島田荘司『ゴーグル男の怪』

島田荘司_ゴーグル男の怪
島田荘司『ゴーグル男の怪』 (新潮文庫)

島田荘司の『ゴーグル男の怪』を読みました。
タイトルからして御手洗シリーズっぽい感じもしますが、さにあらず。ノンシリーズです。

煙草屋の老婆が殺された夜、ゴーグルで顔を隠した男が闇に消えた……。死体の下から見つかった黄色く塗られたピン札、現場に散乱する真新しい五十本の煙草。曖昧な目撃情報に怪しい容疑者が続出し、核燃料製造会社をめぐって奇怪な噂が。そしてついに≪ゴーグル男≫が出現した。巧緻な伏線と戦慄の事件が、ねじれ結ばれ混線する! この上なく残酷で、哀しい真相が心を揺さぶるミステリー。

御大が時折やらかす、とんでもなく素っ頓狂なヤツ、キタな…ww


以下、人によっては「ネタバレ」と感じる部分があると思いますので、ご注意ください。
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書きたいことを思う存分書き散らして、それを無理矢理ミステリ仕立てにした結果、バランスの悪いなんともヘンテコな作品が生み出されることが、島田作品にはままあります。本作もそんな傾向が強いです。
前半の原子力絡みのストーリーは、平易な文章でかつ読み応えがあるという、シマソウらしい部分なんですが、それがメインの事件に活きていないこと甚だしい(笑)。なかなかチグハグな作品だなこりゃあ。

読書をしていて、作中シーンの映像が脳内に瞬時にできあがる人も多いと思いますが、本作のそれは実に珍妙なモノばかりです。だってタイトルからして「ゴーグル男」ですからね。夜道を走りまわるダーク・ヒーロー、ゴーグル男。もう苦笑するしかないでしょ。
で、ゴーグル男さん、ゴーグル・スタイルのまんまスーパーで買い物したり、銭湯に入ったり、挙句の果てには路上でムーンウォーク(マイケル・ジャクソン的なアレ)始めちゃうんですからねw もう何が何だかww

謎解き部分のカタルシスは薄いし、真相へのもって行き方も強引さばかりが鼻につくしということで、ミステリ的にはあまり出来の良い作品とは言えません。でも湯船に浸かるゴーグル男の図を生み出してしまっただけで、本作の意義はあるのだ(笑)


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