ORIANTHI「HEAVEN IN THIS HELL」


ORIANTHI「HEAVEN IN THIS HELL」 (2013)

オーストラリア出身の女性ギタリスト、ORIANTHIのアルバム。「BELIEVE (Ⅱ)」(2010)は企画盤だったから、実質「BELIEVE」に続く3rdかな。私が買ったCDは上のような表ジャケでしたが、下のようなものもある。
orianthi_heaveninthishell2.jpg
こっちの方が断然かっこいいよねぇ…(涙)

彼女って特別美人ってわけじゃないし、「orianthi」で画像検索掛けるとあまりイケてない写真もバンバン出てくる(笑)んだけど、何故か魅かれるんだよな。可愛くないんだけどカワイイ。サマソニで広いステージをチョロチョロ走り回ってた姿を見ちまったからか?

しかし、この新作はカワイイというよりかっこいいですね。明らかに前作「BELIEVE」とは作風が異なり、売れ線の音じゃなくなってる。ブルージーでどっしりとしたアーシーな骨太“ロック”。語りSEに導かれて①Heaven In This Hellが始まった瞬間からギターが吼える吠える咆える。
しかしこのGtの音、めちゃめちゃ良いなぁ。録音状態も良いんですが、音作りが生々しくて図太く官能的なトーン。ギターを弾く人の多くが憧れるようなサウンドのプレイだと思う。少なくとも自分は「こんな音を出してみたい!」って思いますね。ギター弾けないけど(苦笑)。その音作りのせいもあるかもしれませんが、ギターの存在感が格段に増しており、圧倒されます。アコギなんて目の前で一音一音弾いてるように感じますし。

ブルーズの要素が増したからか、既視感というか既聴感(?)を感じる場面もしばしば。キメのフレーズとかにブルーズのフォーマットに忠実に則っているような、王道っぽさが散見されて、「これ、ほんとにオリジナル曲か?」なんて思ったりも…。ブルーズをほとんど聴いてない私に“ブルーズらしさ”なんて分からないんですけど(苦笑)

このアルバムの方向性、決して付け焼刃じゃなく“板に付いてる感”が現出しているのも頼もしい限りですが、これ、ポイントはGtだけじゃなくてヴォーカルですね。彼女自身のVoの表現力向上が著しく、Gtの腕前を追っかけ追い越せとばかりに第二の武器になっている様子。
個人的にはこのアルバムの方向性や曲調、本来苦手なはずなんだけど……彼女のVo(とGt)で聴くとコレ、かっこいいなぁ(笑)。重いだけじゃなくってちょろっと軽やかなコーラスだったり、クリーンなアルペジオを入れたりと、無骨なだけじゃなくて意外に細やかなアレンジが効いているからでしょうか?プロデュースを始め、曲作りまで深く関与しているDave Stewartの功績かもしれません。


彼女、今28歳か。
本作を聴いていると、ちょっと生き急いでるというか、渋くなるには早過ぎるような気がします。本作の出来の良さを受け止めた上で敢えて言いますが、この作風が、この年齢の今の彼女じゃなきゃできない事なのかは少々疑問ですね。ALICE COOPERを始めとするオッサンとの共演で急速にギタリストとして、いちアーティストとして目覚めたものがあったのでしょうか?
次作がどうなるか、非常に興味深いですね。前作と今作とのバランスをとってくるのか、この路線を推し進めてグゥの音も出ない程圧倒するのか、コケるのか(それは困る)?

私は「BELIEVE」から彼女を聴き始めたし、歌モノ大好きなので圧倒的に前作を推しますが、彼女の個性がドンッって前面に出ているのは本作かもしれません。「曲」を聴く前作、「音」を聴く今作って感じ。
個人的にはもうちょっと流れるようなメロディアスさと勢いと快活さが欲しいかなぁ。次は前作&今作の合わせ技で頼む。そしたらウチのブログ的傑作が誕生する予感。


【お気に入り】
⑦Rock
曲名は“ロック”だけどアルバムの中では一番“ポップ”なメロディ。ファルセットの捌き方が素晴らしく、お洒落な聴き処になっています。こういうの、日本人でなかなか上手くこなしてる人いないような気がする…。バックのGtもよく歌ってますね。
④If U Think U Know Me
弾きまくり泣きまくりなエンドGt!

Gtと同等に自然体で穏やかな彼女のVoに焦点を当てた⑧Another You⑨How Does That Feel?のライブを意識した静→動へのダイナミズムも良いですね。
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COMMENT 4

フレ  2013, 04. 12 [Fri] 22:23

来たねぇ〜

新作出たばかりで次作は?なんて野暮野暮♪
エロいギターの音がやっぱり響くのがよろしいね〜。
フレーズも官能的だし、もう何演っても許します。
ただ、アルバム一枚聴くと途中ダレるんで名盤作ってほしいな〜。

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ヒゲ・スカイウォーカー  2013, 04. 13 [Sat] 20:38

フレさん、

「何演っても許す」ってフレさん、メロメロじゃないですか(笑)

本作での成長を目の当たりにすると、どうしても“その次”が気になっちゃうんですよね~。ちょっと「コケないでくれよな」っていう祈りも含めて。

あれ、私もメロメロですかね?(笑)

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DD  2013, 04. 17 [Wed] 16:47

 確かにA.Cooperとやった割に、この音を聞くと、「?」となるのも無理ないですが、あまりにルーツに正直すぎかな、という感じがします(サンタナ等を好きなギタリストにあげてたし)

 聞きこめばいいのもいくつかありますが、もう少し快活さがほしい気もします、年齢を考えても。

 ライブをやってみれば(今のアルバムの)、今後どうするか見えるのかもしれません。

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ヒゲ・スカイウォーカー  2013, 04. 18 [Thu] 00:46

DDさん、

これはこれで聴き応えはあるんですけど、「快活さ」はもうちょっと欲しいですねぇ。

来日は決まっているんですけど、行くかどうか迷い中です。

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