo)、中澤洋隆(Dr)、高橋篤志(Gt)というトリオ編成で、すべて日本語詞(非常に聴き取りにくいが/苦笑)によるデスメタル/デスラッシュです。リーダー高畑によるスラップ奏法を大胆に取り込んだ多彩なベース・プレイが非常に特徴的です。Gtが1本ということもありそれが目立つこと目立つこと。

全体の尺が75分、5分以下の曲は無し、3曲が8分超えという、こういったジャンルとしては異例なほどの大作主義。ですが、それがマイナス点にならないのは、バンドの優れた演奏力と楽曲構築能力ゆえでしょう。デスメタル/スラッシュメタルをさほど聴いていない私でも割とサラッと聴けてしまいます。

リフと曲展開。肝はこの2つだと思います。リフは非常によく練られていますが、Gtだけがザクザク刻んでるんじゃなくて、BaとDrと一体となって次々とその姿を変えていくように展開してゆくのがミソ。突っ走っている曲調の中での<高速リフ→高速リフ>という展開でも、キビキビしたリズム・チェンジによって瞬時にギアを変えてまったく別の走り方になっているように感じられます。メンバー3人が3人とも高レベルの技巧を持ち、その実力が均衡しているがゆえに生み出せる緊張感が堪りません。
歌詞に表れているように無慈悲で苛烈に疾走する場面が多いですが、所々顔を出すキャッチーとさえ言える掛け声パートや、正統派HMへの憧憬を封じ込めたGtソロ、リズミックなスラップBaが強力なフックとなっています。特に高橋の流麗なGtプレイは眩しく、オオッと身を乗り出すことしきり。

兀突骨全部入りな①復讐ノ祝詞、リズミックで引っ掛かりのあるリフを持つ③影ノ伝説、アルバム一正統派HMの魅力を放ちまくる⑨踊ル髑髏、泣きのエンドGtソロが素晴らし過ぎる⑩最後ノ落日あたりが私のお気に入りです。

ボーナス・トラックの⑪吹けよ風、呼べよ嵐は勿論、PINK FLOYDOne Of These Daysのカバーですが、これが原曲の面影は残したまま、かつ風力大幅アップ、風吹き過ぎ、嵐呼び過ぎです(笑)。広大な地平線の向こうからハリケーンが近づいてくるような曲調が◎。

インパクト抜群、聴き易さも抜群な力作。いいよ、コレ。


劉備!曹操!孫権!
諸葛亮!司馬懿!陸遜!

いや、兀突骨、三国志なだけにね…。

【お気に入り】
⑩最後ノ落日
⑨踊ル髑髏
③影ノ伝説
①復讐ノ祝詞 → PV

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COMMENT 2

ぜろorたけ  2013, 10. 26 [Sat] 06:22

75分という尺の長さを感じさせないとても良いアルバムでしたね。

高畑さんにヒゲさんの影の伝説レビューを見てほしいとお願いしたのですが、本当に読んでくださったみたいで、とても喜ばれていましたよ。
次回作のモチベーションが上がったと言われていました。
有難き幸せ!

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ヒゲ・スカイウォーカー  2013, 10. 26 [Sat] 21:39

ぜろorたけさん、

楽曲展開の見事さゆえですね。

たけさんから高畑さんに(ウチの記事を)薦めていただき、こちらこそ“有難き幸せ!”ですよ。
基本、自分自身の為と、私と似たような嗜好のリスナーに向けて書いていますが、アーティスト側にも響くものがあるのであれば、それは幸せなことですね。

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