TAI PHONG「TAI PHONG」


TAI PHONG「TAI PHONG」 (1975)

TAI PHONGの1st。なんて独創的で美しいジャケなんだろうか。
フランスのバンドと言えばHEAVENLYMANIGANCEATOLLMAGMA等々いますが、私が初めて知ったフランスのバンドがTAI PHONG。と言っても彼らはフランスで結成されたってだけで、中心人物はベトナム出身の兄弟だったりするのですが。B!誌の70年代の名盤特集で知りました。

伊藤政則氏が「その夜、幸福感に満ちた至上の感動が、心ばかりでなく、僕の住んでいた下落合の狭いアパートの部屋を独占した」と書くくらい気合の入った解説を寄せている事実からも、その音楽性はある程度想像できちゃう。“泣き”に拘った歌メロと演奏、美しくも儚げなコーラスワーク、各種Keyを使いこなすカラフルなアレンジ、技巧はあるけどあくまで軽やかなサウンド。主にプログレッシブ・ロックのファンにアピールする音ですが、淡い泣きメロが好きな人ならマスト!

シングルにもなった②Sister Janeは有名ですね。繊細なハイトーンVoによる所謂“歌モノ”ですが、その泣きっぷりは演歌や70年代SCORPIONSに通じるものがあります。最高。この曲だけ聴くとフォークというかグループ・サウンズのように聞こえますが、それはTAI PHONGの単なる一面を示しているに過ぎません。
軽やかな展開美の①Goin' Awayから始まるコンパクトな前半3曲に対し、後半3曲はプログレ・バンドらしい長尺の曲が並びます(他にボーナス・トラック2曲有り)。しかし、あくまで曲を先導するのはテクニカルな演奏のぶつかり合いではなく緻密に構築された展開と美しいメロディ。特に、曲後半の宇宙を感じさせるような壮大な広がりのあるサウンドが素晴らしい⑤Fields Of Gold、11分半に及ぶ⑥Out Of The Nightの泣きのGtソロ後の圧巻の終幕は白眉。

全体的にはイギリスのプログレッシブ・ロックよりも泣きの要素は多いと思います。日本人好み。あ、冒頭でフランスの話題を出しましたが、他のフランス産プログレ・バンドとはほとんど重ならない音楽性だと思います。

【お気に入り】
②Sister Jane → た、TAI PHONGが動いてるぅ!
⑤Fields Of Gold → YouTubeの音源。
⑥Out Of The Night → YouTubeの音源。
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COMMENT 6

クリタカ  2013, 01. 23 [Wed] 23:34

タイフーン

 重金属でタイフォンとはお珍しや。1st,2ndはかなりのお気に入りです。三枚目でズッコケて、まさかの2000年発表四枚目の「Sun」はおおよそ彼等のイメージから遠く離れたヘタレAORと変貌を遂げました。でもいいのです。最初の二枚がある限り、このバンドは私にとって永遠のフェバリットであり続けるのです。
 70年代フランスのバンドが英語の曲で世に打って出ることは大変珍しい出来事でした。動くタイフォン...何か感動しますね!

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kazz_asai  2013, 01. 24 [Thu] 00:17

時の流れの中に

昔、プログレを聴き出したばかりの頃に「音楽専科」で伊藤正則氏が非常に推していて買いました。同誌で佐藤斗司雄氏が絶賛していたNOVALISも同時に買ったような記憶があります。
1stの1曲目「Goin'Away」の劇的な展開にはほんとうに魅了されたものです。2ndは「St.John's Avenue」が好きだったな…
私は幸か不幸か3rd,4thを未体験です…いつか聴くべきでしょうか?

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ヒゲ・スカイウォーカー  2013, 01. 24 [Thu] 20:25

クリタカさん、

プログレに短し重金属に長し(?)なブログなのでこういうのも聴きます。
2ndも1st同様の作風で素晴らしいですね。私は3rd&4thは未聴です。4thのジャケでは件の武士殿が何故か自信満々ですよね。しかし「ヘタレAOR」とは(笑)

言われてみればフランス産で英語で歌うとは珍しいですよね。その点から言っても特異なバンドだったのかもしれませんね。

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ヒゲ・スカイウォーカー  2013, 01. 24 [Thu] 20:35

kazz_asaiさん、

2ndでは浅井さんの挙げられたST. John's Avenueと1曲目のWhen It's The Seasonが特に気に入っています。

私も3rd,4thは未聴なのです。3rdは評判悪いしジャケもアレだし(笑)で、4thはなんとなくスルーしてしまいました。伊藤氏はB!誌の年間ベスト記事で4thからのFly Awayという曲を選んでいましたが…。

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フレ  2013, 01. 24 [Thu] 22:19

久々に

ジャケット見た♪
また聴きたくなってきたが、今はなかなか難しいんで、空想してます。
フランスながらベトナム人、って時代的にもかなり珍しい希少種な話なんじゃないかとか思ったりしてて、しかもこの音ってのが面白いんだろうな、と。
それにしても言葉が少ないアルバムってのはここでは珍しいのではないかと…。

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ヒゲ・スカイウォーカー  2013, 01. 25 [Fri] 20:42

フレさん、

ベトナム人のアーティスト自体この人達しか知らないですねぇ。
「フランス」→「ベトナム人」→日本人好みの音、ですから意外性ありますよね。

記事はたいてい簡潔に書こうとしてるのですよ(笑)長~くなっちゃう時があるだけで。あと、古めの音源に関しては、私自身あまり語る言葉を持ってないというのがありますね。

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