ANGLAGARD「VILJANS OGA」


ANGLAGARD「VILJANS OGA」 (2012)

スウェーデンのプログレッシブ/シンフォニック・ロック・バンド、なんと18年ぶりの3rdアルバム。2nd「EPILOG」は森の中の池が写ったセピア色の写真(絵?)から人の顔が浮かび上がってくるという仕掛けの陰鬱なジャケットでした。この3rdのジャケもそのイメージを見事に引き継いでいて、その内容共々「君達、18年も経ってるのにまだそんな深い森の奥の沼地を延々と彷徨っているのか!?」と問い質したくなる出来栄え。素晴らしい。収録曲は4曲、全て12~16分程の長尺のインストです。

収録曲の少なさ、長~い曲ばっか、ヴォーカル無し、とプログレ者以外は受け付けなさそうな音楽性ですが、その筋の愛好者(オイラだ)にとっては正に極楽。同じ北欧のプログレとして並んで紹介されることも多いANEKDOTENがその音楽性を変えて、徐々に光射す方向へ歩を進めたのに対して、彼らは相変わらずジメジメした薄暗い場所に身を置いているようです。ヘイル。

バンド・サウンドの他、メロトロンを含む各種キーボード、フルートやサックス等の管楽器、チェロ等の様々な楽器を駆使して構築されたアイデア豊富な音楽性。一瞬先でさえ読めない複雑怪奇な展開を武器に、時にド迫力に時に繊細に攻めます攻められます。今作は特にフルートの大活躍ぶりが目立ちますね。全体としては、聴き手がまったく油断できない、「癒し」とか「牧歌的」とは無縁の、「反・癒し」「反・牧歌的」とも言えそうなサウンドですが、時折挿入されるフォーク由来の儚げなメロディや北欧らしい叙情に強烈に魅かれます。

正直私の知識や感性、耳の訓練程度では1曲ずつ抜き出して分析・解説するなんぞとても覚束なく、その迫りくる美旋律と不協和音と不穏な空気の波状攻撃に翻弄されながら「凄ぇ凄ぇ」と呟くのみです。聴けば聴くほど毎回その奥底の見えなさに戦慄しながら身悶える始末。
ただし、アルバム一長尺な③Snardomが超名曲なのはオイラでも痛いほど分かる。決して熱くはならず、冷徹な雰囲気を保ったまま畳み掛けるヘヴィな変拍子パート、寂寞感漂う静かな耽美パートといった様々な展開を経て、アルバムの中でも一際メランコリックで美しい旋律が爆発するラストの盛り上がりは尋常ではない。

ANGLAGARDらしい暗く冷たい感触がアルバムに見事に統一感を与えている傑作。

【お気に入り】
全編が悶絶タイフーンですが、特にコレは凄ぇ。
③Snardom
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COMMENT 2

kazz_asai  2012, 11. 07 [Wed] 21:44

陰鬱礼賛

18年ぶりですか…たしか1回解散しましたよね?
でもYARDBIRDSとかCOMUSとかLEAF HOUNDとか、40年になんなんとする再結成もありますが、さすがに彼らの場合は決して高い志を失っていません。
思えば80年代、それまで聴いていたプログレッシヴロックに完全に見切りをつけてHM一辺倒になった私に、プログレというジャンルがまだ死滅していなかったということをANEKDOTENと共に教えてくれた存在でしたが、そのもたらしたところは…私をして70年代のプログレ、サイケの再発CD渉猟に奔走せしめることでした…

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ヒゲ・スカイウォーカー  2012, 11. 08 [Thu] 00:02

kazz_asaiさん、

コメントタイトルが陰陽座みたいで素敵ですね!

まったく変わってないどころかますます研ぎ澄まされているかの如き、この新作、驚きました。
90年代当時、ANEKDOTENはDisk Unionで直ぐに手に入ったのですが彼らはなかなか見つからず色々探し回った記憶があります。
新しめのプログレ・バンドってあまり聴いてないのですが、ANEKDOTENと彼らは別格ですね。二つ揃って来日してほしい!

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