エルフロート 単独公演 『 妖精の旅 』 @ 渋谷WWW X (2020/1/8)

エルフロート 単独公演 『 妖精の旅 』 渋谷WWW X (2020/1/8)



【妖精】
主として西洋の伝説・物語に出てくる精霊。善良なるもの、悪がしこい小人、雑コラが得意、ミニ四駆好きなど、その姿・性格は多様である。フェアリー。

【旅】
住んでいる所を離れてよその土地へ出かけること。

【ユダ】
①イエスの弟子の一人。ヤコブの子ユダと区別して「イスカリオテのユダ」と呼ぶ。イエスを裏切り、イエスを殺そうとしていた祭司長たちに銀貨30枚で師を引き渡した。転じて、裏切り者の代名詞とされる。
②南斗六聖拳「妖星(ようせい)」の男。南斗紅鶴拳の伝承者。美しい(自称)。
③10月プリースト



2020年1月8日(水)、渋谷WWW X。
エルフロートの単独公演、『妖精の旅』に行ってきました。

2019年12月にナナが卒業し(→コチラ)、リカとミオの2人体制になったエルフロート。持ち時間20~30分の対バン・ステージならともかく、2人だけでのワンマン・ライブってのはいったいどういうものになるのか? 多くのファンの脳裏に浮かんだ疑問だと思います。

この記事を書いている今でこそ、リカ&ミオの2人エルフは当たり前の光景になっています。が、昨年末当時、未だかつてないフェーズに突入するブルフォレ看板ユニットの未来を、容易には想像できなかったのも事実。それはリカ&ミオへの信頼感が希薄ってことでは決してなくてね。「2人ならきっとやってくれるだろうけど、でも、いったいどうなるんだろ…?」みたいな、そういう気持ち。
もちろん当妖精としては、「やるしかない」という思いだったでしょう。
不退転妖精。


WWW Xにインすると、初めてこの会場に来たKAMEN RIDER GIRLSのときと同じつくりになっていました(→コチラ)。PAブ-スの後ろに関係者用のスペース。ステージの上はがらんとした空間です。凝った構造物や装飾は一切ありません。シンプル。
WWW Xのステージを特別な場所へと変える役目は、2人の妖精とエルフの楽曲群に委ねられた。

旅の始まりは、エルフロート/ブルーフォレストを代表するだけでなく、インディーズ・アイドル界を代表するといっても過言ではない曲、時折マーメイド。このキラーチューンによるオープニングは常に強力です。イントロで魔法が発動し、一気に心を鷲掴みにされる。始まりからこんな温度じゃ、水の中じゃなくても息もできないっすよ。あちあち。

リカとミオは2人、お揃いじゃない衣装に身を包んでます。珍しい。というか、そんな姿は初めて見ます。Tシャツ公演でそれぞれ違う柄を着て…というパターンはありますけど、そうじゃなくて正規の衣装でバラバラですからね。
実はこのあと、衣装をチェンジするタイミングが3回(?)ありましたが、ラストに最新の水色で揃えるまでは、やはり2人バラバラのものでした。ひとつでも多くの衣装を紹介しようという考えだったんでしょうか。
ともすればチグハグな印象を与えてしまいそうなやり方ですけど、違う衣装同士でも色みを合わせたり(白/旧白)、デザインを似たものにして(青/緑)、調和させつつうまく新鮮さを出せていたんではないかなー。

続いて、PAIN ~AIの証~ライク ア ティンカーベルエルフと豆の木という、ここ最近のエルフしか知らない管理人にとっては「ミズキ~マアヤ」期として捉えている楽曲がノンストップで奏でられます。ティンカーベルの中盤に挿入される『ピーター・パンとフック船長の対決』寸劇は、妖精さんのキャワイイ面を象徴するようなパートになっていますが、2人だけでそれをやると茶番感がものすごいね(笑)。ピーター・パンとティンカー・ベルの一人二役がノリツッコミしてるみたいに見えるw


4曲終わったところで妖精2人は一度退場。
すると、別の人たちがわさわさとステージに登場します。
布なのか紙なのか判別しにくい安っぽいタキシード姿(失礼)は、I.D.And Fly LooMのasuna&chihiro。上手側に立ってるのは、台本を掲げるように持っていてあまりお顔が見えないけど、鯖缶ばっかり食べてそうなよく通る声をしてるから、きっとnatsukiでしょう。
で、下手側に立っているのはなんと、ブルーフォレスト・スタッフのユダさん(♂)だ。
ざわつくヲタ。

この布陣で何をやるかっていうと、東京キネマ倶楽部で昨年行われた、アイフラ単独公演『曲解の奇術師』(レポは→コチラ)のトム&キャリー・パフォーマンスだ。そのパクリだ。
司会進行役として幕間に登場したトム&キャリーの役割を、声(natsuki&ユダさん)と動き(asuna&chihiro)に分担して演技しました。同公演にはエルフ・メンバーも(正体を隠して)出演しましたけど、それへの友情出演的な計らいが粋じゃあないですか。

つか、natsukiの朗読/ナレーションの実力は知ってる。元々アイドルじゃなくて演劇畑の人ですからね。キャリー役をやるならそりゃあ彼女しかいないでしょう。でもここでの注目はなんつってもユダさん。ウチのブログでfeaturing YUDAする唯一の機会かもしれないから(笑)
ユダさん、めっちゃトムなんですけど。ノリがよくってちょっと軽薄そうな、あのトムっぷりを見事に再現してるんですけども。「限りなくトム とてつもなく役者」なんですけども。っていうか、声がいい。素人の声の使い方じゃないでしょこれ。
驚愕のユダ
実はユダさん、それ系の学校の出身なんですってね。この「一見○○な登場人物が実は…」的な物語展開はズルいし、ユダさんの背中には退場を惜しむヲタのラヴ・コールが(笑)。一番の人気者やんけw
ちなみにこの単独公演の本編は、このトム&キャリー口上演出によって4~5曲ごとに区切られて構成されていました。2回目の登場時にはnatsukiとユダさんはそのまま、asunaとchihiroコンビがhinako&meiコンビに交代していました。


この単独公演、驚愕はユダのみに留まらない(?)
“第二幕”最初の曲のイントロが鳴り響いた瞬間、ヲタさんたちがこれまでとは異なるトーンの叫びを上げます。
事情を把握できない管理人は「なんだなんだ!?」となりましたが…、
このBPM。
この緊張感。
この哀メロ。
桜をモチーフにした歌詞。
フロアのこの反応…。。。
まさかこれが、あの…、あの伝説の名曲、トラストブロッサムですかァ!!??

今は亡きブルフォレ・ユニット=リアライトからエルフロートへと継承されたものの、何故か知らんけどほぼ“封印”状態だった曲。あのぴこにゃんが声高に「ブルフォレ最高傑作ゥ!!」みたいに煽ってくるもんだから耳タコ洗脳されて、一度も聴いたことがないにもかかわらずヲレの中で巨大な存在感を有するようになった曲。
トラストブロッサム

こりゃあ聞きしに勝る名曲っぷりですわ。
しかしこの曲、歌い手に要求する水準が高すぎませんかね? 息継ぎする間もない歌メロ、ハイトーンが連続するサビ後半。それを踊りながらこなさなきゃならん。難易度高ぇ。鬼畜プロデューサー・西山雄作の本領発揮じゃないですか(語弊アリ)
曲の破壊力については申し分ないながら、その難易度ゆえにこの日のパフォーマンスは満足いくものではなかったですね。原曲を聴いたことがないのにアレですけど。

トラストブロッサムだけでも殺(や)りにくるには十分ながら、そこからハートウォール、続いて禁断のShall We Danceとキラーチューンを畳み掛けてくるもんだから、ヲレは瞬く間に成仏してしまったんだ。
妖精とはすなわち殺し屋、『妖精の旅』とはすなわち涅槃への旅立ちである。

この直後のタイミングに、バラードVersionにアレンジされた赤い月が見えるまでTRIPPER ~一緒に見る夢~を配置したのは良かったですね。ホッと息をつく“間”がもたらされましたし、ライブの流れの中にうま~く起伏が生まれた。
成仏済みの管理人にとっては鎮魂歌のごとく響きましたが←


バラード2連発のあと、二度目のトムキャリ口上があり、本編最終幕へ。
ここでは新曲や、リカミオナナ期によくセトリに入ったレパートリーが選ばれました。本編ラストのエルフショットは旅の締めくくりに相応しい。
この単独公演のセットリストはリカとミオが考えたそうですが、どの時期の楽曲も疎かにせず、バランスに長けたものになっていました。楽曲を通じて、エルフの多面性がはっきりと表現されており、素晴らしかったです。2人は、「カッコいい」も「楽しい」も「可愛い」も「面白い」も、全~部手中に収めていました。西山曲が元々備えた多面性であるとも言えますけど、それら要素を全て飲み込んで自分のモノにしてこそ、エルフロートと言えるわけです。それこそが妖精のつよさ。


アイフラの初単独公演であり、管理人が初めて観るブルフォレ・ユニットのライブでもあった、2019年2月6日の『ガラクタの住むお城』。そのレポ(→コチラ)でこう書きました。
「運動会を見たいわけじゃない」
ここだけ抜き出すと語弊があるかもしれませんけど、要はフィジカル面の強さのみが印象に残るパフォーマンスや楽曲は求めていないよ、ってことです。幸い、アイフラには管理人が求めているものと重なるところが多くあり今に至るわけですけど、その“同僚”たるエルフに対しては初めの頃、実は半ば懐疑的だったんですよね。
スポーティで体育会系のノリやオラオラしたムードが強いんじゃないか? だからエルフのパフォーマンスは自分の好みと合わないんじゃないか? そんな心配をひとり勝手にしていたんですね。

杞憂でした。
私の好む文芸性はアイフラやその前身であるダイヤモンドルフィーほど濃くないし、アングラ的な匂いはありません。常に舞っているような異常な運動量のダンス、それと起伏が激しく音数の多いVoパートを両立させなきゃいけない。確かにスポーティといえる面はあります。
でも個人的には、エルフは「激しいな」という印象を飛び越えて、キラキラしたファンタジックな空気を届けてくれる存在なんです。フィジカルな強さがユニットの特徴であり、同時に武器であることをアタマでは理解してるんだけど、ライブを観ている間はそれをことさら意識しないんですよね。肉体的な強靭さよりも、彼女たちのパフォーマンスによって構築された曲世界のイメージこそが肝。
強さはエルフの前提条件。表現のための手段であって目的ではない。

肉体的な強さよりも曲世界が前面に押し出されてくるパフォーマンス。
そして西山曲にはリアルをファンタジーで包み込んだような歌詞が多い。
妖精がステージに上がっている時間だけ、私は現実からちょっと非日常の側へ行くのです。まだ見ぬ、知らない世界に連れて行ってくれる、その感覚こそが「旅」だ。新旧バランスよく構築されたセトリも色とりどりの衣装も、エルフロートの歴史を辿るようなものになっており、その点も「旅」というテーマに似つかわしかったように思います。

これまでのエルフをリーダーの名前をとって便宜上、ミズキ期/マアヤ期/リカ期と表現しますが、どの時代のエルフも一貫して「キラキラしたファンタジックな空気を届けてくれる存在」であったと信じています。きっと。観ていない時期もある、というかそっちのほうが長いから、あくまで推論の域を出ないんですが。
そんななかでも、やはり構成メンバーが変わればラインナップ毎にそれぞれ違った特色があったんでしょう。リカとミオのエルフについて、この日のステージを観ながら感じたのは、「丁寧なラインナップだな」ということ。2人の息がピタリと合っていることと大いに関係ありますが、「強い」とか「バッキバキ」とか威勢のいい言い回しよりも、柔らかさや優美さを備えた「丁寧さ」。私としてはこちらのほうがしっくりきます。


アンコールは、エルフの代表曲として時折マーメイドと両輪を為す、奇跡の旗でした。そこで、「これで終わりだなー素晴らしいワンマンだったなぁー満足満足!」って思ってたら、アイフラメンのうちこの日唯一姿を現していなかった、michelleがステージに出てきた。食あたりから復活したmichelleが。
えっ、食あたりだったってバラしちゃダメだった??

みしぇるしゃん、「これだけじゃあまだ物足りないよなぁー」な口調で率先してWアンコールを煽ってゆく姿勢は、まるっきり演者側の人じゃなくてフロア側の人のソレでした(笑)
再びステージに登場した妖精さんが歌い出したのは、この日二度目の時折マーメイド

…っとそこへ、関係者エリアで鑑賞したであろう私服姿の元エルフ、現アンピクシープーペのみずきが飛び入り参加ッ!!
うぉぉぉおお、ぴよぴよしてきたぁぁあああ!!
昨年5月に行われた神田明神EDOCCOでの単独公演でも、12月の名古屋M.I.Dへの遠征(レポは→コチラ)でも2人と共演していたみずきだけに、この特別参加は「やったー!」という喜びはあるものの、そこまで大きな驚きはありません。彼女はTRIPPERのMVにも出演してたしね。

驚いたのはこの次に起こったこと。
時折の2番が終わるくらいのタイミングだっけかな?
三人だったステージ上のエルフに、もうひとり加わる。

あ、マアヤだ。
髪をバッサリ切ってショートカットになってるけど、あの軽やかで力強いステップは「元気な妖精」のそれだ。元気な妖精は元気な人間になったけど、相変わらず元気で自信満々に見えた。妖精の衣装を着ていないだけで、そのまんまあのマアヤだった。
うぉぉぉおお、まやまやしてきたぁぁあああ!!

涙が止まらん。
卒業公演(レポは→コチラ)ぶりに歌い踊るマアヤの姿に涙腺を刺激されたからかというと、たぶん違う。おそらく管理人は、彼女に対してそこまで強い思い入れがあるわけじゃない。
マアヤ登場という思いもよらなかったサプライズにびっくりしてしゃがみこみ、そのあとも泣きながら歌い踊るリカの姿を見てたら、なんだかこちらも泣けてきちゃった、というのが正しい。妖精なのにどうも人間臭いところあるよね、リカは。


手作り感溢れる単独公演でした。
元メンバーの参加。切磋琢磨する仲間によるバックアップ。派手な特効も紙テープシュパ!!の演出もなかったけど、生誕祭の延長のような、温かく親密な空気に包まれたWWW Xでした。この雰囲気は、そのままリカとミオ、2人の妖精の佇まいに通じるものがあります。

当初描いていたものとは違った単独公演になったことについて、2人は悔しさをにじませつつ、「同じここ、WWW Xでリベンジ公演を果たしたい」と述べていました。でも私は、素晴らしい楽曲と優れた表現者と素敵な協力者によって作られた、『妖精の旅』のこの温かさが好きですよ。素敵な旅でした。
そして、この旅はまだまだ続くのだ。


<セットリスト>
01.時折マーメイド
02.PAIN ~AIの証~
03.ライク ア ティンカーベル
04.エルフと豆の木

***** トムとキャリーによる口上① *****
***** 衣装チェンジ *****
05.トラストブロッサム
06.ハートウォール
07.禁断のShall We Dance
08.赤い月が見えるまで (バラードVer.)
09.TRIPPER ~一緒に見る夢~ (バラードVer.)

***** トムとキャリーによる口上② *****
***** 衣装チェンジ *****
10.オトン!オカン!ドカン!
11.オオカミ少年
12.一凛哀傷歌
13.等身大ユートピュア
14.エルフショット ~あなたと出逢えた軌跡~

ENCORE1
15.奇跡の旗

ENCORE2
***** michelleによるアンコールいくぞー *****
16.時折マーメイド (with みずき & マアヤ)


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