CROSS VEIN「Birth of Romance」


CROSS VEIN「Birth of Romance」 (2012)

皆様ご機嫌麗しゅう。管理人のヒゲスカでございます。
この度ご紹介させていただきますのは国産シンフォニック・メタル・バンド、CROSS VEINのデビュー・アルバムでございます。さてこのバンド、ツインギターに鍵盤奏者を加えた編成となっておりまして、………っていい加減この口調止めますが、先日11月3日のライブレポ記事で書いた通り、女性Vo・JULIA嬢の(ライブでの)話し方がこんな感じなのよ。

CROSS VEIN、メンバーはJULIA嬢(Vo)以下、Yoshi(6弦Gt)、TAKI(7弦Gt)、ISSEKI(Key)となっており、リズム隊はサポートです。ライブレポでも触れた通り、その音楽性はシンフォニック・メタルで、アレンジによってメロスピ寄りだったりゴシック寄りだったりします。耳触りの良い、J-POPやアニソンにも通じるようなキャッチーな歌メロで駆け抜ける曲が印象的ですが、メロスピ・タイプの曲であってもツーバスドコドコ疾走しっぱなしということはなく、多彩なアレンジとリズムチェンジで飽きさせません。方向性としてはVersaillesにKey奏者を加入させてゴシック・ムードを強化、ナルシシズムを差っ引いて、曲をコンパクトかつややヘヴィにした感じ?MCやバンド・イメージ等からは気品や高貴さを狙った世界観を意識しているように感じますが、それほどとっつきにくさは無く、分かりやすく親しみ易さのある音。個人的には勿論それはプラス要素。

JULIA嬢のVoですが、やや好みが分かれるだろうな、と思われる歌い方。特に高音パートでのクセのある歌い回しは苦手な人もいると思います。歌メロがかなりアップダウンの激しい、譜面におこすと音符がピョンピョン飛ぶようなラインをなぞるのも、その印象を助長させているかもしれません。ただし、薄っぺらくならない声でシアトリカルな歌唱をこなすその実力は確かなものだと感じますし、曲が求める世界観に応じて“華”だけでなく“蜜”や“毒”までも添えることが出来る柔軟性もあります。私は苦手どころかハマッていますね(笑)。(例えば)Andre Matos(ex:ANGRA, SHAMAN)よりは数倍聴き易いです。その表現力豊かで個性的なVoは、他のバンドと差別化を図る上で強力な武器であると思います。
このJULIA嬢のコブシを効かせた歌い回し、考えてみると「演歌」ですな。ベルばら的なドレスを纏っていながら「演歌」。「~でございます」口調でありながら、そのマインドは「義理と人情」「酒と泪」「男と女」にベクトルを向けていたのでした!(超強引&適当スマン)

耽美派シンフォニック・メタルの上に、この「演歌」Voが乗ると誕生するのは……、
さてご来場の皆様、シンフォニック・中世・演歌メタルの誕生でございます。
このCROSS VEINの演歌イズムが最も炸裂しているのが、⑦ever after。ゴシカル演歌の様相を呈しています。アルバム中最もドラマティックと言ってもいい曲で、荘厳なシンセとコーラスをバックにJULIA嬢が情念を込めて歌い上げる様が実に素晴らしい。短いながらもエモーショナルなGtソロも絶品。ライブでの演奏を聴いた私が「只者じゃない、ただのメロスパーじゃない」と思った曲でもあります。

この曲を含む全ての楽曲を書いているのはYoshi(作詞は全てJULIA)。彼の秀でたメロディ・センスと作曲能力により「Birth of Romance」は“捨て曲無し”どころか、秀曲だらけのアルバムとなっています。また、収録曲がバラエティに富んでいるにもかかわらず、アルバム全体の雰囲気に統一感や整合性が感じられるのがポイントで、このバンドはムードを演出することに非常に長けている印象です。これはISSEKI&JULIAの2人の貢献が大、なのではないかなぁ。

どの曲も甲乙付け難いので全曲メモメモ。
①Birth of Romance
雨音のSE、美しいシンセ、JULIA嬢の可憐なVoによる序曲。
②Noble Scar
強烈無比なシンフォニック・メロスピ・チューンによる最高の幕開け!「凛々しい」とさえ表現できそうな力強い歌唱とヒロイックなツインリードが映えるキラー・チューン。最後に爆発するクッサクサ・テーマメロディが卑怯なぐらいの煽情力。
③Obstructed melody
ヘヴィでモダンな感触のGtに乱舞するKeyを絡めたリフは、本作一のカッコ良さ。JULIA嬢のクセが最も目立つ曲かもしれませんが、比較的ストレートな歌唱の前曲とは異なって次々と表情を変えるVoが聴き処でもあります。ツインGtのハモり~Keyソロに流れていく間奏が聴き応え十分。
④Incomplete Requiem
シアトリカルかつドラマティック。芝居がかった曲調と山あり谷ありの展開。幻惑するKey(ラスト・サビ裏の畳み掛け、凄い!)に図太いGtと重苦しいリズム隊。語りやオペラティックな唱法等々、様々な歌唱法を駆使するVo。バンドの魔力に翻弄される1曲ですね。
⑤Protect the Core
分厚いコーラスとシンフォニックで大仰なイントロから、ヘヴィでゆったり揺蕩うヴァース&ブリッジへ。サビではテンポアップしてアニソンのような勇壮なサビと、ある意味分かりやすく聴き易い曲ですね。サビメロのカッコ良さは戒厳令レベル(ナニソレ?)
⑥Moon Addict
前曲から曲間なく雪崩れ込む展開が卑怯極まりない(笑)シングル曲。と同様JULIA嬢の様々な歌唱が楽しめます。『風の谷のナウシカ』的コ-ラスから2本のGtが絡み合う間奏へ、という流れが素晴らしいねぇ。
⑦ever after
上記参照のこと。ここまで突っ走ってきた感のあるアルバムの流れの中で、この位置にこの曲があることで生み出されるフックの大きさってのは相当なものがあると思うんですわ。
⑧Hidden Star
ツーバスドコドコ、メロスピど真ん中のキラー・チューン。ハモンドっぽいKeyの音が堪らんです。でもってラストは美しい響きのピアノに切り替えるんだから心憎い。流麗に流れるサビメロと、2本のGtが絡み合いながら疾走する間奏に興奮せずにはいられませんよ奥さん!
⑨The Mysterious Room
妖しい異形の美を描き出すヘヴィ・チューン。前述したムード作りの上手さが良く現れた曲で、アルバム後半の起伏ある展開の重心を担っているこの曲の存在がデカい。
⑩Sweet Spell
多彩なリズム・チェンジが目立つ、アルバムで一番モダンな感触の曲。そのリズムは時にブラック・メタル的でさえあります。切迫感を感じさせるメロディと目まぐるしい展開がヤケクソ気味に(褒めてます)アルバムのクライマックスを演出するかのよう。
⑪Lacrimosa
ピアノの端正な響きと哀切の歌メロが絶品のバラード曲。コレ、めちゃめちゃ好きだー!JULIA嬢の表現力が素晴らし過ぎ。Gtが歌メロを邪魔しないくらいの丁度いいバランスで主張してるので、軟弱さを感じさせないのも良いですね。Gtソロも◎

今年のシンフォニック・メタルの最高作、遂に登場か!?と言えるくらいの傑作デビュー・アルバムだと思います。
耽美な旋律を気高き貴方に(HMV online、JULIAのミニコラムをパクリんぐ/笑)

アルバムのOfficial Trailerは → コチラ。
⑥Moon AddictのPV → コチラ。
⑤Protect the CoreのPV → コチラ。

【お気に入り】
全曲良すぎてホントもう選べねぇっスよ、マジ勘弁してください。



※Yoshiはスター・ウォーズが好きらしいから絶対いい人だと思ってる(笑)
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COMMENT 8

DD  2012, 12. 07 [Fri] 19:18

 そういう音楽もいくつか持って、その印象を忘れて聞いてみましたが、Vo.がドイツの、最近20周年を迎えたAXXISのに似て、その女性版でかつこぶしを入れた印象ですね。

 印象として、「この唱法でやるなら、よほど努力しない限り、音楽性を狭めるのでは?」と感じました。もちろんうまいですよ、でも力を入れるところでなんだか抜けて、力を抜くべき所で力を入れてる、きちんとボイトレをしないと、間違えたまま続け、オワコン化しないといいのですが(つい最近NIGHTWISHを離れた、アネットと別の意味で似ますね、Vo.でやる曲を限ってしまう点で)。

 時間が解決してくれればいいのですが。(もちろんいい意味で)

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クリタカ  2012, 12. 07 [Fri] 21:33

熱くなってるぅ

 マジ勘弁してってのが面白い!楽し過ぎて腹痛いです(笑)
徐々にヒゲスカさんの好みが分かってきました。もう熱く語るのは愛情丸出しって感じで!文を読んでるこちらもウキウキします。
 確かにヴォーカルにクセはありますがAxxisって大好きですが(←コメントにコメントするな!)ヴィニー・アピスのいたAxisも大好きです。(どんどんズレていってスミマセン)

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ヒゲ・スカイウォーカー  2012, 12. 08 [Sat] 19:06

DDさん、

AXXIS、「DOOM OF DESTINY」しか持ってないんですが、Voは濃いィ感じでしたね。

私はJULIA嬢のVoは多彩な表現力を持っていて好きですけどね。CROSS VEINに限った話ではなく、女性VoモノのHR/HMが色々出てきてから、バックの演奏とVoとのミスマッチ感が聴き処っていうのがあると思っています。AnetteのNIGHTWISHもそんな感じなんですが、そのミスマッチ感があるからこそ私はAnetteの在籍していたNIGHTWISHの方が好きなんですよね~。

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ヒゲ・スカイウォーカー  2012, 12. 08 [Sat] 19:18

クリタカさん、

嬉しい、ホンワカするコメントを、どうもありがとうございます!
好きな音源については饒舌になるか、逆にとにかく聴けッ!ってなるかのどちらかですね。

AXISって初めて知りました。ALCATRAZZの3番目のGtの人がいたんですね。超マイナー!……でもないのかな?(笑)
どんどんズレていって大丈夫です。対応いたします(笑)。色々教えてください。

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ピッペン  2012, 12. 09 [Sun] 07:50

おはようございます

おぉ、かなりの高評価ですね!
シンフォ系のメロディック・メタル…買います!

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ヒゲ・スカイウォーカー  2012, 12. 09 [Sun] 12:50

ピッペンさん、

コレ、かなり良いです!Voがオッケーなら大丈夫かと!

買って失敗しても責任持てませんが(笑)
でもオススメ!

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タケ@ZEROROCKMAN  2013, 07. 19 [Fri] 20:05

ジャケの印象では女の子voのカワイイ感じのメタルなのかなと思っていたのですが、大変申し訳ありませんでした。実際、聴いてみてビックリ!メロディアスでありながらリフは凶悪、極悪ブラストビート連発でぶっ飛びましたよ。

シンフォニックゴシックはあまり聴かないので、僕の印象としてはブラックメタルを聴いてるかのような感覚でした。(ブラックもSIGHとDissection聴いたくらいですが)音質と音圧も(良い意味で)近い印象を持ちましたしね。兀突骨とタイバンしたのも納得です。
ヒゲさんのライナーノーツ的な曲解説のおかげでよりCVの世界観に浸る事ができました!28日のライブが楽しみです。

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ヒゲ・スカイウォーカー  2013, 07. 21 [Sun] 19:43

タケ@ZEROROCKMANさん、

モダンでエクストリームな要素をあまりそう感じさせないように取り入れていますよね。
今シングルを録音しているようなので、もしかしたら28日には新曲が聴けるかもしれません。楽しみですね!

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