KAMELOT「SILVERTHORN」


KAMELOT「SILVERTHORN」 (2012)

米国産シンフォニック風味メロディック・パワーメタル・バンドの10thアルバム。美しいジャケットが私の趣味を見透かしたかのようにツボど真ん中。右端の尖塔のシルエットが堪らんよねぇ。Limited Editionより通常盤の方がおねいさんが美人に写っているような気がするぞ(上画像は通常盤)。
さて、希代の妖艶系濡れ濡れ超絶ヴォーカリスト、Roy Khanの脱退という史上最大の危機。後任に迎えられたのはスウェーデンのプログレメタル・バンド、SEVENTH WONDERに在籍するTommy Karevik。イケメン。
Voの交代後に見事に生まれ変わった作品としてはANGRA「REBIRTH」GALNERYUS「RESURRECTION」がありますし、中心人物の脱退後の作品としてはSTRATOVARIUS「POLARIS」等があります。これら「復活」が成功した作品に共通していると思われる事は、(新メンバーの技量は勿論、)「自分達の強みは何か?」という所に立ち返ったことだと思うのです。それは大多数のファンが望むところでもあるはずです。そして、KAMELOTもそう。今作における「優れた新メンバー+ファンの望む方向性」という足し算によって「復活」を印象付けられるのではないでしょうか。

新Vo・Tommy君の歌唱は驚くくらい前任者にそっくり(笑)。Royを意識しているという領域を超えて、もはや真似してるレベル。いや、真似できるだけで凄いんですけどね。勿論、世界最高湿度ヴォーカリストであるRoy様を凌駕するほどの濡れ濡れ感/妖艶さ/エロさ/ねちっこさを醸し出すことは不可能ですが、その分クドさも減退、部分的には爽やかさを付加することによって、よりしなやかなバンドに生まれ変わっている印象です。良いね!

リーダーであるThomas Youngblood(Gt)曰く、今回、意図的にメロディを取り戻した作風とのことですが、楽曲の平均点は非常に高いように思います。暗く気品がありつつパワフルであるという彼ら独自のムード作りの上手さはそのままに、メロディアスさが戻ってきた作風です。女性Voをフィーチャーしたメロディック&シンフォニックなパワーメタル、重厚で妖気立ち込めるヘヴィ・チューン、しっとりしたバラード、(今作でもプロデューサーを務める)Sascha Peath&Miroの貢献が大きそうな構築美のある組曲、とバラエティに富んだ収録曲はKAMELOTの特徴を隈なく網羅したかのよう。ただし同時に、それぞれ同タイプの過去の名曲を超えてはいないようにも思えますが…。

特に気に入った曲について少しずつ。
イントロ①Manus Deiに続く、実質1曲目の②Sacrimony (Angel of Afterlife)。リーダー・トラックとしてPVが作られた曲です。Elize Ryd(AMARANTHE)、Alissa White-Gluz(THE AGONIST)という2名の女性Voが参加してます。この人選が“旬”っぽくていいですね(二人は他の曲にも参加)。Tommy君の歌い出しが“まんまRoy”で、驚くと同時に笑いがこみ上げるほどですが、1番のサビが終わってもそれほどの昂揚感はありません。しかし2番のサビ前にElizeが登場してくるやいなや「何この曲もしかして良いかも!?」となり、Alissaのグロゥル・パートを経てTommy&Elizeのデュエットのサビに突入する頃には完全降伏状態で「凄い!」と言うのみです。これは、Elizeのフィーチャー度が徐々に増してゆくアレンジの勝利よね。彼らにしては珍しいGtとKeyの掛け合いソロも聴き応えあります。
個人的に本作一のお気に入りは⑦My Confession。躍動感のあるリフ、妖艶なヴァース&ブリッジから爽やかな泣きを含んだサビへと流れてゆくメロディ展開が素晴らしい曲。この曲のようなサビで鮮やかに視界がパァッと開けるような感触はRoy時代にはあまり無かったのではないかなぁ。
④Torn⑩SolitaireKAMELOTらしいパワフルで暗い叙情とTommyの適応力のあるしなやかな魅力が融合された佳曲。

上記のような割とテンポの速い曲が気に入ってますが、それも、メタルの強靭さを押し出した③Ashes To Ashesや、シンフォニック&ゴシカルな⑥Veritas(泣きのソロが素晴らしい!)、組曲⑪Prodigal Son等があるからこそ映えてくるわけで、アルバム一枚通して聴きたい作品ですね。
今回、号泣モノの名曲は無い代わりに非常に良く出来た高品質のアルバムだと思います。オススメ。
KAMELOT、ふっかーーつッ!!

【お気に入り】
⑦My Confession
②Sacrimony (Angel of Afterlife) → PV。素晴らしい出来。
Tommy君、アクションまでRoy似で笑う。特に鷲掴み風の掌と腕の動き!そして、2:26~登場するElizaちゃんのエエ女っぷりがタマランス♡

④Torn
⑩Solitaire
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COMMENT 2

DD  2012, 11. 25 [Sun] 19:51

 これは限定版で購入しましたが、ストーリーの背景的に言うと、現代のもとになる激動の時代が舞台のようです(西欧では革命が起き、東欧も変化のさなかだったはず)。

 アルバムを聴いた印象は、「吹っきれたな」という感じでした、前作はやれることをやろうという意思が強すぎて、出来のばらつきがあったのでは。

 ボーカルは前任と似てますが(そりゃ国籍でさえ近いんだから、似た印象があるのも無理ないでしょう)、少しずつ個性を出していくと思います。

 良曲・・3、5,9,11(こういうアルバムって、いい曲が多いと、絞り込むのは難しいですね)

 こんな感じです。

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ヒゲ・スカイウォーカー  2012, 11. 26 [Mon] 19:45

DDさん、

SacrimonyのPVにも1888年とか年表記が出てきますね。私は世界史に疎いのでサッパリ?ですが(汗)

仰る通り、「吹っ切れた」感は非常に感じますね。新Voの加入と共にこの作風のアルバムを出したのはバンドにとって追い風になると思います。Tommyも現時点ではRoyに意図的に似せてる部分があるでしょうから、次作でのパフォーマンスが今から楽しみですね。

良曲チョイスがDDさんと私で被っていないのはアルバム全体が良曲で占められていることの証明かもしれません。

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