STURM UND DRANG「GRADUATION DAY」


STURM UND DRANG「GRADUATION DAY」 (2012)

フィンランドの若手HR/HMバンド、STURM UND DRANG、久しぶりにリリースされた3rdアルバム。前作が2008年だから4年ぶりですね。その前作「ROCK 'N ROLL CHILDREN」の記事で私が「今なにやってるんだろう?」と書いちゃうくらい(日本での)露出や話題が少なかった彼らですが、昨年の暮れにこれまたひっそりと地味に(苦笑)リリースされていた本作。
ここ日本での話題性で言えば、現役高校生バンドとしてデビューした2007年をピークに右肩下がりな彼らですが、アルバムのクオリティの方は反対に上がっています。コレ、良いです。かなり気に入りましたよ、ワタクシ。

イケメン・フロントマン、Andre Linman(Vo&Gt)と共に複数名の外部ソングライターによって作られた楽曲は、80年代風HR/HMにフィンランドらしいメランコリックなメロディをふんだんに取り込んだ前作の延長線上にあります。引き続きプロデュースを手掛けたJimmy Westerlundは、半数以上の楽曲に絡んでいます。この人、過去にNEGATIVE「NEON」とかCAIN'S OFFERINGのデビュー作等に関わっているみたいですね(「NEON」では作曲も)。最近は北欧作曲請負人のような感もあるErik Martensson(ECLIPSE, W.E.T.)も参加、強力な助っ人となり良曲を産み出す手伝いをしています。

作風としては1,2作目よりも落ち着いて、しっとりしてます。成熟してきたと言っても良いかもしれません。Andreのヴォーカルもナイーヴな甘さだけでなく芯が太くなって頼もしくなってきました。反対に、若さに任せた“勢い”と攻撃性は減退しており、その点を不満に思う方もいるかもしれません。音作りのせいかリフがやや弱めに感じられたり、適度な明るさや華やかさもあるので、メタルというよりハードロック/ハードポップ的な感触かな。それでもGtソロの入りとかは「これでも聴きやがれ!」って感じの派手さや良い意味での押し付けがましさがあり、メタルっぽくてよろしいです。曲トータルではミドル・テンポの楽曲も、間奏ではグッとアクセルを踏み込んだようなアレンジだったりして、全体的には緩急のスピードコントロールに長けてきた印象。
Drの演奏が少々無表情だったり(音自体は好み)、アルバム後半の曲が少々インパクト弱い気がしますが、重厚かつキャッチーに幕を開ける佳曲①Your Love Is For Saleから湿度の高いKeyによる幽玄な雰囲気の⑩Light Years Apart(間奏からのテンポアップに興奮!)まで、メロディの充実した楽曲が並ぶ優れた作品だと思います。個人的にはメロディが自分のツボに入りまくりなので、上記不満点はほとんど気にならないってのが実情です。

以下の曲がお気に入り過ぎて、もうどうしたらいいのか分かりません。
②Dark Little Angel Of Mine
上記スピードコントロールの巧みさが非常に分かりやすい形で現われた曲。ドラマ性を高めるのに「ベタ」とも言える『2番ヴァースからのテンポアップ』という手法ですが、これがめっちゃ効果的なんだからしょうがない。陰りを湛えた切な過ぎるメロディが最高。
③Molly The Murderer
リーダー・トラックとなったバラード。これぞ北欧、これぞフィンランドな泣きメロ。激情を秘めながらも、それを抑えた歌唱が◎。Andreはほんと良いヴォーカリストになってきたと思う。
⑤Hammer To Fall
前作収録の名曲Break Awayを想起させる疾走チューン。これもまた名曲!本作で一番メタル度数は高い曲かな。サビメロ、激キャッチー。めっちゃ鼻歌で歌っちゃうほど。
⑦Fatherland
スピードに頼っていないドラマティックな旋律がジワジワくる。威厳さえ感じられるよ。成長したなぁ。ソロ→ツインのハモリという流れのGtソロも熱い!
ああ、あと④Luckyも80年代アメリカの雰囲気が味わえて(←適当ぶっこき)◎です。

非常に成熟した姿を見せてくれた会心作で、おじさん嬉しいよ。
2012年の年間ベスト記事から取りこぼした感は、非常にあるわぁ (。´Д⊂) ウワァァァン!

【お気に入り】
ほぼ全編好きですが、特に↓
⑤Hammer To Fall
②Dark Little Angel Of Mine
③Molly The Murderer → PV。
⑦Fatherland
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