GLAY「SPEED POP」

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GLAY「SPEED POP」 (1995)

仮にだ、私立ヴィジュアル系高等学校というのがあったとしよう。かつての卒業生に暴威君という番長がいて、エックス君は登校拒否(学校行く行くと言って一向に来ない)、月海君は停学中、ラルク君は「こんな学校合わない」と言って転校、黒夢君はファッションに夢中で毎日違う格好で登校、そんな高校だ。いや、中学でもいいけど。そして、この学校で生徒会長が務まるのは一体誰であろうか!?グレイ君しかいないじゃないか!
…というくらい人当たりが良く、優等生イメージのGLAY。YOSHIKI(X JAPAN)主催のレーベルから作品をリリースしたということもありヴィジュアル系の文脈で語られることが多いですが、音楽的にはBOØWYから影響を受けたバンド・サウンドをもっと耳当たりの良い歌謡曲方向へもっていったものです。肝はTAKURO(Gt)の懐かしさを喚起させるメロディ・センスとTERU(Vo)の“熱さ”を込められるヴォーカルでしょうか。

このメジャー1stアルバムでは、そのTERUのVoがまだ平坦でノッペリしているのが目立ちます。特に②HAPPY SWING⑩Life~遠い空の下で~はかなりキツい(笑)。音質的にも迫力が無く、特にパタパタしたリズム隊の音は「ロック・バンド感」を大きく殺いでいます。また、⑤LOVE SLAVE⑪JUNK ARTといった無理にロック色を出したような悪ぶっている曲はバンドに合ってない感じがします。所詮その本分は優等生なのでね。

アルバム1枚でみると手放しで喜べる内容だとは言いにくいのですが、既にシングル曲に関してはTAKUROの天才的メロディ・センスが炸裂しています。もしかしたら以降のどのアルバムより(シングル曲に関しては)粒揃いかもしれません。
人気曲③彼女の“Modern…”はリフがかっこいいですね!歌詞は完全意味不明ですが…。「ウ~、バイブル、彼女の過激ッ!」ってどうなのよ?(苦笑)。
④ずっと2人で…はやっぱり何度聴いても名曲。これぞTAKUROという歌詞と歌メロ。丁寧に紡ぐようなGtソロも絶品です。また、ラストの英詩の大サビフレーズが(TERUの発音は置いといて/汗)感動をダメ押しするのもポイント。こういう曲をいつまでも「良い曲だなぁ」と評価できる自分でありたいですわ。
緊迫感を湛えた⑧Freeze My Loveはアレンジを少し変えれば立派なクサメタル曲として変貌できそう。ツインギターのハモりが彼らには珍しく、新鮮かつカッチョイイ!
⑨真夏の扉の歌メロは聴いた当時なかなか驚いたもので、曲テーマのリフレイン、ヴァース、ブリッジ、サビと全て別々の曲から持ってきたように色合いが違うのですが、不思議と1曲の中で調和してフックに結びついているという佳曲。JIROのベースが存在感あるのが良いですね。
そして、忘れてはいけないデビュー・シングル⑫RAIN。アカペラでの歌い出しから笑っちゃうくらい、まるでX JAPAN!(笑)作曲のクレジットはYOSHIKI/TAKUROになっています。しかしTAKURO、その持ち味を発揮する暇もなくYOSHIKIに食われてしまってます。この曲のみアルバムから完全に浮いていて、X JAPAN featuring TERU状態です。如何にYOSHIKIが特徴的な曲作りをするということでしょうか。途中挿入されるウィスパー系の英詩呟きが、これまた純度100%X JAPANでビビる。いや、吹き出す。YOSHIKIがTERUを指導している姿さえ脳裏をよぎります。「もっとハァハァして切なげに呟くんだ」みたいな?(爆)。因みにラスト近くの「この身をまかせてもー!」ではTERUにTOSHIが憑依したかのようなシャウトを聞くことができます。珍曲。いや、なかなかの佳曲。

シングル曲以外で素晴らしいのが⑥REGRET。こりゃ、隠れ名曲でしょう。弾むようなリズムと仄かな哀愁の曲調。歌メロの展開が素晴らしいですね。2本のギターの役割分担が明確で、特にソロではアコギとエレキがそれぞれ別々にメロディを奏でていて印象的です。

メロディに輝くものがあるがややまとまりのないアルバム、という印象。しかし、次作で大爆発するのでした…。
17年前の作品ですが、ブックレットのメンバーの写真が当然ながら若い!特にJIROは幼いと言っていいほど。中学生くらいに見えるよ(汗)。TERUもまだオバハンくさくなってないしね(苦笑)

【お気に入り】
④ずっと2人で…
⑥REGRET
⑧Freeze My Love
⑨真夏の扉
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