摩天楼オペラ「Human Dignity」

摩天楼オペラ_humandignity
摩天楼オペラ「Human Dignity」 (2019)

キングレコードに復帰しての、通算8thスタジオ・フルアルバム。
ってゆーか、ベルウッド・レコードに移籍してたの把握していなかったよ。まぁあそこも大きく捉えると、キング内のレーベルと言ってもよいんでしょうけど。
悠(Dr)の後任として響(ひびき)が迎えられた、新布陣による音源です。


パッと聞いたときの印象は、こりゃあ「歌モノ」だなぁ…というものでした。
元々、摩天楼オペラは表現豊かな技巧派楽器隊を揃えている割には、驚くほどヴォーカル・オリエンテッドなバンドだと捉えています。それはVoの苑がメイン・ソングライターであることが大きいんでしょうし、彼の歌唱力の高さや声質に依るところもまた大きいでしょう。
それにしても、前々作「PANTHEON -PART 1-」前作「PANTHEON -PART 2-」が、管理人にとってはJaYのGtプレイの大活躍しまくる「ギター・アルバム」だという認識だったので、苑のヴォーカル、および歌メロが目立つ本作は「大きく路線を変えてきたな」という印象でした。

まぁ、ギターが(相対的に)目立たないというのは、HR/HMの流儀に則ったプレイが少なめだから、そう感じるのかもしれないですね。やはり自分はオペラを、“メタル耳”でもって聴いてしまう傾向がありますから。
JaY自身の存在感や、現行オペラのGtは彼じゃないとダメという貢献度合いの大きさは、PANTHEONシリーズ以上でしょう。バンドの一員として曲作りにも加わっており、インスト⑨Ceeと、アコギとVoによる⑩見知らぬ背中は、特に彼のプレイの重要性が際立つ曲に仕上がっています。


もう少し聴き込んでみると…、、
アルバムの前半と後半で、質感が大きく異なる作品です。
前半は勢いのあるラウドロック調の曲が目立ち、シンフォニック・メタル、メロパワ/メロスピとしてのオペラを求める向き(ヲイラ)からすると、なかなかに厳しい出来。
後半、具体的に言うと、本作いちの異色チューンである⑧actorから空気が変わる。しっとりとした憂いを帯びた空気に。暗いところ大好き・湿度高め大好き人間からすると、そっからが素晴らしいのです。

端正で叙情的なV系ロックにお洒落なフュージョンちっくなインスト・パートがぶち込まれた、驚愕の
澄んだ叙情と技巧、終盤には優しく壮大なクワイヤに包まれる、インスト
前述のバラード
ゲストのユッコ・ミラー(大西由希子)のSaxが涙を振り絞るキラー、⑪SNOW
アルバム中最もシンフォ・メタルなオペラを味わえる、待ってましたのメロスピ⑫The WORLD
か、完璧だ…。。。


摩天楼オペラの懐はこんなに深いんですよ、と見せてきたアルバムでしょうか。変化球と言ってもいいかも。ワタクシ、本作の「新機軸」っぽいところは概ね好印象ですね。
アルバム前半はまるでピンとこないが(③Invisible Chaosが救い)、後半の創造力の迸りっぷりに推されて、結果、前作と同じくらいのお気に入り度に。
これも、傑作。

【お気に入り】
⑪SNOW
⑫The WORLD
⑨Cee
⑧actor


スポンサーサイト



COMMENT 0