TEARS OF TRAGEDY 『 Streaming Live “RGB” 』 (2021/1/31)

TEARS OF TRAGEDY 『 Streaming Live “RGB” 』 (2021/1/31)



国産すぴめろ・バンド、TEARS OF TRAGEDYの配信ライブを観ましたそ。
無観客状態のライブハウスで事前収録したライブを、YouTubeで無料配信したものになります。

ウチのブログのライブレポは、基本的にお金を払って観(に行っ)た公演について書いてるんですけど、本ライブに関して「これは無料配信だから書くのやめよう」とかいう考えは、一切浮かばなかったんですよね。配信を観る前に既に下書き始めてたし。
なんでしょうこの無意識の行動は。ティアーズがライブやるってこと自体がレア、それこそ一大イベント的な趣があるからでしょうか? それとも「なんとしてもこの記録は残しておかねばならん」という、種の保存に対する使命感みたいなものが働いたのでしょうか? わからん。
まぁいいや。


あるミュージシャンのことを指して、「職人気質」なんて評することがあります。頑固で気難しい人について使ったりする言葉ですけど、アーティストの場合はわりと褒めようとする場面で登場する気がします。ティアーズの場合も、TORU(Gt)のギターワークだったりHAYATO(Key)の鍵盤アレンジだったりと、その巧みさを「職人気質」と表現したくなるケースはあります。

でも同時にこのバンド、やたら“お笑い”方面に長けていたり、身体を張ったネタを積極的に盛り込んできたりと、「芸人気質」とでも言えそうなとこもありまして。かつて、「ウチは手数よりも口数で勝負だから(by 詠み人しらず)」という迷言も生まれましたし。
そんなティアーズの、配信とはいえど久しぶりのワンマン公演ですからね、出してきますよね、そういうところ。芸人面。というか、出そうとしなくてもオモテに浮かび上がってきちゃうものなのかもしれませんが。

ライブ本編の30分前から、『おまけ』と説明されるコーナーが始まりました。収録日前日のホテル、深夜1時のクイズ・コーナーでございます。
お題に対して、フリップに書き出した全員の回答が揃ったらポイント・ゲット、それを○回達成したらクリア、という企画になります。要は、メンバー3人のチームワークを試そうということですね。早くクリアすれば寝ることができる、クリアできなきゃ睡眠時間が削られる、という。
身体張ってますね。芸人ですね。(語弊

『おまけ』配信を観た人はウンウンと頷いてくれる気がしてますが、これが面白いのです。正解(=ポイント・ゲット)しようが間違えようが、どっちにしろ面白いのです。受け手を笑わそうとしてないけど、自然と面白くなっちゃう。そんな感じなのね。ここらへんはメンバーの阿吽の呼吸なんだよなー。
ちなみに、最初は5問連続ポイント・ゲットでクリアという条件でしたが、余りにも揃わないため途中で難易度がググッと下がったりしてました。さもありなん。


さて、『おまけ』タイムは30分で終了。
この記事も前置き部分が長くなってしまいましたが、漢字と英語が書けないメンバーによるライブ、スタートでございます。

収録会場は(たぶん)今池 3STAR。パッと見、渋谷CYCLONEかと思いましたが、ステージが白黒の市松模様じゃないから違うなーって。東京の(関東の?)バンドがわざわざ名古屋まで出向いて収録したのは、3STARがライブ配信に一日の長があるハコだからでしょうね。配信のクオリティについては後述します。

ステージ上は、HARUKA(Vo)、TORU、HAYATOの正規メンバー3名に加え、サポートを加えた5名。リズム隊はHER NAME IN BLOODのMAKI(Dr)と、AFTERZEROHELLHOUND他の種子島洋二(Ba)です。超攻撃型メタル・リズム・セクションやんけ。

そしてこの編成/人選がピタリとハマります。
めっちゃ音が締まってる。過度に攻撃性を剥き出しにした出音やバランスではないですけど、キメるべきところが気持ちよくキマり、安定感に富んでいて乱れない。ティアーズの生命線であるメロディがしっかりと伝わってくることが大前提で、かつ、HR/HMとしての“圧”があります。あーこれは最高ですわ。特にMAKIのDrは良いですね。

そんな土台の上で、3人が生き生きとパフォーマンスする。
TORUのGtプレイのキレ、音の抜けはさすがです。音の粒がくっきりと揃ってる。当たり前のようにこんな高次元のプレイをしてくるもんだから、それが自分の中で「ティアーズでの普通」になってしまってる感もあるんですけどね。

なによりこの『Streaming Live “RGB”』は、HARUKAの 女優っぷり が際立っていたライブでした。
格好は女医さん(の白衣っぽい衣装着てた)だが、その表現は女優。新譜「TRINITY」には硬から軟、明から暗、冷から熱まで色んなキャラクターの楽曲が収められているわけですけど、それを見事に歌い分ける。演じ分ける。声音で、視線で、表情で、所作で。彼女がもつ最大最強の武器は「歌」ですけど、使う武器はそれだけじゃないんですよね。これはズルい。

No.05frost flowerを歌っていたおねいさんは、似てましたけどたぶん別人だと思います。だって前者はドロッドロで、後者はキラッキラしてましたから。あの真に迫った表現はとても同一人物のそれだとは思えない。
曲毎といわず、それこそ1曲の中でも登場人物を演じ分けます。時に鏡は嘘をつくで歌詞の二面性を表現していたのは、最たるところでしょう。

以前よりウチのブログでは「ティアーズの凄さ」というより、「HARUKA/吉川遼の凄さ」に着目した記事を書き続けてきたような気もします。ティアーズの稀少性を担っているのが彼女のVoスタイルだから。
彼女がHR/HMというフィールドで歌ってくれている事実に、改めて感謝したいですね。奇跡みたいなもんだよ、これは。


このライブ配信を素晴らしいものにしていた大きな要因が、カメラワークです。楽曲のキメとなるところで、映すべきメンバーを、美味しいアングルでフォーカス! 匠の技や!!
生配信ではないので、撮影後に編集された映像が流されていたわけですけど、チャンネルを切り替えるだけでなく、カメラマンが動きながら撮影していたことがデカいですね。目まぐるしく感じない程度に動き回ることで、まるでMVを見てるかのような躍動感が伝わってきました。おまけにヴォーカリストのおねいさんはなんてったって女優ですから、板についてる感がハンパないのです。これは…良いッ!
特にポップな曲での女優さぁんの生き生きとした様子に むをおおおお!むをおおおお! ってなりましたね。思わず私は、Innocent gramを歌っていたおねいさんと一緒に、真っ白な道を裸足で駆けて遠く揺らめく蜃気楼も追い越して果てしない旅に出かけたくなりました。


本編は、バラードafter songだけ除いて「TRINITY」を収録順にプレイ。アンコールは1stと3rdの冒頭を飾る2曲。
新譜リリース後に、レコ発ツアーができなかったということもあり、アルバム紹介的なセトリでした。キャラ立ちの良い「TRINITY」の楽曲が、既存曲とどう共存するか。これから楽しみな点です。
配信のコメント欄でバンドの公式アカウントがアンコールを煽るって手法はなかなか面白かったし、Silence Oceanでの締めは毎回ほんと幸せになります。


これ、無観客で、しかも目の前で観ることのできない配信ライブですけど、もしかしてこれまでで一番良いステージなんじゃない? そんな思いが幾度も去来しました。
バンドのパフォーマンスはもちろん、撮影クルーの仕事っぷりも最高。何より雰囲気が良かった。演者からの一方的な発信のはずなのに、なぜかそこには双方向に“思い”の行き来があるように感じられました。
素晴らしいものを見せていただきました。


<セットリスト>
01.Trinity ~ Nonsite
02.幽玄
03.Innocent gram
04.Anonymous
05.Outsider
06.No.05
07.frost flower
08.時に鏡は嘘をつく
09.クロノメトリー

ENCORE
10.Beyond The Chaos ~ Void Act
11.Silence Ocean


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