THOUSAND EYES「BLOODY EMPIRE」

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THOUSAND EYES「BLOODY EMPIRE」 (2013)

国産メロディック・デスメタル・バンドのデビュー作。とは言え新人バンドではなく、メンバーは他のバンドでも活躍中の実力者揃い。
メンバーは以下の通りです↓
 DOUGEN(Vo/AFTERZERO)
 KOUTA(Gt/LIGHTNING, THOUSAND LEAVES)
 TORU(Gt/TEARS OF TRAGEDY)
 AKIRA(Ba/YOUTHQUAKE)
 JUHKI(Dr/KNIGHTS OF ROUND)

GtのKOUTAとVoのDOUGENが中心となって結成されたようですね。プロジェクトではなく“バンド”だそうで、このアルバムのレコ発ライブの予定も決まっています。若いメンバーが中心になっていることから、現役の、そして(過去の実績に頼ってではなく)現在を舞台に活動するような、そんな“今”の感覚が透けて見えるところが非常に良いですね。

このバンド結成の発表があった時、私はその構成メンバーに「オォッ!」となり、その音楽性はメロデスだろうな、と漠然と考えていましたが、正にこのデビュー作の作風は北欧由来のメロディック・デスメタル、でした。しかも期待を遥かに凌駕するレベルの超傑作。ジャケはテクデスっぽいですけどね。

収録曲は全て疾走チューン、と言ってしまってよいでしょう。AT THE GATESや初期THE HAUNTEDを想起させるデスラッシュに、ARCH ENEMYバリの泣きGtやMORS PRINCIPIUM ESTに似たテクニカルGtを合わせたような作風。テクニック、サウンド的には現代風にアップデートされているものの、曲自体にモダンさやアメリカナイズされた感触はありません。メタルコア誕生以前って感じ。
トリッキーなリフを持つ⑦Divided WorldのみTORU作曲、他は全てKOUTA作曲。作詞はDOUGENもしくはKOUTAが担当しています。⑨Eternal Flameのみ一部日本語詞がありますが、基本全て英詩。
2ndアルバムではより曲調に幅を持たせてくるように思いますが、デビュー作のコレは潔いまでに走る走る駆ける駆ける。でもこれで正解。デビュー作ってのは全体のバランスより勢いやコレっていう強みを前面に出す方が大事だったりするので、よりインパクトを与えられるこの作風は大歓迎です。

全て勢いのある曲ながら、リフによる感触の違い(ex:正統的な④Shades Of Black,、明朗な⑥Sign)や緩急のアレンジがよく練られているので、聴いていて飽きないというのも特筆すべき点ですね。疾走曲中にスローダウンパートを挿入することによって勢いが殺がれて逆効果になることがままありますが、本作はそんなこともなくスローダウンパートもしっかりとドラマ性の演出の一部になっています。
最大の聴き処はKOUTAとTORUによるギター・ワークであろうこと確実ですが、2人が得意とする泣きのソロだけでなくリフに関しても相当優れているので、リフとソロのバランスは非常に良好。
また、いずれの曲もサビメロが強力というのもポイントで、「ここがサビだ!聴きやがれ!」って具合に分かり易く盛り上げるアレンジになっているのもツボ。


クサいメロディのメロデス・バンドと言えばVEILED IN SCARLETが思い浮かびますが、あちらがクラシック音楽に通じるメロディ使いであり、ピアノ(=鍵盤)を使って作曲してるような印象が強い(実際、どうかは分かりませんが/汗)のに対し、このバンドの泣きメロは完全にギター由来。ギター・アルバムって感触ですよ、思いっきり。

そのVEILED IN SCARLETのライブにゲストVoで参加したのを観て、そこでの素晴らしいパフォーマンスに(私が)感銘を受けたDOUGENですが、彼の踏ん張り無くてはここまでの傑作足り得なかったと言い切れます。これほどまでメロディが泣きに泣いている作風であるのに「軟弱」とも言えそうな雰囲気が皆無なのは、(強靭な演奏は勿論)DOUGENの迫力ある咆哮のお蔭だと思います。SOILWORKのBjorn“Speed”Stridからクリーン・ヴォイスを抜いたようなタイプの器用さがあるし、慟哭を封じ込めるエモーショナルな歌唱は勿論、声から感じとれるちょっとしたハードコア成分みたいなものが上手くガテン系というか頼りになる感を醸し出してて、出音全体を硬派路線へズズズッと持っていってるよう。


いやぁ、凄いわコレ。

このクオリティの高さは、「Youヴァッケン出ちゃいなよ」ってレベルですし、メロディック・デスメタルというジャンルの数々の名盤を過去に葬り去るほどのインパクトに満ちた必殺の一撃!(……言い過ぎたか?/汗)

【お気に入り】
⑤Dead Night, Moonlight
爆走デスラッシュ!ピロピロGtをバックに吼えまくるサビの迫力とカッコ良さに悶絶。TORU→KOUTAへと鮮やかにリレーされるソロも◎
①Bloody Empire
キラー・チューンっていうのはこういうのを言うんだなぁ。溢れ出る慟哭Gt。
⑨Eternal Flame
小気味良い王道リフに力強い歌唱とメッセージ。眩しいくらいの美旋律を奏でるKOUTAのGtは間奏、エンド・ソロ共に素晴らしい。
⑧Cardinal Sin
分厚いコーラスのサビ!歌詞もイカす。
②Last Rebellion
キャッチーとさえ言えるサビメロと歌いまくるGtソロ。

③God Of Blindもいいよ。
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COMMENT 4

スパイシー  2013, 04. 01 [Mon] 22:15

お久しぶりです

久しぶりのコメント失礼します。

Thousand Eyes評判いいみたいですね
Thousand Leavesの方はご存じですか?同人ですけど、Thousand Eyesよりもメロディがクサめで、こっちもおススメですよ!音質はちょっと悪めですが…

ちなみに私はGod Of Blindが一番好きです(笑)

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ヒゲ・スカイウォーカー  2013, 04. 02 [Tue] 21:22

スパイシーさん、

お久しぶりです、ありがとうございます!

千眼はかなりの衝撃でした。
千葉(笑)の方は名前だけは知ってますが未聴ですね。KOUTAの盟友、IRON-CHINOのIRON ATTACK!はベスト2枚を買いましたが…。

同人は機会を逃すとなかなか手に入らなかったりして、そのうち忘却の彼方へ…みたいになっちゃうんですよね。

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kazz_asai  2013, 04. 02 [Tue] 22:48

東方の神秘

THOUSAND EYES、まだ冒頭の曲しか聴いていませんが流石のクオリティですね。メロディアスよりもアグレッシヴな面を強調したところに、各メンバーの出自を活かしながら更なる高みへと向かう姿が窺われます。
ところでIRON ATTACKもTHOUSAND LEAVESもGは非常にカッコいいのですが、これらは基本的に同一モチーフなので自分は今ひとつ熱中できません。
そもそも一連の東方関連の原曲を知らないので致し方ないのでしょうが…しかしUNLUCKY MORPHEUSは女神Voの存在で唯一無二の存在です。

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ヒゲ・スカイウォーカー  2013, 04. 04 [Thu] 20:56

kazz_asaiさん、

このバンドは、アグレッシヴな演奏陣にVoがまるで引けを取っていないところも素晴らしいと感じています。
初ライブはこれからなので気は早いですが、大いに今後の活動を期待したいところです。

同人関係、私はふっきー関連とあとは少ししかチェックしていませんね~。

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