I.D.And Fly LooM vs ダイヤモンドルフィー プレミアム2マンライブ 『楔を断ち切れ』 @新宿ReNY (2019/3/7)

I.D.And Fly LooM vs ダイヤモンドルフィー プレミアム2マンライブ 『楔を断ち切れ』 新宿ReNY (2019/3/7)



【楔(くさび)】
①断面がV字形をした木・石・金属などでつくった部品・道具。
②二つのものを固くつなぎ合わせるもの。きずな。


I.D.And Fly LooMとその“前身”であるダイヤモンドルフィーのツーマン・ライブに行ってきました。
以下、「アイフラ」と「ドルフィー」と。

アイフラに在籍するurara(ドルフィーでは月丘うらら)、natsuki(紺野なつき)、michelle(真崎ミシェル)の現役組3人と、しらいしゆの+藍川さゆの2人。2018年9月25日を最後に、さゆの卒業とともに活動休止となったドルフィーが一夜だけ限定復活し、アイフラと“対バン”する。つまり、現役組の3人は2ステージの出演ね。
見届けるしかねぇ。

管理人はフロア真ん中あたりの柵んところで観戦です。
スクリーンに、先攻はドルフィーである旨が映し出され、さぁ開幕ざます。
ステージ後方にはダイヤを象ったオブジェ。


先攻 : ダイヤモンドルフィー
管理人は1ヶ月前のアイフラの初ワンマン(レポは→コチラ)からここのライブを観るようになったばかりですから、当然ドルフィーのステージを観るのは初めて。曲はひととおり集めたので、迎え撃つ準備は十分とはいえないまでも、一応できていますけども。
過去をもろもろ遡ってみると、しらいしゆのはツインテールにしがちな人っぽくて、それだけがドルフィーについての気掛かりポイントだったんですけど、彼女がツインテってない時点で勝った。
勝利。
歴史的大勝利だ。
おまけにクッソかっちょいいfake pokerの衣装だってゆーんだから最高やんけ。無敵。

つよいな、と。
曲もパフォーマンスも。
華やかなメンバーに、明るくポップな曲も暗くシリアスな曲もどちらもキメてくる表現力、運動量の多いダンス。そして、西山曲のあちこちに仕掛けられたフックが否応なく昂奮を掻き立てる。そりゃあ盛り上がるよ。

フロアの熱量が凄まじいことになっています。コールがやかましい(笑)。そりゃあそうですよね。これだけのパフォーマンスをされちゃあ熱くならざるを得ないでしょうし、活動休止からこっち、ずっと待ち望んでいた人も多いんでしょうし。曲が始まる前のメンバーの立ち位置で、次がどの曲かすぐに分かっちゃうんだなー。すげぇ。
ソロで歌うパートになると、それぞれの担当色のサイリュームを掲げながらステージ中央に殺到する様子は、まるで撒かれた餌に群がる鯉の反応だ。さしずめ新宿ReNYのフロアは池だ。
フロア is 池。
ヲレら are 鯉。
要チェケラ。

しっちゃかめっちゃかになっちまいそうなフロアの喧騒っぷりなんですけど、面白いのはノリが決して暴力的ではないってことですね。ワーッと集まるものの、ケチャ(ですかコレ?)が終わって自分の元の位置に戻ってゆくときに、みなさん妙に礼儀正しいという(笑)

ドルフィーは、しらいしゆのの存在がありきで結成されたグループ。
でもステージを観ていて気づいたのは、ゆの1人だけ目立つようにはなっていないってことですね。ダンスやフォーメーションは、彼女をセンターに押し出すものばかりじゃない。メンバーみんなに「見せ場」があるし、その「見せ場」を「魅せ場」にすることがみんなできている。
そして、個人それぞれが光ることでチーム全体が輝くというマジックが起きている。個の魅力が全体に還元されてます。こりゃあグループとして理想の姿なのでは。うららもなつきもミシェルも、ドルフィー活休後、アイフラになってからの成長も著しいんだと思いますが、つくづく魅力的な5人が揃ったグループだったんだろうな、と感じる次第です。

そんなドルフィーの中にあって、なおひときわ輝いているのが、ゆの&さゆなんですよね。
藍川さゆは、長い手脚を活かしたカッコイイ系の動きが映えること映えること。キレ味抜群ですわ。見惚れる。あと、マイクの持ち替えの技術が高いです。正にエースたる存在感。
そして、切り札ことジョーカー=しらいしゆの。この人ハンパないわ。表情と動きがイチイチ全て、キマってる。このキマりかたは、なんつーかもはや二次元ですよ。アニメかCGかってレベルのフォトジェニックさ。むをおおおお!むをおおおお!
観る側の目にどう映るかってのを、考え尽くしたステージングなのか、それとも天性の感覚で自然にそういう所作と表情ができてしまうのか…? ステージに上がるとスイッチ入るタイプだなこりゃあ。なんにせよ、秀でた表現者です。サイコー。

あれもこれも聴きたいという状況下では、全9曲のセットは圧倒的に少なく感じました。それでも、かなりツボを突かれまくった選曲だったのではないでしょうかね。ま、西山ドルフィー曲はどれも強力なんですけど。
ゆの&さゆの復活を、そしてドルフィーの月丘うららと紺野なつきと真崎ミシェルを観ることができて良かったです。素晴らしい一夜限定復活ステージだった。

<セットリスト>
1.ダイヤモンドリーマー
2.愛の手錠
3.bravery heart
4.拝啓 ロミオとジュリエットへ
5.Angelic devil
6.dream of flowers
7.out of cage
8.トロイの木馬
9.fake poker ~生き様に賭ける道楽~


しらいしゆの“ちょっとだけ”生誕祭’19
しらいしゆのの誕生日が数日後の3月10日ということで、ここでミニ生誕祭、…という名の、uraraとnatsukiとmichelleの休憩時間とのことです。
ドルフィー結成前にソロで活動してたときの白いドレスをお召しのジョーカーさん、めっちゃお綺麗! そしてドルフィーのステージが終わってすぐに出てきたから汗だく!
俺様全開のトークをさらりと、しかも嫌みなく繰り出してきて場を和ませるのは、この人ならではの味ですね。イカす。実質ソロ曲であるドルフィーのバラード、song for all1曲のみを披露しました。


後攻 : I.D.And Fly LooM
スクリーンに映し出された「後攻」の文字に続くのは、新しい衣装に身を包んだアー写でした。黒から赤へ。これまでの衣装と似たフォルムをもってイメージの連続性を保ちながら、鮮やかな変身。あぁ、やっぱりこのグループはこういうドキッとさせることをやってくるんだ…、という期待に違わぬ展開に、思わずゾクッときます。ドキッ&ゾクッ。軽くショックを受けたと言ってもいい。
ドルフィーのステ-ジのときにダイヤのオブジェがあった場所には、アイフラのシンボルである∞型の構造物が。

ドルフィーのステージを観た後だと、よりチーム戦の様相が強いように感じます。歌もダンスも、“個”の技術ではなく、“集”のパワーで押してゆくスタイル。
“個”の技術でも魅せられるようになるのは、これから先の課題であり、楽しみなところでしょう。曲の世界観や歌詞に登場する人物の心情に照らして、その表情や所作は似つかわしいのか? 板に付いているのか? 観ている側に「確信」を伝えることのできるパフォーマンスなのか? そういう部分が強化されたとき、さらに魅力あるグループになるんじゃないかと思います。

それよりなにより、このセットリストを見てくれ。
アイフラのセトリだけじゃなくて、ドルフィーとアイフラの両方のセトリを。双方の流れとそこに込められた意味を。
トロイの木馬fake pokerという、ドルフィーの初期と後期を代表し、アイフラに継承された2つの名曲。その2曲で締めくくったドルフィー。その2曲から始めたアイフラ。
そしてその2つ以外の継承曲は外して、それぞれのユニットだけの曲でまとめる。アイフラはここで初披露の新曲カルーセルシンドロームを含めて、自分たちのオリジナル曲全てを投入しての総力戦。最後はこのグループの声明でもある、I.D.Flyで締めくくる。

「生き様に賭けていた道楽が 崩れ去ってほらもう何もない」
「浮遊した先で見つけたものは 夢を叶えたジレンマ」

と歌う、I.D.Flyに込められたメッセージは生々しく強烈です。ドルフィー期のモチーフを赤裸々に織り込んだ歌詞。『楔を断ち切れ』と題された本公演のラストに披露されるのが、「夢の花の先へ」と歌う曲。この美しさよ。

新曲カルーセルシンドロームは、挑戦的な楽曲であるとの印象でした。ぶっ込まれた音楽的要素は非常に多彩。一発でその核心に迫ることなんて到底できやしませんが、私の脳内には「ムード歌謡Djent」なる謎のワードが思い浮かびました(笑)。攻めに攻めるリフを持つ同曲から、プログレメタル的緊張感を宿す錯覚の喜雨への流れにはチキンスキン is 立ったっス。
ドルフィーの遺産をキメ曲として保有し、実験的な部分はさらに研ぎ澄まされた、このグループの幅広さはとても頼もしいですね。
アイフラはこれから。夢の花の先へ、だから。

<セットリスト>
1.fake poker ~生き様に賭ける道楽~
2.トロイの木馬
3.下剋上 (urara&natsuki&michelle)
4.マイスクリーム
5.ライフアクセル
6.天寵の聖歌
7.カルーセルシンドローム (新曲)
8.錯覚の喜雨
9.I.D.Fly


アンコールは無しで、出演者9人がステージに揃って、それぞれの告知がなされました。
それがドルフィー・ファン、ブルフォレ・ファンにとっては爆撃級のインパクトのあるものだったので、もしかしたらライブの印象がどっかへ吹っ飛んでしまう人もいたかもしれません。
アイドルを引退し、今はふつーにお仕事しているというしらいしゆの、そして藍川さゆが一緒にユニットを組むんですって。まぁこの2人は仲良しポンコツコンビ(by本人たち談)ですから「さもありなん」って感想なんですが、そこにエルフロートを卒業したミズキまでもが合流するってんだから事件。ゆのとミズキって、ブルーフォレストの礎となった2人ですからね。事務所を代表するような3人が揃ったユニットに…。すげえわ。古くからのファンからしたら、失神モノの発表では。
つーか、(表現はアレだが)顔面偏差値高すぎるよね。

ゆのは「私がステージに立つところみたいでしょ?私もチヤホヤされたい(笑)」「ということで、利害が一致しましたね」とか言ってましたねw それに続いて、「社会の厳しさを知った私たちが、社会の厳しさを知ってるみなさんの心の拠り所になりたい(笑)」みたいなこと言ったのサイコーだった。

この社会人3人組ユニットの発表、そしてゆったりしたペースで活動してゆく意向であること、また、終演後に西山プロデューサーがツイートした、「ドルフィーはここで終わり。でもまた何かをやるような余地は残しておきます」という内容からは、自由度の高い活動を視野に入れている様子が伝わってきました。


『楔を断ち切れ』
アイフラ初ワンマンのときに告知されたこの公演タイトルは、正直言うとピンとこないものでした。
「楔」っつーのは分かる。「断ち切る」ってのも分かる。でも「断ち切る」って言葉からイメージするのはそこそこ長さのある物体や概念でありまして、はたして「楔」って断ち切るものなのか…?w なんていう、メンドクサイ人間ゆえの思考があったりしてですね(苦笑)

このツーマンを見届けた今では、西山Pや2つのグループのメンバーたちが、どういう意図をこのタイトルに込めたのか、なんとなくは理解しているつもりではあります。
でも私の感覚では、これは「楔(くさび)」というより「禊(みそぎ)」だったな、と。もちろん、ドルフィーの存在は払い落すべき「罪」や「穢れ」ではないので、不浄を取り除く行為としての禊って感覚ではないんですけど、なんつーか、通過儀礼としての禊と言いますかね。

ドルフィーを清算し、けじめをつける。
アイフラのアイデンティティを確立する。


ドルフィーとアイフラ。それぞれのユニットとそれぞれのメンバーが、新たな道へと一歩を踏み出すために必要だった、通過儀礼たる禊。そんなふうに感じました。


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