ENSLAVED、Vampillia、SIGH@渋谷duo MUSIC EXCHANGE

『 いいにおいのするEnslaved Japan tour 2018 』 渋谷duo MUSIC EXCHANGE (2018/9/3)



ENSLAVEDの来日公演を観に行ってきましたー。
既に記事にしたように(→コチラ)ラウパで観ることがかなわなかったので、この来日が発表された時は嬉しかったですし、VampilliaSIGHも楽しみにしていました。
ハコはあの「魔の柱宮殿」こと、duo MUSIC EXCHANGE。管理人が到着した時間には、2バンド目のSSORCが演奏中(これから始めるところ?)でした。


SSORC
逆から読むと「CROSS」になる。つまり逆さ十字。黒ローブとブラックレザーとトゲトゲの装飾品。こりゃあガチにサタニックで不敬なブラック・メタルだわ。
とっつき易さは皆無で、Voは何を歌ってるか(叫んでいるか)微塵も聞き取れないんですけど、リフとリズムの組み合わせ(ブラスト多し)、それと曲展開の妙で以って飽きさせないようになっているが面白い。いや、全然面白くはないんだけど、ところどころやたら耳を惹かれる不思議…。R&R的なノリの良いパートを挟み込んできたりするのも上手いし。
Gtの人が手首を自傷するパフォーマンスしててドン引きしましたけど。


SIGH
前回観たのって、もしかしてEMPERORの前座の時か!? あの時、Dr. Mikannibal(Vo&Sax)は妊娠中、お腹が大きくなっている状態でステージに立っていましたけど、セッティングの時に彼女に連れられてステージでメロイックしてた女の子が、もしかしてあの(その?)娘さんか!? 光陰矢の如しィ!

“あの時”みたいに小道具を使いまくるステージではありませんでしたが、出音は実にカラフルで豊潤。Keyが多彩な音色で滋味豊かなフレーズを操るだけでなく、そこに川嶋未来(Vo)のフルートとDr. Mikannibalのサックスが加わるもんだから、プログレ者としても堪んないスこのバンド。
フロントの2人は衣装も佇まいも歌声も暗黒の住人というか、只者じゃない感を纏っているのがとってもええ感じなんですが、今回You Oshima(Gt)も何だか地獄の皇太子然とした妖艶さが漂っていて痺れました。
そのGtプレイにも痺れました。管理人はちょうど上手側で観ていたこともあり、彼の弾く姿がよく見えたんですけど、ほんといいギター弾くよなぁ…と。テクニカルでフラッシーなソロは見応えがあるし。同時に、突如としてぶっ込まれるソレが他のパートと違和感なく同居してしまうほど、どんな要素をも飲み込んでしまう楽曲の懐に深さに驚くのです。旨味のあるアンサンブル、サイコーす。

MCも無く、曲が終わると川嶋の「Thank you!」だけ挟んで矢継ぎ早に畳み掛ける。特にライブ後半は怒涛でしたね。35分くらい? あっという間に終了してしまった濃密な時間でした。フロアの盛り上がりもかなりのもの。


Vampillia
「ブルータル・オーケストラ」ことVampillia、CDは2枚ほど持っていますが、初めてそのステージを観させていただきまする。
簡単に調べてみると、メンバー/楽器編成がその時々によって異なる、正体の掴みにくいグループだそうで。この日は、Vo(というかシャウト担当)、Gt×2、Ba、Dr、Key、Violinという7人のメンバーで、もしかしたら彼らにしたらシンプルな編成だったのかもしれません。
因みに、管理人が観ることができなかったこの日の一番手、VMOVampilliaの別働ユニットであるもよう。

反復するフレーズを重ねてジワジワと感情の濃度を高めてゆくような手法、静と動を一瞬にして行き来する急転直下の楽曲展開、多種多様な音楽的引き出しの多さ、インストゥルメンタル・パ-トの多弁さと、1曲1曲のランニング・タイムはいかにも長そうなタイプの音楽です。実際、長いんでしょう。
でも同時に、時間の経過を忘れさせるような、いや、「時間の経過を忘れる」というよりは「時間感覚が歪む」ように感じさせられました。酩酊感というかトリップ感というか。危険だ。イケないことをしてる気になる音楽だ。

強く感じた音楽的要素は、シューゲイザー、プログレッシヴ・ロック、グランジを通過したロック、ジャズといったところでしょうかね。フランスのALCESTが2017年に来日したときのツアーがこの『いいにおいのする~』で、彼らに通じる、いわゆるポスト・ブラックメタルっぽさも大いにあります。
Drがプログレメタル的なフレーズを繰り出したり、一気呵成にアグレッションを爆発させるパートがあるものの、GtプレイからはHR/HM的流儀や整合感を嗅ぎ取れないため、伝統的/王道的なメタル色は薄め。というか、様々なジャンルをクロスオーヴァーしてゆく音楽性ゆえに、この日披露された楽曲群からは、さほどメタルっぽさを感じなかった、というほうが正しいかな。

サウンド的にはViolinとKeyとDrが中心というか、聴かせどころに要になっているように感じました。曲の美味しい部分を担っているような。GtとVoはそこに異なる感情のレイヤーを重ねる役割。
Voの人がまた強烈な個性を有する人で、髭&モヒカンなアピアランスも強烈なら、何をしでかすか全く予想もできないパフォーマンスも強烈。叫び煽るだけにとどまらず、痙攣気味に身体をビクつかせたり、咀嚼音みたいなのをマイクに吹き込んだり。シャウターにしてパフォーマーにしてパーカッショニストか。歌ってる(叫んでる)時間よりも、ステージをウロウロしつつアンサンブルに感化されたように身体を動かしてる時間のほうが長いかも(笑)
そういや、音楽要素のごちゃ混ぜ感だけでなく、それを奏でているメンバーたちも、格好と佇まいから判断するに多種多様な人たちが集まっているようで、何だか坩堝のようなグループのようだなぁと。

激しく美しい。
儚くも力強い。
メロディは暗いんだけど、陽の光が燦々を降り注ぐような希望をどこか感じとることができて、そんな音に身を委ねていた私に脈絡もなく、
これは人間賛歌だ!! (☼ Д ☼) クワッッ!!!
との想いが去来したんですよね。
どう言えばいいのか分かんないけど、喜怒哀楽を全部飲み込んだうえで、生きてることの喜びを吐き出した/吐き出そうとした、そんな音世界を感じましたよあたしゃあ。
衝撃を受けて震えた。
こりゃあ大発見だわ。単にオイラが今まで知らなかっただけだけど。
これは一度だけじゃなくて再体験しなくちゃ。


ENSLAVED
さぁさぁ待望のENSLAVEDですよ。この時点で進行が押していて、ただでさえ遅い設定のタイムテーブルがさらに後ろにズレこみそうな予感がバリバリ。いや、予感じゃなくて確信。これ終演23時近くになるんじゃね?みたいな。

duo、転換時にも幕が引かれないので、メンバー自身がふつーに機材セットしてる様子がバレバレです。よって、「あのノルウェーの伝説的バンド、遂に渋谷降臨ッ!」みたいな感慨はゼロです。でもそんなこたぁ関係なく、ENSLAVED最高でした。
めっちゃ凄かったです。
知的で繊細なんだけどキレイキレイしてないで、めっちゃワイルド!
肉感的なんだけど同時に神秘性も保持ィ!
ヴァイキング魂爆発ゥ!!
(意味不明)

楽曲展開は起伏はプログレのそれだけど、演奏の質感はあくまでエクストリーム・メタル。荒々しさをまき散らしてるのが堪らん。特にライブ・サポートのIver Sandøy(Dr)のプレイは凄かったですね。ラウドなんだけどうるさくないという、矛盾した表現になっちまうくらいの口あんぐりですよ。
メンバーはガチムチの体格とは裏腹に(?)静かで温厚な人たちなのでしょうか、笑顔でファンとの交流を楽しんでいるようでした。会場が殺伐とせずに、温かみを感じる空気に包まれていたのが素敵でした。

しかし、ですよ。
5曲40分。
短いッ!! 他のバンドとほとんど変わらない持ち時間。
そりゃあVampilliaSIGHの素晴らしいステージを観ただけで、チケ代6,000円(安い!)は十分ペイできてますよ。でもそういうことじゃないんですよね。この公演は『Enslaved Japan tour』を謳ってるわけでね、その点からすると「看板に偽りあり」と言うほかないです。初期作縛りの単独公演を“後出しジャンケン”的に発表してきたのも何だかなぁ…って感じだし。ま、ほんとに急に決まった追加公演だったのかもしれませんけど。ただその追加公演と有無と、本公演がやたら短かったことは、全く別の話だ。
つーか大阪では1曲増えて、名古屋ではアンコールありで1時間以上って何じゃこりゃぁぁああああ!!??

来日公演を組んでくれたこと自体はありがたいですし、バンドは悪くないどころか、素ン晴らしいステージを見せてくれたことに感謝感激なんですけどね。最後の挨拶の時、前方のファンと握手を交わす際に、メンバーが一人一人しっかり目を見て両手で握手していたのには感銘を受けました。

<セットリスト>
1.Roots Of The Mountain
2.Ruun
3.Sacred Horse
4.Isa
5.Allfadr Odinn


…とは言いつつも、管理人としてはVampilliaを“発見”できたことがあまりにも大きくて、憤懣やるかたない気持ちはどこかへすっ飛んでいってしまったのでした(単純)。
衝動的に物販で(Vampilliaの)Tシャツ買っちゃったし。これがまたカッコイイなデザインなのよね。



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