堂場瞬一『雪虫 刑事・鳴沢了』

堂場瞬一_雪虫
堂場瞬一『雪虫 刑事・鳴沢了』 (中公文庫)

堂場瞬一の警察小説、鳴沢了シリーズの1作目、『雪虫』を読みました。
警察小説に興味を持ってそこらへんの作品をウロウロしてると目に留まるのが、堂場瞬一。何だかシリーズものを書いてるなぁという印象はあったものの、今まで手に取ったことはありませんでした。多分、どこから手をつけたら良いか分からなかったから…。あとこのシリーズ、漢字2文字のタイトルばかりで取っ付きが悪いのよね。

俺は刑事に生まれたんだ…祖父・父を継いで新潟県警捜査一課の刑事となった鳴沢了は、晩秋の湯沢で殺された老女が、かつて宗教教団の教祖で、五十年前に殺人事件に関わったことを突き止めた。了は二つの事件の関連を確信するが、捜査本部長の父はなぜか了を事件から遠ざけるのだった。正義は、そして歳月は、真実を覆い隠すのか?新警察小説

なかなか面白かったが、これがシリーズ1作目とは…、


以下、人によっては「ネタバレ」と感じる部分があると思いますので、ご注意ください。
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コレ、もともとシリーズ物を想定して書かれた作品なのかなぁ?確かに意味不明に登場するだけの人物が存在して、その説明は次作以降に持ち越し(してもらわなきゃ困る)、って部分はシリーズ物っぽい。しかし、この袋小路に入ってしまったような結末(なんせ、主人公・鳴沢了が警察辞めちゃうんだから)はとても1作目とは思えんほど重~い。主人公の故郷・新潟を舞台にし、鬱屈した空気を感じさせる本作と異なり、次作(以降?)は東京を舞台にするらしいので、どう雰囲気が変わってくるのかも楽しみですが。

ややテンポが悪い、主要人物以外の名前が頭に入らない(そりゃ私の問題か?/笑)、展開がありがち、恋愛描写が読んでられない程ダメダメ(了の幼馴染・喜美恵、コイツなんでこんなにムカつくんだろ?)、そもそも主人公の鳴沢了がイヤな奴なんだ、とマイナスな点ばかり浮かんできますが(苦笑)、大絶賛できないものの私は何だか嫌いになれない。
鳴沢了の、「何が何でも犯人を追いつめる」という目的に全てが向いているような人物設定は、とても読者の共感を得るようなヒーロー物ではありえませんが、私はそこに魅かれます。強い拘りのある主人公ってのは読んでてなかなか面白いし。実際に付き合いたくはないけど。そして2作目以降、どのように了(の性格)が変化するのか、それとも変化しないのか、楽しみなところです。

今回の了の相棒である所轄署の若手・大西の成長過程と、了とのコンビっぷりも読み処。
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