DMM ( as DGM )、Edwalda Force ( as IRON MAIDEN )、浜ボウル (as HAMMERFALL) 他@大塚Hearts+

HAMMERFALL tribute BAND 浜ボウル presents 『 Heavy Metal Strike!! Vol.7 』 大塚Hearts+ (2018/12/9)



熾天使を観に行ってきました。

大塚に舞い降りた熾天使こと、世界のせきぐちさん(Key)を擁する、イタリアのプログレメタル・バンドDGMのコピバン=FANZAです。

…あ、FANZAじゃなかったようです。訂正いたします。DMMのまま改名していないとのことです。
そうか、やっぱりこのバンドは「赤」じゃなくて「黒」だったのか。

観るのは2回目です。前回もHAMMERFALLのトリビュート・バンド=浜ボウル主催の、このカヴァー・バンドだらけのイベントでした。ふたつ前の『Vol.5』で、ちょうど1年前。昨年のレポは→コチラ。

池袋で大人の遊び場にインして、さらにもう一度イン(2部も参加)したいなぁと後ろ髪を引かれつつ、大塚へ。目当てのDMMだけじゃなくて、対バンもメロディックなメタルを演奏するバンドが揃っていたので。
ちなみに、同日(12/9)にはあんきも(Unlucky Morpheus)のツアー・ファイナルもあったみたいですが、私は迷わずこちらへ。
ふきよりせきだろ。


SONATA ARGOTICA (as SONATA ARCTICA)
昨年も観ましたねぇ。メロスパー的にソナタが輝いていた頃に焦点を当てたアーゴティカ。キラキラした音楽に見合った華はないが、それは本家も一緒なので問題無し。むしろkeiichi氏(Vo)がヘンテコでド派手なウインドブレーカーみたいのを着ている分、こちらが上だぜ。←
しっかりとした実力があり、かつ場慣れしたフロントマンがいると、安心して観ていられます。曲の魅力をそのまんま伝えようという姿勢も好感です。「あんまり有名じゃない曲からもチョイスした」とのことでしたが、いやいや十分にこれぞソタナ!という曲ばかりでしたよ。My Seleneは少しヒネリが効いていたかもしれんですけど。
Jens Johanssonバリの前傾キーボードには光るアヒルちゃんが乗っていました。オマージュ。


Hymn (as ANTHEM)
80年代全開なコス(?)からはどの時代のANTHEMをやるのかさっぱり分かりませんでしたが、蓋を開けてみれば森川アンセム全開でした。曲は英三でも心は森川、みたいな。Voさんがめっちゃ森川之雄似の声なの。すごい。
本家と同じシングル・ギター編成でしたが、アンサンブルに厚みがあったのも良かったです。てっきり往年の曲ばかりやるのかと思いきや、新しめの曲をバシバシ演奏してきたことに、強いアンセム愛を感じました。


KAKALOT (as KAMELOT)
なんと女性Voを含むフル編成です。ヘヴィで存在感たっぷりなリズム隊にギターのトーン、各パートのバランス、なんか異様に再現度が高くてびっくりしたんですけど。レベルの高いこの日の出演バンドのなかでは、最もアンサンブルが怪し気でしたけど、それもこの拘りを前にすれば些細なこと。
それだけに男性Voが歌詞を間違えまくってるのが残念でしたね。で、間違えてることに気づいてなさげなのがなおさらマズい。この人は「歌」を大切にしてないんじゃないかなぁ?って感じてしまったので。歌唱力自体は素晴らしかったので余計に勿体ないです。




さて、このイベントといえば、無料で振る舞われる手作りお菓子。
主催者である浜ボウルのGt・どくみそさん(この方、KAKALOTではBa弾いてた)の奥様=「よめみそ」さんが作ってくださってるとのことですが、これがめちゃくちゃウマい! 種類も豊富!
イベントのチケ代払って、お菓子を目当てに来てもいいんじゃないかってレベルの充実っぷりです。いや、むしろドリンク代だけじゃなくてお菓子代払わせろ。

しかし昨年よりもなんだか種類が増えてませんか? 20種類以上ありません? 品切れになったと思いきや、後ろのクーラーボックスから補充されてるし(笑)
ライブの合間にちょっと「つまむ」という域を軽く超え、スイーツだけでなくキッシュが紙皿&フォークで振る舞われたり、しっかりした食事も可能。なんなんでしょう、このホスピタリティは(笑)

それにこの新作だという「キノコのキッシュ」!
味皇1
サクサクなパイ生地としっとりとしたソースが奏でる、甘美なツインリード!!
舞茸の食感がしっかりと残っているのがキラーッ!!
味皇4
これは本日のベスト・アクト決定かッ!?




浜ボウル (as HAMMERFALL)
今年もめっちゃ面白い。Voの人がシルバーの西洋甲冑姿で出てくるだけで面白いからズルい。仮面にすっぽり覆われてるせいで視界がほぼゼロ、バイザーの隙間からマイクを突っ込むように口元にもっていってる様子がワン&オンリーで、なんでそんな歌いにくい&動きにくいことをワザワザしてるんだっていうところがズルい。最高。
Renegadeが始まる前のバイクのエンジン吹かし音SEが途中でプスンプスンって調子悪くなって、修理するようなコントし始めるのもズルい。その修理してる風のヴィーンって音を黒板消しのクリーナーを使って出してるのがズル過ぎるww
ヘヴィ・メタル王座決定戦チャンピオンの藤目氏(と挑戦者3名)をフィーチャーして、クイズ・ショウを始めちゃうのもズルい。今回もこれやるのかww
HAMMERFALLとこの次に藤目さんが出るRIOTにちなんだ問題です。HAMMERFALLがアルバム「MASTERPIECES」でカヴァーしたRIOTの曲は次のうち、どれ?
 1、Warrior
 2、The Warrior
 3、Warriors
 4、Flight Of The Warrior
ヒントは「タイトルにWarriorが入ってる曲」です。

…とかズルいw

このエンタメ精神全開なステージ、綿密に打ち合わせしている成果なんじゃないかと思うんですよねぇ。普通にメンバーが演奏してるだけじゃなくて、ヴァースに合わせて煽り役のエキストラ(ボーリングのピン仮装)が登場したり、ビニール製のハンマーをフロアにポンポン放り込んだり、上記のクイズや寸劇をやったりとか、小道具や余興を組み込むタイミングがバッチリで、とにかくテンポが良いですから。(笑いの)空気が弛緩しない。ネタだけじゃなくて演奏はしっかりしてるし。
いやーサイコーに楽しかったです。


RIOTOTO (as RIOT)
藤目氏Voバンド。現行のRIOT Vの曲を中心にカヴァーしていましたが、アンサンブルがめちゃくちゃ力強かったですね。ガツンとくる塊感では、この日一番だったのではないかな。藤目氏のハイトーンも凄まじいキレ!
…なんだが、いくらなんでも斜に構えすぎているように映るので、観ている人たちにきちんと正対して歌ったほうがいいと思いますよ。


DMM (as DGM)
衣装は全員「黒」。やっぱFANZAじゃないんだ。
というかですよ、幕がウィーンって上がってみると、せき様が黒のツーピースにニーソ姿なんですけど。
熾天使がニーソ!
Absolute Territory!!
(絶対領域)
と心の裡で快哉を叫びましたよね。
大勝利。
(何に対して勝ったのかは不明だが)

口あんぐりモノのスーパー・プレイが連続します。DGMをカヴァーしようと考える時点で只者じゃない集団なわけですけど、ある種の余裕すら感じさせながら演奏する姿に、目の前で繰り広げられている光景ながらアンビリーバブルです。おまけに1年に1回のライブなのに、前回と選曲をかなり入れ替えてるのがチャレンジング。

前回記事でも書きましたけど、やまださん(Gt)のプレイがめちゃくちゃツボにハマるんですよね。トーン/タッチ/タイム感/運指…etc…、完璧に好みド真ん中です。なんて“綺麗”でスリリングな音を出すんだろうこの人は。
ピーンと背筋が伸びるような凛とした音はせき様のキーボードもしかりで、この2人のコンビネーションはやはり至高。ユニゾン・パートなんてチビるぜよ。やまださん=下手側・せき様=上手側と、立ち位置が離れているだけに、ライブ中は終始「あっち向いてホイ」やらされてる感じだわw
しかしせき様めっちゃニッコニコなんですけど。難しいフレ-ズほどニッコニコなんですけど。
尊い。
尊すぎる。
アルティメット尊い。

オリジナル・プログレHR/HMバンド、Cycle of 5thでも活躍するkomaさん(Ba)ですけど、Co5よりもこっちの方がさらにテクニカルですわね。速いパッセージが多いし。komaさん、指板に蜘蛛がいますよ!(←左手)
あと前回はウワモノ楽器の華麗さ(とせき様の尊さ)に気を取られて気づきませんでしたが、真之介さん(Dr)のプレイがめっちゃ気持ちいいね! 音の抜けとタイム感が◎
また、本家が同期でまかなっているコーラスをDMMでは人力対応しており、それをリズム隊のお2人が担当しているので、忙しさと大変さもひとしおでしょう。

DGMってプログレメタル系のバンド群の中ではCIRCUS MAXIMUSと並んで、「メロディックでとっつきやすい」部類のバンドだと思います。そんな敷居の低さだったり距離の近さを、DMMのステージで体現しているのがVoのjinさん。彼が落ち着いた物腰で真ん中にいるから、バンドから浮ついたイメージを嗅ぎ取ることがないし、自然なアクションで聴き手の注意をソロイストに振り向けたり手拍子を誘ったりするから、小難しさは感じない。
選曲にも依るんでしょうけど、前回よりも声域に合った自然な歌唱だったように思います。

プロより凄いアマの妙技を堪能いたしました。ほんと素晴らしかった。
来年、jinさんはドリムシ・トリビュート別バンドのどり~む・じゃんぼ「METROPOLIS PT.2」完全再現を、せき様は黒沢ダイスケ氏(Gt)と一緒に、こちらもドリムシの「アルコール依存症克服のための12ステップ」楽曲をフルでやるんですって。
狂ってる(笑)
<セットリスト>
1.Void
2.Animal
3.Age Of The Flame
4.Brand New Blood
5.Ghosts Of Insanity
6.Hereafter


Edwalda Force (as IRON MAIDEN)
トリは、Drだけ男性のほぼ女性メンバーによるIRON MAIDENトリビュート。とても楽しみにしました。というのも、このバンドのVoが、以前Cycle of 5th主催のイベントにBruce Dickinsonソロ・バンド=AIR-RAID SIRENで出演し、驚異的なブルース成り切りっぷりを見せてくれたてぃらにーさん(Vo)だからです。その時のレポは→コチラ。

本人たちが大いに楽しみ、観にきた人を大いに楽しませる。イベントを締めくくるトリに相応しいアクトだったのではないでしょうか。とても気持ち良いステージでした。
演奏力は「それなり」ながら、メイデン好きィ!ってのが伝わってくるパフォーマンスでしたし、22 Acacia Avenueの構成力はなかなか見事でした。
なによりもブルースディッキン子こと、てぃらにーさんの八面六臂の活躍よね。ライブにおけるBruceの「もう少し落ち着きなさい!」ってくらいハイパーなアクションを忠実に再現、その模写っぷりから溢れる愛をビシバシ感じとることができます。現在(本家が)絶賛敢行中の『Legacy Of The Beast』ツアーで取り入れられている趣向を惜しげもなくオマージュ、40分?のステージで何回衣装チェンジしてるんだという忙しさです。Flight of Icarusではブロワーに炎に見立てた布をくっつけた自家製火炎放射器を2器(!)持ち込み、Fear Of The Darkではカンテラを掲げながら歌い、ムードを高める。「喋ること」が本職の人だけあって、MCでの語り口も心地良いしメッセージが明確。

他の出演バンドもそうですけど、やっぱ対象への愛だなー、と思うわけです。
アンコールでRainmakerをやってくれってリクエストした人がいましたけど、ヲイラもやってほしかった。
<おぼろげセットリスト>
1.Moonchild
2.Die With Your Boots On
3.22 Acacia Avenue
4.Flight of Icarus
5.Fear Of The Dark
6.The Evil That Men Do

ENCORE
7.Aces High


7時間くらいに及ぶイベントでしたが、最初から最後まで楽しかったです。主催のバンドがしっかりしてると、ヘンな(≒レベルの低い)出演者が集まりにくいし。なにより、楽しいイベントにしようという出演者の心づかいを色んなところから感じとることができたのが大きいですね。


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