三上ちさこ「tribute to…」

三上ちさこ_tributeto
三上ちさこ「tribute to…」 (2012)

2005年に解散し(私の中では)伝説のバンドと化している、仙台出身のロック・バンド・fra-foa(フラホア)。そのメイン・ソングライターにしてヴォーカルの三上ちさこ、久々のソロ、4曲入りミニアルバム。2ndソロ・アルバム「Here」も2005年リリースだったので、実に7年ぶりのCD作品ですね。
正直ここ何年かは彼女の動向を追っかけていなかった(というか存在を忘れてた/汗)のですが、ふとした折にその名前を見かけ、HPをチェックしてみたら新譜(=今作)が発売されてるじゃないの!?かつてのフラホアン(勝手に命名 by 俺)としてはここで素通りするわけにはいきますまい。即効ゲットですわ。

実験的なサウンドだったソロ・アルバムの2作とは異なり、少しfra-foa時代に戻ったかのような作風。余計な贅肉を削ぎ落とし、シンプルに彼女の声を生かした音作り/曲作りのロックを聴かせます。バンドでなくソロ名義なので、fra-foaよりは演奏陣が一歩後ろに下がっているような音像に思いますが。因みにマスタリングを手掛けたのはかつてのfra-foaのBa、平塚学。

自身を赤裸々にさらけ出す様な無防備で、ある意味痛々しくもある歌唱。それだけに真っ直ぐ響いてくる魔力が彼女の声にはあると思います。ライブでは曲の途中で声が嗄れたり、歌詞がぶっ飛んだり(笑)と、技術的には突っ込むべきところがありますが、技術を超えた“何か”を秘めた声、凛とした切迫感・緊迫感、今にも壊れそうな、砕け散りそうなギリギリっぷり、でもそのド真ん中には芯の通った強さがある。そんな彼女の声が私は大大大好きですね。
fra-foa時代のセルフカバーの歌詞に「命を削って燃やすよ」とあるように三上ちさこは、自分のその身を削りながらそれを燃料にして歌ってるようにも思えてきます。だからあんなに痩せてるのか?(苦笑)“ヴォーカリスト”というより“歌い手”って表現が似合うなぁ。


①アザミノ(痣身の唄) → ライブ映像。
これぞ三上ちさこ。そして、これぞかつてのfra-foaが纏っていた空気と独特の疾走感。もっとパンキッシュに、もっとメロコアっぽくなってもおかしくない曲調なのに、何故か別の場所に着地するという三上マジック。ベースのメロディアスなランニングも素晴らしい。名曲認定しちゃいたい。
女性Voが一人称を「僕」二人称を「君」って表現するのが好きなんですが、三上ちさこの「僕」と「君」の響き方はとりわけ好きですね。

②life
バラード。一貫して「生への肯定」「命を感じること」を歌ってきた彼女のモチーフは、この曲にもしっかり現れている。Gtソロが絶品。

③澄み渡る空、その向こうに僕が見たもの。
先述の通り、セルフカバー。ライブ感を意識した生々しい仕上がりですが、ディストーションGtというよりはちょいジャジーに弾む感じ。でも整っていなくて、ラフでゴツゴツしてる。Voはライブでの彼女の歌唱に近いですね。自分自身に気合を入れるようなシャウト気味な発声も有り。
原曲のPV → コチラ。日本ロック史に残るべき超名曲!

④wallless → ライブ映像。
凛と透き通った声によるバラード。この痛々しさの中にある優しさこそ、三上クオリティ。オーケストレーションのアレンジが素晴らしく、彼女の声を殺すことなく際立たせています。この曲、泣いたわ。

わずか4曲ですが非常に充実した内容です。フルアルバム作って欲しいですね。

【お気に入り】
①アザミノ(痣身の唄)
④wallless


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