そんなジャケの雰囲気の変化に連動してか(関係ない)、前作「Dawn of the 5th Era」(2014)から方向転換してます。 化けた。 というか、変わった。 Key/オーケストレーションの役割がかなり大きくなっており、メロディック・デスメタル・バンドだったのがシンフォニック・デスメタル・バンドになった、そんな感じもします。ギターをアンサンブルの中心に据えながらも、元々Keyの使い方に異様に長けていたバンドでしたが、Andyのそちら方面の才能(もしくは欲求)が爆発したのか、ゴシカルで荘厳な空気に包まれてますね。それに伴って、楽曲の速度は如実に落ちた。
という、字面だけだと不安を掻き立てるような方向性なんですけど、これが見事に功を奏し、新たな傑作誕生ッ!と言い切ってしまいたいんですよわたくしは。 全体的なスピードは落ちましたけど、ところどころファストなパートや流麗に弾き倒すGtセクションを組み込んで飽きさせません。要はスピード・コントロールが上手い。そしてアレンジの勝利。むしろ走りっぱなしじゃなくなったことで、より立体的なアンサンブルが構築できているような気がします。推し進められていたモダン化はいったんストップ、立ち止まった印象かな。 それに変化といっても、そんなにビビるほどのことじゃないと感じますね。④Into The Darkや⑧In Torment、⑩The Colours Of The Cosmos等、今までのMORS PRINCIPIUM ESTのイメージを順当に受け継ぐタイプの曲も収録されていますし、メロディは相変わらず強力だし、美点は失われていない。 ゲストの女性Voをフィーチャーした、ゴシカルなバラード調の⑥Death Is The Beginningは、本作だからこそ生まれた名演じゃないかと思います(なんかこの曲、管理人が思い描いていた理想のIN FLAMES像って感じもあるなw)。やはり、このバンドの曲作りのセンスは只者じゃないですね。