スティーヴン・キング『ミスター・メルセデス』

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スティーヴン・キング『ミスター・メルセデス』 (白石朗 訳、文春文庫、上・下)

スティーヴン・キングの『ミスター・メルセデス』を読みました。
テレビドラマ化されてるみたいですね。

暗い霧雨の朝。仕事を求める人々の列に、何者かが駆る暴走車が突っ込んだ。多数の死傷者を残して車は走り去り、事件は未解決に終った。そして今、退職刑事ホッジズのもとに犯人からの挑戦状が届く。こいつをこの手で捕らえてやる。決意したホッジズは、孤独な調査を開始した。アメリカ最高のミステリー賞、エドガー賞受賞作。

暴走車による大量殺人犯、ブレイディ。母親とともに暮らす孤独な男。いま彼は新たな大量殺人計画を練っていた。一方、退職刑事ホッジズも犯行に使われた自動車を手がかりに真相に近づきつつあった。開始される惨劇の秒読み。それを阻止すべく、ホッジズと仲間たちは奔走する―。巨匠渾身のミステリー大作。


キングはいつもキング。


以下、人によっては「ネタバレ」と感じる部分があると思いますので、ご注意ください。
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キングがミステリを書いたッ!!

…ってことで話題になった本書ですし、キングスキーである管理人もそれで「ほぅほぅ」と、いつもとは異なる種類の興奮を覚えたものです。キング作品はどんなに評判が悪くても読みたいと思ってますけど、40年もキャリアを積んできた人がここでまた新たな領域を踏み込むなんて!!という驚きを感じさせてくれるのは単純に嬉しい。

と思って購入、読み進めてはみたものの、これまでのキングと大きく変わるところは無かったかな、という感想です。
ひとくちに「ミステリ」と言っても色々作風やジャンルがあると思いますけど、推理小説、謎解き小説としてのミステリを期待すると肩透かしを食らいます。トリックが明らかにされるときのカタルシスやどんでん返し的構造を求めちゃダメ。
刑事(役)と犯人による駆け引き、追いかけっこ的要素が前面に出ていることで、これまでのキングと違うといえば違うけど、語り口や物語の持って行き方はいつもキング流ですしね。キング作品、特徴が濃すぎるのよ。

いつものキングってことは、それだけの面白さも担保されています。濃密な描写にグイグイ引き込まれる。退職刑事の孤独な闘いに終始せず、後半をチーム戦にしたのも正解。
ただし、キャラ造形がちょっと弱いかなー。主人公の退職刑事ホッジズにせよ、シリアルキラー=ブレイディにせよ、深く感情移入させるだけの魅力に乏しい気がします。


ビル・ホッジズのシリーズは三部作になっており、『ファインダーズ・キーパーズ』『任務の終わり』と続きます。こちらも楽しみ(文庫化されたタイミングで)。


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