AMORPHIS「QUEEN OF TIME」


AMORPHIS「QUEEN OF TIME」 (2018)

フィンランドのメランコリック・エンペラー=AMORPHISによる、日本企画ベスト盤「BEST OF - HIS STORY」(2016)を挟んでの13thアルバム。前作「UNDER THE RED CLOUD」(2015)からは約3年ぶりね。プロデュース周りを“売れっ子”Jens Bogrenが手掛ける体制を堅持。

ベーシストがNiclas Etelävuoriからオリジナル・メンバーのOlli-Pekka Laineに交代しています。Olli“出戻り”Laineは「裏番長」であるBARREN EARTHにも在籍しているわけで、これで表と裏を統べる、フィンランドのメランコリック統一王者として君臨した感がありますね(意味不明)。因みに今年はBEも新譜を出しているわけで、こりゃもう2018年はOlli-Pekka元年と言ってもいいくらいです(さらに意味不明)。

「表番長」はここ10年以上、傑作しか作れないという病気に罹ってしまっているわけですけど、今回もやってしまいました。あっさりと(?)、当然の如く、呼吸するかのように自然に、またもや傑作誕生です。こうなってくるともはや、傑作が生まれ続けることが奇跡なんじゃなくて、傑作じゃない作品が生まれ出ようもんならそれこそが奇跡なんじゃないかという、何を言ってるのかよく分かんない事態になっていますねカレワラ。

Tomi Koivusaari(Gt)は今作では曲を書いてませんが、Esa Holopainen(Gt)とSanteri Kallio(Key)という2名の作曲家の才能は爆発。自分達の黄金パターンを踏襲したキラー・チューンをいくつも産み落としつつ、それでもちょっとずつ新鮮な要素を入れてきて聴き手を飽きさせないのは、正に神業です。

今回はゲスト・ミュージシャンの起用がとりわけ光る作品になっており、それでいつもとはちょっと違った色合いを見せている感じかしら。⑨Amongst StarsでTomi Joutsen(Vo)とデュエットしているAnneke van Giersbergenは、相変わらずコケティッシュな歌声をお持ちですね。アルバムの中でどデカいフックになってる。
また、日本盤ボーナストラックの⑪Honeyflowはこの1曲だけOlli-Pekkaが書いており、他の曲とは毛色が異なるシンプルな疾走感があります。また、この曲にはゲストとしてLOUDNESSの高崎晃(Gt)が参加、ソロを弾いています。俺が!俺が!というエゴがさほど丸出しではないので、彼らしいプレイなのかはイマイチ分かりませんが、GtトーンがEsa&Tomiのものとはまるで違うし、2人はこんな高速フレーズは弾かねぇだろという点では、客演の意味はある。意図的にでしょう、フォーキッシュなフレーズを散りばめてるところに敬意を感じるし、なんだか微笑ましいです(笑)

そして重要なのは、それらゲスト陣の参加のインパクトにバンドが食われないで、しっかりと自分達のサウンドを奏でていることでしょうね。そのキャリアを通して、ずっとフィンランドの歴史や文化や精神性を(『カレワラ』を媒介にして)自身の音楽に投影してきた、AMORPHISのアイデンティティは濃く、強い。スタイルやジャンルとしての「フォーク・メタル」ではなく、彼らの場合は根っこの部分からフォーク・メタルですから、民族音楽要素も単なる付け焼刃にはなりえないし。
強いていうと、今回は中近東ムードがやや強めかなー、と。Jens BogrenがORPHANED LAND最新作「UNSUNG PROPHETS & DEAD MESSIAHS」(2018)を手掛けた繋がりから参加することになったという、イスラエルのコーラス隊やオーケストラ隊によるものでしょうか。「ELEGY」(1996)や「TUONELA」(1999)の音を近年の彼らの作風で仕上げたような感じもします。気のせいかもしれんけど。


コンスタントに作品をリリ-スしてくれて、何度も言うようにそのどれもが傑作なもんですから、どれが最高傑作かとか完全に判別不能になってますけど、アルバム一枚を通した完成度からすると前作に勝るとも劣らない評価になるんじゃなかろうかと。ヘヴィネスとメランコリーのバランスも良好。
AMORPHIS、やっぱり最高だった。

【お気に入り】
④The Golden Elk
③Daughter Of Hate
①The Bee
⑨Amongst Stars MVは→コチラ。
⑪Honeyflow
⑤Wrong Direction MVは→コチラ。
⑥Heart Of The Giant


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