浜田麻里「Legenda」

浜田麻里_legenda
浜田麻里「Legenda」 (2012)

告白しましょう。浜田麻里を初めて聴いたのは今年に入ってからです。それ以前は糸井重里による「麻里ちゃんはヘビー・メタル」なるキャッチフレーズとB'zの松本孝弘(Gt)がサポート・メンバーを勤めていたという知識のみ。要するになんも知らんということです。聴いてみようと思ったきっかけは、デーモン閣下がカバーしたReturn to Myselfを聴いたことと増田隆宣(Key)が関わっていると知ったからです、多分。それから5、6枚アルバムを買いましたがまだ聴いてません、なはは。「Return to Myself」(アルバム)だけ聴きました。

さて、本作はその長いキャリアの中でも最もメタル色の濃いアルバムとも言われているようですね。なんせ、レコーディングのメンツ(国内組)が、高崎晃(Gt/LOUDNESS)、増崎孝司(Gt/DIMENSION)、寺沢功一(Ba)、増田隆宣(Key)、宮脇"JOE"知史(Dr)という猛者揃いです。聖飢魔Ⅱ界隈で御馴染みの怪人松崎様(Key)も参加してますね。海外ミュージシャンもMichael Landau(Gt)、Leland Sklar(Ba)、Gregg Bissonette(Dr)といういつも(なのか?)のメンバーです。

ガチなファンの多い浜田麻里様ですから迂闊な事を言うと命が危ないのでサラリと。このアルバムの感想、一言で言うと、
「凄い凄い、凄ーーい!」(ライブでの黒猫さん@陰陽座風に)

御年50歳(アルバム作成時は48-49歳か)でこのヴォーカル、この振り切れ度。そして自己プロデュース能力の高さ。バンドではないソロ・アーティストでこの音楽性ということは、彼女(って恐れ多くて言いにくいな)自らそういう方向性を志向したということで、その姿勢こそ正に“メタル”。しかも全然肩に力が入っていないというか気負ってなくて、自然体の自信が備わっているというか。長いキャリアの中で様々な音楽性を経てきたからこそ、でしょうか。暗めの作風で、メタルらしい演奏・アレンジになっておりアグレッションもある。けれど、まるで刺々しくはなくて、どこか品があるというのも特徴かも。クオリティに関してはぐうの音が出ないレベルにあると思うので、あとは方向性、作風等が自分の好みにハマるかどうかってだけで。個人的には増田ちゃんがB'z以上に大活躍しているのが嬉しいです。そのKeyのお蔭か、ファスト・チューンでも単なるジャパメタに陥らず、シンフォニック・メタル的壮大さや気品が漂っています。因みに、女性Voソロの作品だけあってか、演奏はそれほど(メタル野郎の思うほど)前に出てはいません。高崎晃のプレイもフレーズは“らしい”もののそこまで目立つわけではない。ですが、それが功を奏してか、聴く度に「お、こんな演奏してたのか!」と発見のあるアルバムになっていると思います。

麻里様が先頭に立って荒くれ者ども(=バックの演奏陣/失礼)を率いているような構図、というかイメージがめちゃめちゃかっこよく、そういう「鬨の声を挙げよ!」的アッパーな曲がやはり私のお気に入りです。②Momentalia④Crimsonは日本人バックによるメタル者のツボを心得た演奏と麻里様の凛としたVoがガッチリ噛み合った名曲。陰陽座LIGHT BRINGERが好きな方(俺だ)にもおすすめ。普通は浜田麻里を好きな人に対して陰陽座やLIGHT BRINGERを薦めるのかもしれませんが(苦笑)
本作でダントツ好きなのは⑦Ransei-Conscientia。増田ちゃんのテクニカルなオルガン・サウンドが導くクサ・メタリック疾走曲。完全に主役は増田ちゃんのKeyですが、ソロはギターに譲っているところが奥ゆかしい(?)。間奏でギターとユニゾってたら失神モノだったな。勿論麻里様の絶唱Voは素晴らしいです。今年を代表する名曲と言っちまおう!この曲が好き過ぎて以降の曲がやや霞んでしまうのが難…。
日本人バックの曲がある種「攻め」の曲調であるのに対して、外国セッション・ミュージシャン組が演奏する曲では、よりどっしりと構えたスケールの大きな曲が目立ちます。その中でも白眉は⑤El Dorado。もう本当にドラマティック。ヴォーカル、演奏共に押し引きを完全に手中に収めたパフォーマンス。麻里様の歌唱の幅広さを感じる、というか何でも歌えるんだってのがよく分かる秀曲ですね。


と、ここまで書いといて実は浜田麻里の歌唱法、クイッと音程を上げる時の特徴のある歌い方が少し苦手です、私。

【お気に入り】
⑦Ransei-Conscientia
④Crimson
②Momentalia
⑤El Dorado


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COMMENT 6

フレ  2012, 10. 04 [Thu] 21:46

へぇ?

まぁ、ちょっと世代的に通らなかったんでしょうなぁ…。
この作品とこの前の作品はかなり気合入った音で良いんだよねぇ。
何か吹っ切れてるし。実際吹っ切れたんだろうけど…。
そして、読みながらそんなにべた褒めしてるのは絶対ウソだ、と思ってたんだが、最後でやはり、とニンマリ♪

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ヒゲ・スカイウォーカー  2012, 10. 05 [Fri] 00:13

フレさん、

私よりちょい年齢が上の方は多分通ってるんでしょうね。「AESTETICA」、持ってますが未聴…(汗)
ここまで(意図的に)メタリックに仕上げてきたのは素直にびっくりです。

最後のは、…まぁそうなんですけど…些細なことですよ全体から見れば。非常に高く評価してますから、本当に(←何故か弁解口調/笑)
黒猫さんは同タイプながら、そこんとこまるで気になりませんねぇ。

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kazz_asai  2012, 10. 05 [Fri] 00:47

ガチではありませんが…

彼女と黒猫さんが私の一番好きな女性Vo.です。
デビュー当時はやっぱりインパクトありましたし、Return to MyselfやCry for the Moonのような一般路線も順当な進歩と思っていました。
本城未沙子や早川めぐみといった後発の面々がすぐにシーンから消えていったことを考えれば、ここまで第1線で活躍しているということ自体が奇蹟にも思えます。

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ヒゲ・スカイウォーカー  2012, 10. 05 [Fri] 19:59

kazz_asaiさん、

これは“ガチ疑惑”ですね(笑)
浅井さんの聴いておられるであろう総量からして「一番好き」の評価はこれ、“ガチ”でしょう(笑)

シーンのトップにいることは勿論、その実力がいかさかも衰えていないどころか、ますます研ぎ澄まされているように見えるのが凄いですね。
一度ライブ観とかないとマズイように感じています。

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ドイツ特派員  2012, 10. 06 [Sat] 22:41

実はそれほど聴いていないという

結構彼女のヴォーカルは好き嫌いがスパッと分かれますね。言ってしまえば「何となく聴くことを許さない」ヴォーカルで、嵌れば癖になるし、嫌ならそこが耳に付いてしまうという感じです。で、私はデビュー当時がリアルにも関わらず、殆ど聴いていないという初心者同然ですからw。ただ、彼女の力量の進化は本当に凄いと思うし、楽曲の質も高い。やはり敬意は表さなければいけない人ですね。

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ヒゲ・スカイウォーカー  2012, 10. 07 [Sun] 00:38

ドイツ特派員さん、

私は彼女のVo、記事に書いた「クイッと上げ唱法」以外はイケます。なので方向性は今のメタル路線が好きですが、歌唱法はちょい前(?)のマイルドな時の方が好きかもしれません。私もあんまり聴いてないんですが…(汗)

歌唱、キャリア等、one&onlyですからね、尊敬いたします。特にWeRockだかのインタビューで、自然体なんだけど自信に満ちている語り口だったのが印象的で、こりゃ凄いと思った次第です。

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