矢作俊彦 & 司城志朗『犬なら普通のこと』

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矢作俊彦司城志朗_犬なら普通のこと
矢作俊彦 & 司城志朗『犬なら普通のこと』 (ハヤカワ文庫JA)

阿部和重と伊坂幸太郎の『キャプテンサンダーボルト』に続いて、今回も共著モノ。
矢作俊彦&司城志朗のハードボイルド、『犬なら普通のこと』を読みました。

暑熱の沖縄。ドブを這い回る犬のような人生。もう沢山だ―ヤクザのヨシミは、組で現金約2億円の大取引があると知り、強奪計画を練る。金を奪ってこの島を出てやるのだ。だが襲撃の夜、ヨシミの放った弾は思いがけない人物の胸を貫く。それは、そこにいるはずのない組長だった。犯人探しと後釜争いに組は騒然とし、警察や米軍までが入り乱れる。次々と起こる不測の事態をヨシミは乗り切れるのか? 血と暴力の犯罪寓話。

息苦しい。
濃密。
読んでて辛いわ。


以下、人によっては「ネタバレ」と感じる部分があると思いますので、ご注意ください。
 ↓




犯罪って割り合わないんだなぁ…。

というマヌケな感想がまず浮かんできちゃうのは何か申し訳ないんですけど、強く感じたのはそれ。犯罪小説にままみられる、爽快感/やってやった感/スリル/頭脳戦に挑んでいるかのような昂揚感。本書からそういったものを感じとることはほとんどありません。
実際にはあるのかもしれないけど、それ以外の印象が強くって目立たないのかもしれん。

再度書きますけど、
息苦しい。
濃密。
読んでて辛い。

どこか“ズレ”を感じる登場人物たち。誰も彼もが相手の裏をかこうとしている。そして、絶対ハッピーエンドにはならなそうな物語展開と冷めたムード。ラストで明らかになる“絵図”のインパクトの大きさ、やりきれなさの余韻が強烈です。


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