JUDAS PRIEST「SAD WINGS OF DESTINY」


JUDAS PRIEST「SAD WINGS OF DESTINY」 (1976)

『メタルゴッド再発見』集中連載の第1回はこれ。JUDAS PRIESTがヘヴィ・メタる前のブリティッシュHRの名盤(とされている)。ジャケットが非常にかっこいいですね。モチーフといい色使いといい、天使くんのヘアスタイルと表情以外は完璧。アルバム・タイトルもクサ過ぎです。バンド・ロゴはカクカクする前のもので、威厳と気品のある字体が音楽性にマッチしていて非常に良いと思います。

しかし肝心の中身が、①Victim Of Changesからいきなり手強い。ヘヴィなリフが刻まれたと思ったらRob Halford(Vo)がエキセントリックな声で変な歌詞の奇妙なメロディを歌い始める。その後もどこに向かっているのか分からない楽曲展開の中、Robが1曲目にして金切り声やら唸り声やら、ありとあらゆる歌声を披露しまくる。この“何をしでかすか分からない”ヴォーカルはSCORPIONSにおけるUlrich Roth(Gt&Vo)をメチャメチャ上手くしたような感触がある、なんて言ったら怒られるでしょうか…。この記事を書くにあたって何度も繰り返し聴いてみましたが、さすがは私がプリーストで一番理解できない曲だけはあって、やはり理解不能でした。空耳「言え!フルネーム!こいつぁ、ハゲだ!」も含めてヘンな曲だった、というのが感想です。まぁ繰り返し聴くことができるので不思議な魅力があるのかも……。
しかしヘンな曲はこれだけに止まらない。続く②The Ripperもかなりヘンだ。何度聴いても冒頭「you’re in for a shockァア~↗」のところで笑ってしまう。「Or if you like, Jack the ナイフ?(語尾上げ)」も同様。ツインギターがかなり印象的で中毒性があって、妖しい(怪しい?)この曲、好きです。⑧Epitaphも場違い感満点という点でヘン。良い曲だけど。⑨Island Of Dominationでのドスの効いたRobの「island of ドミ・ネェイショオオン」も笑ってしまいます。
③Dreamer Deceiverは何しろ叙情的なギター・ソロが素晴らしい。特にソロ終盤~Robのハイトーン~ピアノの流れのクライマックスは最高。だが、そのままノリノリな④Deceiverに繋がっちゃうので余韻に浸れない…(涙)
そしてこのアルバムで一番好きなのは⑥Tyrant。早口なRobもヤル気のない「タ~イラント」もニヤリとさせられるが、繊細なツインギターのハモリから「Mourn for us~」の部分はさすがです。

アルバム毎に(と言って良いと思います)作風を変えて、時代を先取り、というか切り開いてきたJUDAS PRIESTですが、1976年のこのアルバム時点では後の“メタルゴッド”の要素はあまり感じさせない(Tyrant等で見られるツインギターは後に全面開花しますが)、プログレッシヴ・ロックっぽい翳りのある英国HRです。私にとっては「ヘンだけど憎めないアルバム」でした。割とトレイに乗せる回数多いですし。

【お気に入り】
⑥Tyrant
③Dreamer Deceiver

【ヘンな曲】
①Victim Of Changes
②The Ripper
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